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井の中から跳んだ蛙

作者: ぷらうまん


井の中の蛙は必死の空へ跳んだ

一陣の風に空しくも爪を立てて

善悪の怒号が吹きすさぶ街へと

五秒差で重なる運命線と生命線


暁の街に滅絶の道を行こうとも

夜の帳に死生の火を灯しながら

いつか到る岸辺まで跳び続ける

その先は誰も何も知りはしない


最初の呼吸で苦しみを呑み込み

最期の呼吸で思い出を吐き出す

死の跡に建てられた奉命の銘は

風の中でいつまでも残り続ける


群青に染まる空は命の呼吸の源

腐り落ちた林檎の中にも芽吹き

死のない人の群れにさえも宿り

彼方の川まで鳴き声を響かせて


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― 新着の感想 ―
[一言]  読ませていただきました。 井の中の蛙。 一部分しか知らなかった世界が開けたとき、自分の無力さと虚しさを知ることがあります。 でも蛙は飛び出した。 そこにどんな苦難があって、倒れてもその勇…
[良い点] 『蛙鳴蝉噪』なんて言葉もある通り、蛙の鳴き声はうるさいだけで何の役にも立たないもののようにも思えますが、少なくともこの作品の中の「蛙」の声は、遠くまで、そして色々な人の耳に届きそうだなと感…
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