精一杯巫山戯ました。
ゆらゆらと揺れるカーテンを、試行錯誤して生み出したアンニュイな表情でじっと見つめる。肘をつく机の上には教科書とノートが開き、視線を正面に移せば、黒板に難しい数式がずらりと並ぶ。
そう、今回は女子学生の日常、と言うテーマでの撮影なのだ。セーラー服がいいかブレザーがいいか等と、カメラマンが悩みに悩んでなかなか始まらなかった撮影にヤキモキしたものだが、始まってしまえばことはスムーズに運び、予定していたシーンも残すは僅かとなっていた。
「うーん、熟れてきていい雰囲気は出てるんだが、もう少し新鮮味も欲しいなぁ。――そうだ、ちょっとゲームをしながら撮影をしないか?」
カメラマンを務めるジュンは、シャッターを切りながらもそう提案をしてきた。撮られる側としては、さっさと終わってくれたほうが嬉しい。もしその要望でカメラマンの気分が乗り、よりスムーズに進んでいくのなら、それに越したことはないだろう。
「いいけど、どんなゲームをするんだ?」
「バニー逆バニーゲームだ」
なんという究極の選択なのだろう。早く終わりたいのなら付き合わなければならないが、とてもじゃないが付き合っていられないタイトルではないか。
「――念の為、どういうゲームか訊いてもいいか?」
「俺がバニーと逆バニーを不規則に言うから、全て言い終わった後に逆バニーに挟まれたバニーが何個あったか答えてくれ。ただし、お邪魔虫ワードもいくつかある」
「付き合えば、早く終わるのか?」
「そうだなぁ、俺が喋るだけだし、早く終わるんじゃないかな」
はぁ、それなら我慢して、付き合ってみようじゃないか。
「承諾したな? それじゃあ行くぞ――」
一息ついて、それは始まった。
「バニーバニーバニーバニー逆バニーバニーハニーバニー逆バニー逆バニーポニーハニーバニー逆バニー逆転劇ギャグ回ハニーバニー逆バニーバニー逆バニー花火なすびビニールテープハニーバニー逆バニーコーヒーカフェラテプリンプディングパンナコッタバニーハニートースト逆上バニー蟹カクテキミノゼンマイ全開バニー逆バニーハニーティーアフタヌーンおいでやすおばんざい万々歳棒々鶏逆張りバニーバニーバニーハローハニーバニー逆バニー逆さまバニーニーキックニーキック膝カックン燻製薫陶勲章バニーバニーバニー逆バニーバニー逆バニーハネムーンハネムーンカモメボンタン夏みかん橙ポンカンギャグ回バニーハニー逆バニーハニー逆バニーバニー逆バニー。はい、撮影おーわり」
ぽかんとした表情のまま終わったのだけど、本当にこれで良いの? ――うわー、なんかスゲーもやもやする。




