~痛み~ノコサレタモノ~
この小説は後悔したことのあるものだけが読めます。
この本に出てくる少女は本当に悲しい後悔をしています。
でも後悔は時にヒトを成長させてくれます。
今回の公開ははたして彼女を成長させてくれるのでしょうか?
自分の後悔したことを考えながら読んでください。
分かり合えていたらもっと楽なのに。どうしてあの時。
「助けてくれなかったの?」
目が覚める。夜中の2時15分。また同じ夢をみた。部屋は暗い。
6畳の一人部屋で私はまたヒトリなんだ。
そう思いながら汗でぬれたパジャマを着替えた。
朝まで結局眠れず、早く起きた。リビングには誰もいない。
「昨日は結局帰ってこなかったな。お母さん」そう考えながらテーブルにある昨日の
残りのピザを食べる。
ハムとかがたくさん載ってるけど、味はしない。オレンジジュースで無理やり押し込んだ。
制服に着替えて、学校へ向かう。
「おはよう。和!!」といつも呼びかけてくれたあの子の声はない。
私がきっと奪ってしまったんだ。あの子のすべてを私は奪ってしまったんだ。
声も形も命さえも。
いつも通り学校に着き、私は友達と何気ない会話をする。あの子の話題を避けて。
授業のとき、ノートを開けばあの子の落書きがあって。
ほんの数日前までいたことあの子のことを嫌でも思い出す。