塔の上の妖精
この作品は作者がGOSICKを読み、影響されたものであり、けしてパクリ等と呼ばれる行為ではありません。内容は全くの別物で、似ている所もあるかもしれませんが、「其れでもいいよ!」という方のみ、先へお進みください。また、この前書きに書いてあるにも関わらず進み、不快な想いをされても、一切の責任はとりません。
都会の喧騒と排気ガスの中、少女、いや、その獣はまるで猫の様に、音を立てずに歩いていた。じりじりと照りつける日差しを物ともせず、ただの女子中学生の如く制服を着こなし、一人、アスファルトの上を歩く姿を、誰が獰猛な獣だと思うだろうか。そして今日も、彼女は漆黒の髪をゆらりと靡かせ、都会の喧騒の中へと消えていった。
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私立蓬栄学園。この学園の離れには、図書塔と呼ばれる、巨大な塔が聳えている。名前の通り、その塔には沢山の本が置いてあり、生徒達は自由に出入りする事が出来る。その塔の最上階には立ち入り禁止の部屋がある。幽霊が出るだの殺人鬼が住んでいるだの噂は様々であるが、ただ、一つだけ言える事は『其処に立ち入った人は、二度と姿を現さない』という事だ。前例は一度きりだが、10〜20年前、確かにその塔の最上階に立ち入った一人のハッとする様な黒髪の少女は、それ以来、姿を現さないでいる。その事実は生徒達の恐怖を煽るには十分なデータだった。それを境に、興味本位で立ち入ろうとする生徒は居なくなった。
そんな図書塔であるが、最近、とある黒髪の、消えた少女によく似た顔立ちと雰囲気を醸し出す少女が、出入りする様になった。彼女は月曜日の朝、其処に入り、そして土曜日の夜、其処を出て行く。そういう事を繰り返す不思議な少女は、たちまち、学園中の噂の的となった。しかし、彼女に興味を示した生徒達は、彼女の姿を間近で見ようと、休み時間の度、図書塔へ向かい、彼女の姿を探すが、けっして、見つかる事は無かったのである。また、生徒達は図書塔の教師に彼女の行方を聞くが、断固として話そうとはしない。そして、その事実は生徒達の興味を煽り、いつしか、『図書塔には、魔界へ繋がる秘密の扉がある』『そして、その扉をその少女が使っている』という噂が流れたのである。




