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第2話:相当変わった世界でした。

世界観を描こうとしたら説明長くなって、厨二病の自分語りみたいになりました。次回からはちゃんとストーリーのほうも進めていきます。

 天界(?)から旅立ってすぐ、俺は第二の生を受けた。

 数日後に知ったところによると、俺は新しい両親の第一子だったらしく、俺のところへ絶えず人がやってきては、赤ん坊の前だというのに自己紹介やらお祝いの言葉やら、しまいには若干お世辞のような誉め言葉を残していった。どうやら新しい両親はなかなか高い地位にあるようだ。なんともくすぐったい気持ちになった。


 俺の新しい名前はコウタ=バロン=シャロンであった。コウタは言わずもがな元の名前だ。そしてシャロンはファミリーネーム。シャロン家の一員である。


 俺のいる世界はかなりがっちりした身分制度があって、バロンというのはいわゆる爵位。日本語に直すと男爵。一家の代表者の爵位が家族の身分を表すものにもなるため、氏名の一部に取り入れる習慣があるのだそうだ。

 バロンは一般的に言われている五爵の中では一番下で、バロンまでが領地をもっているらしい。例に従って俺の父親が持っている領地は国土の中ではほんの一部で、小さな村のようなものと、ちょっとした鉱山だけだった。


 さて、俺のいる世界だが一応世界地図みたいなものはあるらしく、それを見せてもらったところ何と地球にそっくりだった。

 文化は恐らく中世後期と近世が入り混じったくらいなので明確な測量技術がないのか、海岸線や島の位置、大きさにちょっとしたズレはあるものの、俺が学校で暗記した世界地図とほぼ同じだった。

 俺のいる場所は、元の世界で言うところのフランスの中心当たり。

 ヨーロッパ西側一帯を支配している国があり、支配地域は大体イギリス、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル。国の名前はデュヴァル王国。23代続くデュヴァル家の国なんだそうだ。首都はイギリスにあるらしく、名前は王都ソレイル。かなり発展しているらしい。

 ヨーロッパ東側を支配するゼレンスキー帝國とは思想は相容れないものの、大規模な戦争はここ200年起こっていない。


 そんなわけで割と穏やかな日々を過ごせた俺はすくすくと育ち、5歳のころから、いわゆる英才教育を受けた。


 ちなみに俺の容姿はなぜか日本にいたころとほとんど変わっておらず、とくに漆黒の髪色と瞳の色は驚かれた。なんでも貴重な存在なんだそうだ。ありえない話ではないが、ありえないとか言ってたな。


 俺はどんな言語でも理解できるため、他の子どもたちと比べてそのほかの勉強に費やす時間を増やすことができたのは、かなり大きかった。

 俺は周囲に余計な心配を与えないよう少しずつ言葉を覚えるふりをしたのだが、父親の部屋に忍び込んで子供には難しすぎる読み物を読んでいるのが見つかった日から、俺は天才児として教育を受けた。

 結果的に独学で父の政治学の本を読むよりは先生に教わってよかったと思う。


 その中で驚いたことはやはり魔法の存在だろうか。


 人類が初めて火を発見したときのことだ。元の世界では物を燃やすことによって火を作り出し、発展したようだが、この世界では世界のエネルギーを直接操るすべを発見し、科学の発展よりも早いといえる速度で社会が構築されていった。

 もっとも、新たな魔法技術がなかなか発見されなくなってから、人類の文明は平行線をたどっており、一向に科学が進んでいる様子はない。

 やはり過ぎたる力は人を怠惰にしてしまうのだろうか……?


 そんなことはさておき、そのエネルギーを操る術のことだ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「エネルギー?ってなんですか?それを操るってどういうことですか?」


 5歳の少年コウタは目の前の、真っ白な長いひげと、エビのように曲がった腰が特徴の、今にも死んでしまいそうな老先生、カール先生に質問した。


「エネルギーとはすなわち物体に変化をもたらすもの。代表的なもので言えば、温度の変化、速度の変化などですじゃ。」


 エネルギーの解釈は元の世界とさほど変わらないようだ。


「我々人間は”魔術”と”魔法”によってそのエネルギーを変化させることができますのじゃ。魔術、魔法にかかわるエネルギーを特に”魔力”と総称する場合もありますのじゃ」

「魔術と魔法?何が違うんですか?」

「それは読んで字のごとく。魔術とは”じゅつ”。”魔法陣”を用いて具体的にエネルギーをどうしたいか定義した後、にえや詠唱をもって発動させますのじゃ。複雑な魔法陣や、貴重な贄、長い詠唱ほどもたらす変化はより強大になりますのじゃ」

「じゃあ魔法は?”法”ってなんだろう法則かな?」

「あながち間違いでもないですじゃ。術ほど明確な定義はないのですが、方法、法則などと思ってくれればよいのですじゃ。その起源は神に逆らおうとした愚かな人間が作ったものとされますが、まぁそれは今は知らなくていいですのじゃ」


 どうやらあの情に深い素敵な神様に逆らおうとした不埒な輩がいたようだ。


「魔法は術と違って体系化されていませぬ故、その発動はあいまいで、威力も術と比べれば圧倒的に弱くなりますが、体系化されてないこと、そこにこそ魔法の真の利点がありますのじゃ。わかりますかな?」

「なんだろう?自由ってことかな?」

「ほっほっほ。坊ちゃんらしい発想ですな。もちろんそれもありますのじゃ。でも一番大きな利点は何かと言われればやはり魔法陣も贄も詠唱もいらないということでしょうな」

「え?それじゃあ発動できないんじゃないの?」

「もちろんですじゃ。だから我々人間はイメージでそれを補うのですじゃ。エネルギーをどうしたいのか、具体的に頭の中でイメージしますのじゃ。そうするとそれが思念となって魔法陣と詠唱の代わりになりますのじゃ。このように」

 

 そういって先生が右手を広げて上にかざすと小さな炎が生まれた。


「しかし、魔法には魔術に比べて明らかな欠点がありますのじゃ。まずその一つが魔法陣と詠唱がないということにありますのじゃ」

「具体的な定義がないからってことですか?」

「その通りですじゃ!坊ちゃんは理解がはやいですじゃ!魔法陣と詠唱があればその定義に沿って魔術は迷うことなく発動されますのじゃ。しかし魔法はそれをイメージで補完しているので、少しでもイメージに雑念が混じると魔法は失敗しますのじゃ。それは熟練した魔法使いでも避けられないことですじゃ……」


 先生の言葉を表すかのように、先生が興奮しだした途端、先生の作り出した炎は揺らぎ、一瞬大きくなったと思ったら、「ぷしゅう」という音とともに消えてしまった。


「まあこんなものですじゃ。そしてもう一つの欠点。それは、贄が存在しないということですじゃ」

「あ、たしかに。贄が存在しないのに魔術を行使できるわけないですもんね」

「そうですじゃ。だから魔法は贄の代わりに使用者の”精神力”を奪っていきますのじゃ。精神力とは端的に言えば”魂のやる気”。かつて危機に瀕して自分の精神力を超える魔法を行使してしまった魔法使いが廃人になったという話がありますのじゃ。精神力は時がたてば自然に回復していきますのじゃ。しかし、それを使い切ってゼロにしてしまうと、そこから精神力を回復するのは不可能ですのじゃ」


 なるほど。魔法には使用制限があるのか。


「じゃあ魔法の一部分に魔術を取り込んでみたらどうですか?」

「坊ちゃんはなんと聡明な!その通り、魔法には魔術を取り込むことができますのじゃ。簡単な魔法陣を用意すればその段階までのイメージは必要なくなりますし、詠唱をするほど魔法の安定度はまし、簡単な贄を用意すれば精神力の消耗をある程度抑えることができますのじゃ」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 魔術、魔法とはそういう事のようだ。

 俺のイメージと大した違いはないようなので、すぐに慣れるだろう。


 それから俺は魔術と魔法の研究に没頭した。


 その過程において一番最初に学び、驚いたこと。それは魔術と魔法が操るエネルギーにはそれぞれ適性があってそれが髪色や瞳の色に反映されることだ。

 まったく、元の世界の遺伝子学に真っ向から喧嘩を売っているようで、俺の知識でも詳しい仕組みはわからなかった。自分でも無自覚のうちに髪と瞳に適性のある魔力をまとっていて、それが光の屈折に影響を与えるという説が最も有力だ。

 髪の色は「基礎適性」とよばれ、魔術に関する適性を表す。瞳の色は「応用適性」とよばれ、魔法に関する適性を表す。適性がないと全く魔術や魔法が使えないわけではないが、やはり修練した適性者とは雲泥の差が生まれてしまう。

 その中でも「黒」という色はこの世界に存在するすべてのエネルギーに適性を持ち、さらに魔力との親和性(?)も高いらしく、一般人より高い水準で術を行使できるようだ。

 ちなみに髪や瞳の色が深いほど魔力との親和性が高いということらしい。

 神様の言っていた「最強の可能性」とはこのことなのだろうか?


 加えてこの世界のエネルギーの適性は、エネルギーの種類というよりは含まれているモノに関係するらしい。色と照らし合わせると、赤は「熱エネルギー」だ。この色は、モノとは関係なくその名の通り、物体に微振動を与えて温度を変化させることができる。青は「流体エネルギー」、黄は「大気エネルギー」、緑は「大地エネルギー」で、それぞれ液体、気体、固体に含まれるエネルギーの総称らしい。


 次に魔法陣。それは元の世界の印象とは大差なく、同心円を何重か書き込んだあと、その間に文字を書き込んで定義していく。作業としては、プログラミングに似ているかもしれない。ちなみに書き込むものは紙でなくても良いようで、特に木の板などに彫りこんでやれば、耐久性もばっちりで何度も使える魔法陣が作成できるようだ。


 そして詠唱。これは魔法陣に書かれた内容を発動させるカギのようなものだ。魔法陣の威力に際限はなく、どれだけ長い詠唱によって魔法陣の起動効率を上げてやるかによって威力は上がっていった。もっとも、詠唱が長くなっていくにつれ、その構成の複雑さは増していき、無限に詠唱をすることは不可能だった。


 最後に贄。これは本当に何でも良いようだ。この世界に存在するものにはなんにでも贄の素となるエネルギーが蓄積されているようだ。だがその量はモノによってことなり、大気中に含まれるそれは悲しいほどゼロに近く、金などの希少金属はたっぷりとエネルギーを包含しているらしい。特にダイヤモンドはその圧縮されるという過程において大量のエネルギーを取り込むらしく、奇しくも希少価値の高いモノほど高いエネルギーを含むというのが常識らしい。


 少し話は横道にそれるが、この世界には「魔獣」と呼ばれる存在がいる。自然動物が贄の素になるエネルギーを大量に取り込んでしまうと、それが次から次へと魔力を生み出して、その動物の理性を奪い取り、本能のままに他の動物を捕食するようになる。そしてその魂に含まれる”精神力”を奪い取って自分の糧とする。これらの動物を総称して魔獣と呼ぶ。

 そしてその魔獣は蓄えた精神力を体内の一か所に保存する。それを「魔石」と言い、数千匹単位で捕食した魔獣の魔石はダイヤモンドにも勝る贄になるようだ。

 とはいえ、その数千匹単位で捕食した魔獣は圧倒的な魔力を保持しており、その強大な魔力による身体強化のせいで常人では手が付けられなくなる。

 人間がそんな危険な生物を野放しにしておくわけもなく、魔獣は人に見つかったらまず間違いなく駆逐されるので、普段は多くても数十匹単位の魔石しか出回らないようだ。それはぎりぎり安価な金属と釣り合う程度の贄にしかならない。


 ここで本題。俺がこの世界に来てもっとも研究したのは魔法だ。

 俺はこの分野において才能をいかんなく発揮した。

 俺の想像力は日本で培われたアニメや漫画の知識もあれば、具体的な現象はだいたい学校で習った定理法則を意識することで強力な魔法になった。

 精神力は、俺の人生を知っている者ならわかるだろうが、それはもうありえないくらい存在した。

 もちろん漆黒の髪と瞳の色で出力する魔力が少なくて良いというのもあるが、俺の魂の精神力は常人のそれとは一線を画している。

 不運に揉まれてもめげない心。それこそが俺の最大の武器となりえた事実が、俺の元の世界での苦労を労ってくれているようでうれしかった。


 結果的に、弱冠15歳にして俺は世界でもトップクラスの「魔法使い」になった。もちろん良い意味で。加えて魔法習得の過程で得た知識は大いに魔術にも役立ち、村一番の魔術師になるくらいは造作もないことだった。


 まぁ、俺は特に争いを好むわけでもないし、戦争なんてクソくらえな模範的日本人だから、力を特に自慢するわけでもなく、むしろ隠し気味に、日常で起こった問題を魔法でそっと解決していた。



 そんな俺も成長して、特に不運事もなく因縁の18歳を迎えた。

 俺的に、前世に別れを告げた年齢であったから結構警戒していたのだが、やはり不運なことは起こらないようで、その日も朝食を終えて安心して自室に向かっていると、廊下の先から大きな破裂音が響いてきた。

まだもう少し加えたい設定がありましたが、それは後にちょこちょこ書きます。今回書いたのは割と世界観を表す重要な部分だと思いますので……。

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