動き出す時間 #2
シュネーさん。そろそろ次に行きたいんですが、宜しいでしょうか?
* * * * * * * * * *
『私達で人族と竜族が互いに手を取り合える世界を作りましょう!』
ルージュは昔からこう言っていた。口癖のように。そしてそれに対し俺はただ微笑みながら頷く。心の奥底では無理だと思いながらも。だが……
『あーっ!シュネー、今無理だと思ったでしょ!』
このように見破られた。ルージュが鋭いのか、俺が分かり易いのかは解らなかったが。
『いいもん!私一人でもやるし!』
ルージュはそう言いながら、わざとらしく拗ねてみせる。そんな様子に俺は今度こそ心から微笑む。
『ふふ、シュネー、やっと笑ってくれた。……ありがとう。愛してるよ……シュネー』
* * * * * * * * * *
――――夢。
石碑に反射した陽の光が瞼を刺激する。瞳の奥が熱い。どういう夢を見ていたのか分からないが、久しぶりに寝覚めがいい。
『おはよう、ルージュ。…………愛してるよ』
自然とそんな言葉が出てきた。何故、自分がそんな言葉を用いたのかは解らなかったが、それが最も今の感情に当てはまるものだと思った。
もう少しだけこんなノリが続くようです。お付き合いください。ボロが出そうなのでホントは次に行きたいんですが……