一方その頃というやつだ
~~王都襲撃三分前~~
王であるゼルバート・クロノゼスは今日も事務作業に勤しんでいた。
「ふむ、かなり兵が少ない厳しいな・・・」
大臣はいつものように発言する。
「そうでございますな。また聖王国に頼ることになりそうですな。」
王国は毎年のダンジョン活性化や魔物の襲来に頭を悩ませていた。
「だが、そうなると財政にもきつい物がある。」
王国は主に作物などの食にとても強いのだが、魔法も兵士の数もほかの国に劣っていた。そんなことを考えながら頭を悩ませていると急に一人の兵士が息を切らせながら入ってきた。
「何事だ!!」
「大変でございます!王国の至る所に魔方陣が出現しました!!」
「なんだと!一体どうなって「ドカァァァァァン!!」
また一人兵士が入ってくる。
「魔方陣から魔物が出現しました!!今のところは塞き止められていますが長くは続かないでしょう。」
ゼルバートは混乱していた。なぜいきなり王都という国の中央でこのようなことが起こるのか理解できなかったのだ。だが、ゼルバートは王としての務めを果たそうと立ち上がる。
「我が逃げてどうする!!剣を持ってこい!!私も戦う!」
立ち上がり剣を持った。
戦い初めて数分がたっただろうか。逃げ場を失い泣き叫ぶ市民たち、ゼルバートも気づいていた。
もしこれ以上攻め込まれてしまえば王都が血の海になってしまうことに。王は兵士を鼓舞する。
「これ以上攻め込まれてしまえば、多くの犠牲が出るだろう!ここで絶対に塞き止めるのだ!」
そう叫んだ瞬間、目の前に魔人が現れた。絶望だった。王都を囲うほどの魔物に加え、魔人も攻めてくるとなれば自分の力では止めることができないことを理解してしまった。まだ魔物だけであればという希望はあった。しかし、これほどの魔物を集められるのは魔人しかいないのだ。我々は短絡的に考えすぎたのだ。
次の瞬間魔人が叫ぶ。
「ぐ、悔しいが!こざかしい人間の小僧に深手を負わされてしまった。ここは引かせてもらう!」
ゼルバートは何を言っているのか理解できなかった。だが分かることは魔物が引いていく、我らは助かったと言うことだけだった。
(一体誰が魔人に深手を負わせたというのだ)
その心を見透かしたかのように魔人は苦言を漏らす。
「忌々しい英雄の血を引く人間め」
ゼルバートは思考する。
(どういうことだ?英雄の血を引くということは王族の一員のはず、しかし今王都に残っているのはジークのみのはずだが・・・まさか本当にジークが?)
ジークの今までの行動から考えてどう考えても違うのだが、これが親馬鹿というやつなのか。
魔人は発言する。
「黒髪のあの男に伝えておけ!!必ず、お前を殺すとな!」
そして魔人は魔方陣に乗り消えていった。兵は皆喜び、助かったことに安堵した。
ゼルバートは歓喜する。黒髪で英雄の血を引くのはジークしかいないからだ。
(ジークよ。やはり我が子だな力を隠していたか・・・)
完璧なる勘違いである。
~~魔人のよけいな計らい~~
テリスは王都への進行で国を乗っ取ろうとしている魔王様(仮)を見つけルンルンで帰ろうとしていた。しかし、そこで余計な思考が入ってしまった。そこで止まっていれば、ジークは何も苦労せず毎日を過ごせただろうに。
(もしかして私、魔王様の邪魔をしてしまったのでは?)
テリスはもしかしたら魔王様に嫌われてしまうと焦っていた。ホントにかわいそうな子である。それが魔王様(仮)に嫌われる要因になるのだから。
(どうしよう。魔王様の邪魔をしてしまった。どう挽回しよう・・・そうだ!!)
テリスはこの都市の王の元に走った。この魔人こう考えたのである。
(魔王様に傷を負わされたことにして帰れば、魔王様は英雄として祭り上げられ私の評価が上がるはず!!)
悲しきかな。ジークはそんなこと望んではいないのに、これは逆効果である。だが、テリスはそれを知ることはできないだろう。
ここでさっきの場面につながってくる。
「ぐ、悔しいが!こざかしい人間の小僧に深手を負わされてしまった。ここは引かせてもらう!」
(やった!これで魔王様も喜んでくださるはず)
純粋な好意なのだが、この世界はジークのことが嫌いなのだろうか。まだまだ苦難は続きそうだ。
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