カモメとサファゐア
水平線に浸かる夕陽。
時折、波の陰に隠れる。
鯨が、そのサファイアのような瞳で夕陽を見つめる海は、ずっと遠くにある。
夕陽は段々その姿を隠していく。
今にも沈んでしまいそうだ。
綺麗だと思った。
その瞬間、夕陽は沈んでしまった。
ふと振り向く。
すると、後ろには海から浮き上がる月があった。
測ったように丸い満月だった。
前を向いて、私は陸の見える方へ向かう。
海を見下ろして流木を見つける。
私はそこに降り立った。
少し疲れた。休憩することにしよう。
再び月を見た。
そして、私はふとこう思う。
月の近くにある星は、どうやったら見れるのだろうか。
その輝きも、沈んだ夕陽のおかげなのだ。
私は再び飛び立った。
陸の上を飛ぶと、僅かな光が見えた。
二人の人間が、焚火を囲んでいた。
何やら話しているようだが、聞こうとはしなかった。
焚火が消えかかっていた。
もう少し進むと、大きな家が見えた。
装飾の一つに至るまでが豪華で、気品に満ちていた。
その窓辺で頬杖をつき、何やら考え事をしている人間が見えた。
彼女の眼は、近くにある鳥居を見ていた。
その傍には広い稲畑があり、案山子が孤独に佇んでいた。
蟋蟀の声がした。




