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02 Ghost of My Life
暗闇。
音も匂いもない。
床を踏みしめる脚と、手すりに添えた手の感触。
ただ手足を動かし、左右に曲がる階段を登る。
上へ。上へ。
何故? わからない。
ただひたすらに澱みなく登り続ける。
──いつまで?
「自分をみつけるまで」
誰かの声がした。
左右を見回す。何も見えないのに。
「僕はここだよ」
後方から投げかけられた。
振り向くと何段か下に青白い光。
ひとり、誰かがいる。
俺は彼を知っている。
でも、思い出せない。
いや、いつもと違う。
まるで正反対だ。
信じられない。
「京也?」
彼に向かって手を伸ばす。
彼は微かな笑みを浮かべ、淡い光とともに⋯⋯
消えた。
アキの絶望と再起の物語です。




