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友達

作者: 黒い虎

家は貧乏でも金持ちでもない、家族の中が良いという訳でもなく、僕は普通の中学3年生だ。

こんな普通な僕なのに、どうしてこんな目に遭わないといけないんだ・・・。

僕はいじめられている。

友達もいない僕は学校ではいつも一人だ。

昼休みには決まってクラスの男子にいじめられる。

その事にもう慣れたと思い込もうとしている自分がいる事にも腹が立つ。

今年は受験だ、学校が変われば今の悪夢も終わるだろうと、自分が変わらなければ何も変わらないと気付かなかった僕を変えてくれた友達の話。


目覚まし時計が起きるより早く僕は目を覚ました。

学校には行きたくもないのに毎日目覚まし時計よりも早く目を覚ます。

いじめに遭っている僕が自慢出来る事は一度も不登校になっていない事だ。

それは幸いにも僕と同じ・・・そう、いじめられている奴があと一人いるからだ。

僕は勝手にそいつをライバルだと思っていたのかもしれない。

だからといって友達になりたいとも思っていない。

そいつは、小学校の時に僕をいじめていたからだ。

そいつの名前は渡辺、中学校に入ってからは僕と同じ側になったんだ。

小学校の時は喧嘩も強かったのに、急に大人しくなった理由は分からない。

でも、良い気味だと思った。



基本的に朝の家族の会話は無い、無言でトーストを口に詰め込む父と僕、母は洗濯をしていた。

もう少し親が子供に感心を持ってくれていたらこんな学校生活じゃなかったと無意味な事を思ったりもする。

さぁ、朝食を済ましたら登校だ。

とりあえず下駄箱についた時に行う事がある、画鋲チェックだ。

上履きに画鋲が配置されいないかチェックをする、もし見逃してしまうと怪我をしてしまう。

今日は画鋲はなかったようだ、朝っぱらから手間を取らせる事をするあいつらが本当に憎い。

そして僕は寄せ書きの入ったカラフルな上履きを履いた。


教室に着くと僕の机には菊の花が飾られていた。

僕をいじめている奴らの中に花屋の息子がいる、きっとそいつの仕業だろう。

プライスレスな花をゴミ箱に棄てる、周りからはクスクスと笑い声が聴こえる。

まるでドラマの様な一日の始まり、もう当たり前だ。

だからといってあいつらは朝から僕をいじめるわけじゃない、決まって昼休みと放課後だ。

朝の僅かな時間だけが学校でいる時の貴重な安らぎの時間だ。

そうしている内に僕と同じカラフルな上履きを履いた奴が入ってきた、渡辺だ。

奴も僕と同じ様ないじめを受けている、ただ暴力は振るわれていない。


朝のHR、先生の目に僕と奴の姿は見えない。

先生が付けている素敵な眼鏡は僕とヤツを映さないのだろう、試した事はないが声も聴こえないのだろう。

適当なHRが終えたら授業の開始だ。

国語、数学、社会、理科、1時限目から4時限目までの間、消しゴムの雨が僕と奴の頭に降り注いでいた。

残念ながら教室では傘はさせない、だからあえて僕と奴は消しゴムの雨の中授業を受けた。

この時奴はいつもと少し違っていた、消しゴムの雨が頭に落ちた時、いつもとは違っていた。

それに気付いたのは僕くらいだろう。



そして、昼休みがやってきた。

いつもと同じ流れで、だけど、いつもとは違う昼休みがやってきた。

僕の昼食はいつも慌ただしい、早く食べないとヤツらに連れて行かれるからだ。

今日もタイムリミットが来る前に食事を終えた。

そして僕はいつも通りグラウンドの隅に連れて行かれた。

僕とヤツらの日課だ、僕は殴られ、ヤツらは殴る。

僕は何も発さない、何か言うとヤツらは調子に乗って変な喋り方をして下手糞な真似をするからだ。

校舎の時計を見みてみると、昼休みは後30分も残っていた。

楽しい時間というのは早く過ぎるものだなと、時間が遅く動いている今を感じていた。

グラウンドの隅には僕とヤツら、奴はいない、渡辺はいない。

渡辺は昼休みは屋上で煙草を吸っているからだ、いじめられているといってもあいつは喧嘩だけは強い、どうして大人しくしているのかが分からない。

今僕を殴っているこいつも、次に僕を殴るあいつも、ただの臆病者だ、でも僕も臆病者には違いないんだよな・・・校舎の時計を見る、残念ながら2分しか経っていない。

ガッカリだ、楽しい事を考えても実際起きている出来事は楽しくないんだから。

頭の中を色々なものが飛び交う中、現実を見つめる先は霞んで見える。

誰かが歩いてきた・・・それはあの時の渡辺だった。




「・・・なんだよ?」

渡辺に対してヤツらの中でも一番デカイヤツが渡辺にそう言った次の瞬間。

蹴った。

渡辺はそいつの金玉を蹴ったんだ。

デカイヤツは蹴られた場所を押さえてうずくまった。

渡辺は少し笑ったように見えた。

そして、デカイヤツの頭を踏みつけた。

赤い水溜りが出来たのを見て、周りにいたヤツらの一人が言う。

「なんだよお前!?」

手より口が先に出るヤツらよりも渡辺は口より手が先に出た。

殴った。

手より口が先に出たヤツはフラリとその場に倒れた。

渡辺は強いな、改めて思った。

ヤツらはデカイヤツを担いでどこかに立ち去ってしまった。

いつもとは違う出来事が目の前に起きている。

僕を見下ろす渡辺を見上げていると渡辺は言った。

「大丈夫か?」

まさか僕を助けに来たのか?

その言葉に驚いた僕はとりあえず頷いて応えた。

「とりあえず屋上行くか。」

渡辺がそう言ったので僕は渡辺と一緒に屋上に行った。

まさか今日からまたヤツらにとって代わって僕をいじめるのか?

中学も終わりだってのに今更本性を出してきたのか?

色々な事を考えた。

「進路どうすんの?」

渡辺が僕に言った。

意外な言葉が渡辺の口から出てきた。

「・・・何で助けてくれたの?」

僕は問いかけに問いかけで返した。

「いや、親が死んじゃってさ。」

渡辺はそう答えた。

「母ちゃんの方なんだけどさ、やっぱりショックだよな。」

淡々と渡辺は話してくれた。

中学入る頃くらいから母親が病気になっていた事。

そして、母親から迷惑を掛ける子になるなと言われた事。

渡辺は、母親に言われた事を守ろうとして、問題を起こして心配を掛けたくなかったからいじめにも耐えてきたんだ。

僕が耐えてきた理由と比べると立派だった。

僕は聞いた。

「どうしてやり返さなかったの?」

すると渡辺はこう答えた。

「少しでも心配掛けたら病気悪くなると思ったし・・・。」

意外だった、案外良い奴なんだなと思った。

そして、自分を助けた理由が聞けていない事に気付いた僕はもう一度渡辺に問いかけた。

「お前をいじめた事もあったし、俺もあいつらにいじめられてたし、これでチャラな、これからは普通の意味で仲良くやろう、友達や。」

意味が分からず僕は言った。

「何だよそれ・・・。」

後は笑うしかなかった、きっかけは何にしろ、僕は友達が出来たんだ、それも僕をいじめていた事もある奴と。


特に書きたいことも無かった。

とりあえず打ってみた。

いわゆるテスト、テストです。

1時間しか打ってないので文もめちゃくちゃです。

見てくれた人がいるなら、お疲れ様でした。

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