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三姉妹が俺の恋路を邪魔しに来たッ!  作者: ゆいまる
一章 這い寄る世界
2/43

プロローグ

は、はじめまして(ガクブル)

まったくの初心者ですが、コツコツ書いて行きます!


一応、バトルが入るので残酷な描写ありでござる。(そんなグロくはない...はず)

(くそっ、失敗した!)


キィィン...キィ...ン


とある繁華街のビルの屋上で時折金属がぶつかり合い火花を散らしている



日もとっくに落ち、街明かりが真っ暗な空を照らす

そのせいで遥か上空にある屋上は影になって姿が見えない


しかし、時折響く金属音と火花によってかすかに人影が浮かぶ


キィィン...


人影が4つ...3人対1人が大振りなナイフで斬りあっている

完全に1人が不利な状態だ



「てぇえええいッ!!」

キィイイイ...ィン...


3人組の方の1人が相手のナイフを弾き上げる


(くっ...!!?)


「チャーーーンス!!」


ナイフを弾き飛ばされ大きく後ろに飛んだ影に3人組の1人が追い駆ける


「バカ!明日香(あすか)!作戦を守れ!」


命を懸けた殺し合いの最中、響いた声は場違いな程可愛い声だった



「てやぁああああああッ!!!」

明日香と呼ばれたのも芯が通った掛け声を張り上げるが、こちらも少女の声だった



ブシュ...

『ぐぁああああ...』


「やった!!...!?」


明日香の突き出した大振りのナイフが相手の左わき腹を捕らえる...が、強引な体勢なため致命傷まではいかない



すかさずナイフを持つ明日香の右手首を左手で掴み、残った右手で明日香の口元を掴む


『調子に乗るなぁッ』

瞳が仄赤く(ほのあか)光る...


「やばっ...」

...と、直後



ズガァアアアアアアアアアアン...


轟音と共に爆煙が立ち(こも)



「あ痛っ......たたたたぁ〜」


「明日香のバカっ!勝手に突っ込むから逃がしちゃったじゃないか!!」


遥か後方に吹き飛ばされ尻餅をついてる明日香に先ほどの可愛い声の主が駆け寄ってくる



「だって、チャンスだと思ったんだもん」

唇を(とが)らせブー垂れる


「お前の独断先行でどれだけ私たちに迷惑かけてると思ってんだー!」

駆け寄って来た声が物凄く怒鳴る。大激怒だ。しかし、この可愛い声で怒られてもハッキリ言って迫力がない。



「まぁまぁ、明日香も鈴音(すずね)も今は喧嘩しないで。この騒ぎで人が来るから、その前に追い駆けるわよ」

2人より少し後方に居た1人が2人をなだめに入る

こちらは落ち着いた感じの女性の声だ


詩織(しおり)お姉さまはコイツを甘やかしすぎだと思います」

頬を膨らませ詩織に抗議する鈴音、その向こうであっかんべーをする明日香


「ウヌッ!」

そんな空気を感じ取ってキッと明日香を睨む鈴音に、とっさに横を向いてヘタな口笛を吹いて誤魔化す明日香


笑顔を崩さぬまま、やれやれと詩織はため息混じりに首を横に振った





    ◇ ◇ ◇



ビルの屋上から屋上へと凄いスピードで移動する1つの影がある

しかし、その距離はとても人間の能力で飛び移れる距離ではない


(はぁ...はぁ...上手く撒いたか?)

屋上のビルに備え付けられた給水タンクの陰に隠れ追っ手が無い事を厳重に確認し、切られたわき腹を押さえ座り込む


(このままでは駄目だ、一先(ひとま)ずどこか霊力の強い人間の身体に隠れねば...)


傷ついた身体を引きずりながら移動し、そしてまた瞳が仄赤く(ほのあか)光り夜の町を睨んだ


(!?)

その瞳が遠くの団地の一室の窓から赤紫色に揺らめくオーラを捕らえた


目を凝らし照準を上げていく

まるで、望遠レンズを上げていくかのように視界がクリアになっていく


その窓には窓際につけた勉強机に向かっている少女があった


仄赤い瞳のまま唇の端が静かに吊り上る

そこから異様に伸びた八重歯が不気味に浮かんだ




    ◇ ◇ ◇

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