BAR【second】~路地裏の交差点へ、ようこそ~
路地裏にひっそりと佇む、BAR【second】
ここのマスター、カイは「元・最強」の肩書きを持つが、今の口癖は「面倒くさい」。
オーナーを名乗る銀髪の美少女リンドは、その正体を「古龍」と吹聴するが、実態はカウンターの酒を狙うただの食いしん坊。
そんなやる気も威厳もゼロの二人が営むバーは、なぜか今夜も大繁盛。
――ただし、お客様はちょっとだけ『ワケあり』だ。
「聞いてくれよカイ君、最近の魔物はなってない!」
「魔王様、お野菜ご持参での愚痴はご遠慮願います」
「癒やしのポーションより効くカクテルを頼む……」
「勇者様、鎧をカウンターに置くと傷がつくのでやめてください」
扉が繋がるのは、ダンジョンの最深部か、はたまた魔王城の裏口か。
ゴブリンは道に迷って泣きつき、喋る宝石は自慢話が止まらない。
カイが面倒くさそうにシェイカーを振れば、リンドが上から目線で茶々を入れる。
世界を救う? そんな大仕事はもうおしまい。
これは、最強の看板を下ろした元・英雄と、最強の胃袋を持つ元・天災が、お疲れ様な常連さんたちに極上の一杯を振る舞う、どこか騒がしくて温かい夜の物語。
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
1:歌うキノコと静寂の夜
2025/10/14 07:00
2:勇者の相談と囚われの妖精
2025/10/14 07:20
3:ギルドマスターの胃痛と虹色の勘違い
2025/10/14 07:40
4:古龍と宝石の矜持
2025/10/14 08:00
5:給料に含まれる幽霊たち
2025/10/14 08:20
6:黒い卵と古龍の矜持
2025/10/14 08:40
7:英雄の苦悩と見えざる恋心
2025/10/14 09:00
8-1:予兆と無自覚な油断
2025/10/14 09:20
8-2:古龍の矜持と店長の看病
2025/10/14 09:40
8-3:全快祝いと新たな火種
2025/10/14 10:00
9:幸運の鱗と蜜の酒
2025/10/14 17:19
10-1:元魔王の就職活動
2025/10/16 08:15
10-2:元・魔王、皿を洗う(そして、全てを壊す)
2025/10/16 19:45
11:宝箱のしゃっくりと、災難の報酬
2025/10/16 23:23
12:おしゃべりな聖剣と、沈黙のバーテンダー
2025/10/17 00:09
13:路地裏の取引と、パスタとチョコレートパフェの対価
2025/10/17 10:59
14:インキュバスは愛を乞う
2025/10/17 12:16
15-1:バーテンダーの憂鬱と、王都からの招待状
2025/10/17 17:26
15-2: 祭りの裏方と、招かれざる客
2025/10/17 19:35
15-3:古龍の酒肴巡りと、バーテンダーの矜持
2025/10/17 22:29
16:帰還の祝杯と、畑からの便り
2025/10/18 17:52
17:呪いの鎧と、おしゃべりな相棒たち
2025/10/18 21:37
18:薬草園の白い影と、旧知の獲物
2025/10/19 07:00
19:ギルドマスターの見合いと、迷惑な代理人
2025/10/19 12:00
20:忘れられた神様と、一杯の供物
2025/10/19 17:00
21:名もなき絵画の囁き
2025/10/20 20:01
22:古龍の憂鬱と、止まり木の体温
2025/10/21 23:56
23:幸運と不運のサイコロ
2025/10/23 11:38
24:未来視のゴブレットと、確定した二日酔い
2025/10/24 21:10
25:リンドの肖像画と、描かれたくない理由
2025/10/25 17:39
26:呪われし鑑定士と、値の付けられない酒
2025/11/04 10:13
(改)
27:伝説の酒と店長の包丁
2025/11/14 22:06
28:愚痴の行方
2025/11/18 21:57