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とある世界の怪物  作者: 夜ノ天使
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出生、否、爆誕

ゆっくりマイペースに書きたいです〜

  暦3000年。科学の進歩により別世界の存在が確認され、互いの世界が干渉可能になった。地球は魔力の発現により、魔法が大いに発展することとなった。科学と魔法の発展により、地球の文明レベルは大きく飛躍したが、それを抑制するかのように新たな問題も発生した。


 魔力の発現により世界に溢れた魔力は、一部が汚染され瘴気となり、瘴気を吸った生き物が魔物かする事例や、別世界の生物が干渉してくるなどさまざまな問題も起きていた。

 また、魔法を使った犯罪も増加した。政府は魔力保有量を個人情報として管理することで、事件発生時に使用された魔法によりどれほどの魔力を消費したか逆算し、魔力保有量が減少した者を特定する対策をとった。

 この魔力保有量のデータは各国でも最重要機密データとして扱われており、赤ん坊として出生したその瞬間からデータが送られる仕組みだ。


 一般的な魔力保有量は0〜400。そして、多く魔力を保有している者は500〜2000ほどの振れ幅がある。

 現在、魔力保有量トップの人間「エルクドゥ・ヴィルヘルム」の魔力保有量は5000弱であり、魔物の攻撃から幾度となく人類を救ってきた彼は英雄と呼ばれていた。彼は25歳であり、魔力保有量のピークを迎えていた。彼は生まれたその瞬間から魔力保有量が2000を超えており、彼のトップは揺るがないものだろうと誰もが思っていた。


 しかし、それは変動した。


ーーMBI(国際魔力均衡機関)魔力監査室。


「し、室長……魔力保有量監視システムに異常が!」

「何を馬鹿なことを言っている。このシステム自体、あちら側の世界の最高位魔法によってウイルスが入ることなんてあり得ないんだぞ。ハッキングを試みた馬鹿どもが何万人いると思っている。その全てを返り討ちにしているんだぞ」

「そうですよね……で、でもーー」


 室長にあしらわれた男は、目を擦りもう一度監視システムに目を通す。


「それなら、これは一体どういうことでしょうか……」


 室長はやれやれというように首をすくめ、監視システムに目を通す。


「これの何が問題だというんだ。いつも通りだろう、魔力保有量1,466,666のフェクトだ……誰だそいつ? は、え……、140万!?」


 その日MBIは世界のどこかで生まれた『何か』の正体を掴むべく奔走することとなった。


ーーとある村。


「ふ、フェクト〜、こっちよ〜ゆーっくり、ゆーっくり歩いておいで」

「あい〜」


 フェクトと呼ばれる赤ん坊は生まれてすぐ自我が芽生え、大人の言葉の意味を理解していた。そして幸運なことに両親は彼の生まれ持った特異、もしくは異常とも言える魔力保有量に気づいており、どうにかしてそれを抑制できないかと奮闘していた。


「ゆっくりでいいのよ〜、大丈夫よ〜」


 フェクトは立ち上がり、ゆっくりと母親のもとに歩いていった。途中までは順調だった、しかし……。

 あろうことか、フェクトは遊んでいたクマの人形に足を取られ顔から倒れ込んでしまった。


「ぇ、ふぇ……ふえぇぇえぇェェッ!!」


 そう、いくら魔力保有量が100万を超えている化け物であってもそれはただの赤子……ではない。

 フェクトの声には魔力がのり、それは泣き声ではなくドラゴンの咆哮を彷彿とさせるものだった。家には巨大な穴が空き、木々は薙ぎ倒された。


 普通の子育てでは起きないような事件が何度も起き、夫婦共に疲弊していたところにMBIのエージェントが駆けつけた。それからというものは、MBI指導のもと魔力制御、そして感情制御、魔力抑制薬の投与など様々な措置が施された。

 MBI指導の成果もあり、フェクトは数多の問題を抱えながらも義務教育の過程をクリアした。その後フェクトは高校に通うために勉強をしていたのだが、とある問題が生じた。


 フェクトが志望する高校は普通の高校だった。問題というのは、フェクト本人が普通ではないことだ。暴走すれば国どころか地球すら危うい、そんなレベルの魔力を持っている。

 夫婦はその危険性についてフェクトに何度も説明し、魔力操作に力を入れている高校などを進めたが、あくまでもフェクト本人は普通でありたかった。

 いくら化け物染みた魔力を持っているとはいえ、いくら泣き声で木々を薙ぎ倒すとはいえ、いくら幼少期に自我を確立させていたとはいえ、彼は、フェクト本人は、普通が良かったのだ。

 夫婦はフェクトの意思を汲んで、一般高校への入学を認めたのだった。

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