『創生記』
始まりの段階です。
『創生記』
「終焉」「誕生」「交戦」「平穏」の四章で構成される今ある世界が生まれた物語。
嘗て、重厚な扉を経て異界から男が現れた。
現世の言葉と似た言語を話す男は体中に傷を負っていた。
豊かな自然と華に囲まれた男は最期を悟る。
その時、男の目の前に赤眼の少女が現れた。
庭苑の内奥で男を見つけた少女は満身創痍の男を看病した。
少女は男を思い遣り、男は少女の優しさに惚れた。
互いの運命を分かち合った二人は幸せな家庭を築き、幸福のまま生涯を終えると、思っていた。
ある日、世界が暗雲に包まれた。
暗雲は男が来た扉を生み出し、怪物を解き放った。
四肢は地を砕き、咆哮は空気を劈く。
その光景は、死屍累々そのものであった。
男は大剣を顕現すると、怪物たちのもとへ飛び立っていった。
一筋の光は地を這い空を統べる怪物全てを薙ぎ払った。
暗雲が消え去ると、世界は瓦礫と塵で埋め尽くされていた。
殺風景な景色からは人の営みがあったとは思えなかった。
男は新たなる大地を生み出す。
たった一人、世界の終わりを免れた少女との楽園が誕生した。
強大な力を持つ男と少女は交わり、愛と共にその血族を増やしていった。
頑張って書きます。