プロローグ
~まえおき~
このお話は、現実世界でも多く利用されている配信ツールと呼ばれるネットシステムを元にしたものです。
作者自信も、その配信ツールの一つを使用している身ですが、完全に使いこなせているわけではないので、表現があいまいだったり、適切でないことがあるかもしれませんが、そこのところをご了承ください。
皆様の温かい心で見ていただければ幸いです。
それでは…作中でまたお会いしましょう…。
~プロローグ~
地球上の生物の中でも、特に発展を遂げたとされる人類は、多くの”もの”を作り、そして多くの”もの”を壊し、進化なのか、それとも退化なのかわからない変化を繰り返した。
そんな人類は今、自分達が暮らす国を作り、働き、時には奪い、それぞれが様々な人生を刻んでいる。
そしてここにも一人、ある分野で特化し、その分野で名を広げる者がいた。
彼の名は、
神代 隼人20歳
隼人「さぁて…引っ越し終了!」
隼人は、新しく自分が住むことになる部屋を改めて見渡した。
隼人「家具置いてもこれだけ広けりゃ、ちょっと贅沢かもな(笑)」
「まぁ、もし一人で住むんだったら広すぎだけど、二人だから普通じゃない?」
そういいながら、キッチンの方から女性が現れた。
彼女は、
神代 唯20歳
隼人の双子の妹だ。
20歳を迎えた二人は、実家を出て、祖父が所有している家の一つに移り住んだ。
成人した二人へのプレゼントだと祖父から家のカギを渡された時は、二人とも跳び跳ねるように喜んだ。
そんな二人の祖父、
神代 正臣
彼は、20代の頃に研究していたコンピューターシステムが様々な分野から認められ、従業員数50万人という電気メーカー大手の「イルヴィス」の社長に任命された。
その後もシステムは進化を続け、会社は様々な分野に拡大し、今では全世界のあらゆる場所に支社を構える最大手となった。
今年で80歳を迎える正臣だが、まだ引退はしておらず、本社にて会長のイスに座っている。
正臣には、一人娘がいた。
彼女の名前は、
神代 弥生
隼人の母だ。
そんな超絶級のお嬢様の弥生に見初められたのが、隼人の父、
旧姓、大崎 祐一郎
婿養子、いわゆる逆玉の輿だ。
彼は元々、正臣の下で働く研究員のメンバーだった。
祐一郎は、普段は優しくおとなしい性格なのだが、研究となると人が変わったように、熱く、努力家で、そして一番若いという事を感じさせない程、他の研究員より優れた知識・技能・判断力を持った天才だった。
そんな祐一郎に昔の自分の姿が重なって見えた正臣は
「もし自分に何かあった時は、会社の事は全てお前に任せる」
と言っていた程だったのだ。
そんなある日、父のところに来ていた弥生と祐一郎はばったりと出会い、そして少しずつ距離を近づけていき、
お互いが好きだと認識してからは話は早かった。
一番大切な娘と一番信頼している部下が頭を下げて結婚の話を持ってきた時には、正臣は両目に涙を溜めて大喜びし、二つ返事で結婚を認めた。
結婚から二年後、二人の間に隼人と唯が生まれたのだ。
そんな隼人と唯は、いい遺伝子ばかりを継いだのか、容姿端麗・文武両道、そしてなにをやるにも、他の人たちとは違った天才的なセンスを持っていた。
思春期には、登校する二人のあとを男女が入り交じった大勢のファンがついてきて迷惑だったのは、今となっては笑える思い出の一つだ。
唯「そういやさぁ、空町くんたち来るんでしょ?」
隼人「あぁ、確か13時頃に来るって…」
ピンポーン
その時インターホンが鳴った。
隼人「噂をすればなんとやらだな(笑)」
そう言って笑いながら玄関に向かい、覗き穴を見る。
ドアの向こうでは、三人の若い男女が立っていた。
隼人(あれ?一人足りない…)
そう思いながらも玄関のドアを開けると…
ガンッ!
「いったーい!!」
何かに当たったようだ。
一瞬間をおいて、再度ドアを押すと、今度は開いた。
「神代くん!痛いんだけど!!」
ドアを開けた瞬間、小さな女の子?が隼人を睨みながら押し入ってきた。
隼人「ごめんごめん(笑)てか、そんなにドアの近くにいた葵が悪いじゃねーのか?笑」
葵「だって大智くんが千円落ちてるって言ったから探してたんだもん!」
大智「おいおい、俺のせいかよ(笑)」
涙を溜めながら打ったであろうところを押さえているこの小柄な少女は、
坂上 葵
身長は、148㎝とかなり小柄で、綺麗な金色の長髪が地面に着きそうだ。
見た目同様、性格も小さな子供のような人だ。
ちなみに、これでも隼人と同い年だ。
そして、次に入ってきた赤髪の男は、
瀬野 大智
こちらは、葵とは対照的で身長193㎝とかなりでかい。
鍛えられた体を、真っ黒なライダースーツに包んでいる。
これでフルフェイスを被ったままだと暴漢か強盗犯に見えるかも知れないが、暴力は嫌いないい奴だ。
大智も隼人と同い年だ。
「はいはい、そこで言い争いしないの、やるなら先に僕たちを入れてくれないかなぁ(笑)」
「……右に同じく…」
そして、大智と葵が邪魔で中に入ることすらできていないのが二人。
お洒落に揃えられた銀色の髪が目立つ彼は、
空町 帝
隼人と比べても、その整った顔が目立つ程のイケメン。
そして、隼人にも負けないぐらい頭もいいし、運動神経もいい。
空手・剣道の有段者で、武術の達人でもある。
隼人の親友であり、小さい頃からの腐れ縁だ。
彼も隼人と同い年。
最後に、赤く長い綺麗な髪を、腰まで流す彼女は、
瀬野 朱里
物静かで、恥ずかしがり屋で美しい見た目の彼女は、大智の妹。
人見知りが激しく、街でナンパされただけで気を失ってしまったこともある。
普段は物静かな彼女だが、”ある事の最中”では、兄ですら驚く程よく喋ることも…。
彼女はみんなより2つ下の18歳。
隼人「とりあえずみんな入ってよ」
全員「はーい」
葵「うわぁ…広いねぇ、今日からここで二人で住むんでしょ?いいなぁ…」
リビングに通された葵たちは、リビングの中央にある大きなソファーに並んで座って部屋を見渡す。
唯「そう?二人だったらこんなもんじゃないの?」
そう言って全員分の飲み物を持ってきた唯は、それぞれの好きなものを配る。
大智「二人っつっても、これから子供が生まれる夫婦とかならこれでもいいかもだけど、兄妹が二人でこれはなぁ…あ、俺のコーヒーちゃんと砂糖とミルク入れてくれた?」
唯「ふぅーん、そうなんだ…ちゃんと入れてるよ」
葵「まぁ普通の兄妹じゃないからいいんじゃない?」
葵は部屋より、目の前に出されたケーキが気になるようだった。
帝「確かに、大きな家だな
でも、これぐらい広い方が、アレをやる時に色々便利そうだしな」
隼人「まぁ、前の場所じゃあんまり騒げなかったし、全力って訳にもいかなかったからな」
そう言って隼人と唯は、みんなと向き合う位置においてあるソファーに並んで腰掛けた。
隼人「それじゃあ、はじめますか!」
大智「二人の新築祝いに」
葵「私たちの新しい拠点に」
朱里「……これからの楽しい生活に…」
帝「素晴らしき僕らの友情に」
唯「God Breathの輝かしい栄冠に」
全員「かんぱーい!!」
こうして、彼らの新たな門出を祝う小さなパーティーが始まった。