Episode5 筋肉ゴリラ
「っ、はぁ…はぁ………」
背中を冥奈に斬られて真っ赤に染めた学園長が立ち上がる
「なんだ……?今の………、少なくとも俺の身体は核爆弾が直撃しても傷1つつかなかったんだぞ………………?」
「なにそれキッショ」
なんでそれで生きてんだよほんと
支配者の連中は生命力が天元突破してやがる
「ま、んな事はどうでも良いからさ、俺と遊んでくれるんだろ?」
「……………弱者を甚振る趣味を俺は持ってないぞ」
「冥奈に斬られといて良く言うなぁ、おい」
「それはあくまでもあの白髪の強さの証明だ。お前の強さの証明にはならん」
「なるどなぁ……………一理ある」
ただの脳筋だったら卸しやすかったのに
まぁいいや
取り敢えず
「【水龍の羽衣】」
異能力を発動する為の言霊を紡ぐ
ほれと同時に左腕が生えてくる
「なっ…!左腕が………!」
「ははっ…さぁ、土台は揃った。
だから、とっととくたばれ糞野郎」
そう言いながら大鎌を両手で持ち斬り掛かる
「そんな分かり易い攻撃には意味が無いぞ、若造!」
「ははっ!知るかクソ野郎!
神楽・飛瀑の舞!」
大鎌の周りに水が纏わり付き、そのまま勢いが急激に増す
「ぬぅぅぅっ!」
学園長はそれを何とか避け俺から離れる
「さっきの白髪と言い、お前と言いなんだその面妖な技は…………?」
俺と冥奈が使うのは神楽と呼ばれる神に捧げる舞……………を自分達用に改造したのと異能の合わせ技だ
冥奈がさっき使った燐火の舞みたいな例外を除き、基本的に俺達の使うのは常に動き続ける事で威力を増すといった特殊な技術だ
ひたすら動き続け、舞を繋ぎ、相手を翻弄し、喰らい殺す
それがこの神楽の本質
勿論サポート系のもあるけどな
まぁ
「お前に教える訳ねぇだろば〜か」
さて、飛瀑の舞から繋げたかったが途切れちまったしなぁ
「………………まっ、為せば成る、為せねば成らぬ、何事も。 ただ愉しもうかぁ」
正直言ってこいつの意表をつけただけで俺は満足した
だからこそ本来はこれ以上戦う必要は無いが………
学園長サンはそれに気づいてないから、そのまま使わせて貰うとしようか
「神楽・鏡花水月」
「うぁぁぁぁ!【神武】!」
学園長が俺の幻影を殴る
というかあの学園長異能使わずにあの威力かよ………
ほんと頭おかしいな
「っ、どこだ!どこに…!」
「神楽・飛瀑の舞」
「っ!そこかぁ!」
学園長の拳で水の大鎌が弾かれる
こちとら鋼鉄でも余裕で斬れるってのに、こいつに対しては一切傷が付かんな
まぁ、原爆に素で耐えれる奴に通用する訳無いか……………マジでバグじゃねぇかこいつ
「流転・猪ノ舞」
弾かれた後の反動を利用しもう一度学園長に大鎌を叩きつけながら間合いを詰める
「っ!?」
どうせだし
このまま殺すか
いや、こいつ身体が硬すぎて無理だな
「ふっ………!!!!!!」
またまた弾かれる
これ致命傷キツイなぁ
燐火の舞と同じ系統のは家に置いてきた俺の得物じゃ無いと無理だし
う〜ん………………
「【海怪】」
「【神武・脚撃】」
学園長の脚が黄金の輝きに包まれたと同時に辺り一帯に影が堕ちる
穹を覆うは神々が生きし神話の時代に存在した化け物
___其れは口から炎を吐く
___其れはどんな武器をも通さない頑強なる鱗に包まれている
___其れは深き淵に光を残し泳ぎ続ける
___其れを屈服させる事は何人たりとも叶わず
___地の覇者、空の覇者と肩を並べし海の覇者
リヴァイアサン
「さァ、神話を生きし化け物に御自慢の肉体は届くかな?」
「っ!」
さぁさぁ最終ラウンドと洒落こもうか!
其れは神話の時代を生きし化け物
只人如きが使役などを試みようとも
待ち受けるのはその肉体が朽ち果てる未来のみ
だが彼は?
彼は朽ち果てるものなど一つもない
その肉体が朽ち果てた所で彼にとっては大した痛手でも無い
彼は水の扱いが上手い
水を扱う技術に置いて彼の右に出るものは居ない
故に、彼は化け物を創り出す
その卓越した水を支配する技術と
狂気で埋め尽くされたその魂
人として必要な物全てを喜んで投げ捨て
喰らい尽くした化け物だからこそできる
正しく神業
呪われし血族にて、大罪背負いし物
其の神さえも慄く化け物に
たかが加護を得ただけの只人など
思うままに餌にされるだけである




