戦闘開始までの穏やかな時間 1
再び目がさめると俺は何処かの建物の中で寝転がっていた。体を起こすと少し頭がクラクラする。
周りには誰もいない。何か、状況を理解する為に良いものはないか見回していると急に天井から何かが落ちてきた。それはドスッと音を立てて俺の上に落ちると動かなくなった。その物体をどかそうと手を動かすと何か柔らかいものが出に当たった。しばらくにぎにぎしてると、その物体は
「んっ、ん…いや〜っ!」
と言って俺の上から飛び退いた。
見るとそこには薄い水色の猫耳をつけた、人間でいうと15歳位の少女胸を抱えて俺を涙目で睨んでいた。
そして
「…エッチ、変態、…最低です…」
というので、俺は
「不可抗力だろ?!そもそも俺の上に落ちてくるのが悪いんじゃないか…」
「知りませんよ…落ちるところまで制御できませんから。…あの、因みにお名前は?私はミオです」
「俺、仲宮 郁。よろしくな」
「それにしても、扱いが雑だよなぁ、ミオさん、天井から落ちてきたよ?」
というと
「だからって人の胸を揉んで良いってわけでは無いですよね?(怒)あと、ミオで良いです」
と睨んでくるので
「だから、不可抗力だったんだよ…」
と弱めに言い訳をしておいた
するとピンポンパンポーンとマヌケな音のあとにとても明るい声が聞こえてきた。
『やぁやぁ、どうも、どうも。主催神のアヌビスでーす、ちなみに死者の魂の裁判的な事を仕事にしていまーす☆あっ、皆起きてる?じゃぁ、このゲームのルールを説明しまーす。まず、今、君達がいる建物は君達の本拠地でーす。守ってね〜(^O^)/あっ、建物の中に落ちなかった人がいたらゴメンね☆まぁ、少なくとも近くに落ちてるはずだから、近くの建物が本拠地だよ〜。君達のポケットの中にはその建物の地図が入っています。そこに書いてある『多目的ホール』ってとこ行くと、結構広いから全員入れると思うよ。集合するにはうってつけだね。そして、まぁ、君達がいる建物は城なんだけど…城外はモンスターがいっぱいいるから、倒してレベルアップに使ってね〜。武器はこのアナウンスが終わったら召喚するから待っててね〜。ルールは簡単。他の派閥をやっつけろ!☆って事。例えこの戦争で死んでも一定期間神様達のパシリしてれば城に戻ってこれるから、安心して突っ込んでってね☆
もちろんこの世界でもご飯を食べないとお腹空くし、死にます。水も同じく。あと、大抵のものは作れます。レシピも書いといたから、それは宝物庫にあるよ。それと…男女の筋力等の差は無くしてるけど、各種族の特徴、特技はそのまま反映してるから、十分に活かしてね〜☆
あと、スキルとか色々覚えられるから、そこら辺は胸ポケットの中の手帳を見てみてね、そこで自分のステータスが分かるから。
それじゃ、以上で放送終わりまーす☆』
と、ようやく長いアナウンスが終わった。もっとも、得体の知らないゲームに巻き込まれ、その主催者がこんなにも事を軽く見ているような口調で話すという事は郁達にとって物凄くイラッとくるであるのだが、本人は知る由も無いだろう。
その後武器が召喚され、お互い揃ったところで取り敢えず多目的ホールを目指す二人であった。
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