~知らない名前~
私は侑乃の部屋でしばらくボーっとしていた。
侑乃が生前大切にしたていたらしいぬいぐるみをなでてみたり、
私とお揃いで買ったペンポーチの中身を見てみたりと。
まるで自分の部屋にいるみたいだった。
希空さんがお茶を持ってきてくれた時、私はあるものを見つけた。
日記のようなものだった。希空さんに「みてもいいんでしょうか??」
と聞いてみた。希空さんはいたずらっ子のように「あの子には内緒よ」
と言った。まるで侑乃が生きてるかのように。
私は日記を見ていた。侑乃が転校したあとからのようで、
実際日記をつけ始めたのは、小学生のころからのようだ。
毎日の些細なこと、(たとえば私と遊んだりしたこと)
颯君となかなか会えないけどメールで日々連絡を取り合ってること。
そして、1人の女の子の名前が出ていた。
私の知らない女の子。転校する前の同級生らしい。
すごく仲が良かったようで、日記にもほぼ毎日のように名前が出ている。
私のその子の名前を知らなかった。どうして言ってくれなかったのだろう。
転校する前に、仲が良かった子の話など聞いたことがない。
ほぼ毎日のように行われていたといういじめの話を一回聞いたっきり。
私はその話を聞いた後、侑乃に以前の学校の話を聞けなかった。
よっぽど仲が良かったんだな。胸が痛くなった。




