届け。
君だけを想う。
そう心に決めてからどれくらいの時が経ったんだろう。彼女に別れを告げてからはずっと心がフワフワしてた。何もする気にならなかった。しばらく携帯も見ていなかった気がする。
ただ。ただ君だけを想ってた。
不意に携帯が鳴った。マナーモードにしておくべきだったと後悔しながら画面を見る。
実家の母からだった。
1人暮らしをしてる僕への安否確認。のような内容だったと思う。はっきりとは覚えてない。
短い会話を終え携帯がホーム画面に戻る。
フリーズした。携帯じゃない。僕の思考回路がだ。
君からメッセージがあった。飛びつくように開く。
「それなら…その恋をめちゃくちゃにしてあげる。
2人の仲を切り裂いてあげるね。」
なんだ。このメッセージはもう見た。表示で読んだ後開いてなかっただけか。深いため息が出る。
こんなにも君のこと好きなのに、
なにも言えない自分に。
気の利いたメッセージさえ思いつかない自分に。
はっきりとしない君に。
本当に君は不思議な子だ。
どこか惹かれるものがあるだけじゃない。
なにかが他の子とは違うんだ。
僕の心が僕自身に語りかけてくるんだ。
君じゃなきゃ駄目なんだって。
夜空に輝く星たちを眺めながら、今日も君を想う。
君と会える日を。この想いが片想いじゃないことを。
君が僕だけを考えてくれていることを。