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死の接吻  作者: 麻生あきら
ZERO

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1/9

00 / 01 D - Damned fool - David

 真っ暗だ


 ──深い闇

 何も見えない


 上も下もわからない


 でも音は聞こえる

 とてもクリアだ


 ──人の声

 車のバックファイヤー


 時計の音?


 今は昼なのか? それとも夜?


 今日はいつ?


 ずいぶん長い間

 こうしている気がする


 ──足音?



『アレックス、ちゃんと今日だって言ったんだろう?』


『ゆうべここで言ったよ』


『おい、ディー。いるのか?』


『開いてるぜ』




 カチャ

 扉が開いた。


「ディー。なんだよ、真っ暗じゃねえか」

「しょうがねえなあ。またかよ」

 男が二人。知ってる奴ら。


「リサが出てくのも仕方ねえな」

 うるせえな。あいつなんかいなくたって、問題ねえよ。


「今日はギグだって言っただろう? 服も昨日のままかよ」

 ⋯⋯ああ、今日?


「あー、しょうがねえな。どれやったんだよ。酒か? こっちか? 混ぜてんじゃねえの?」

 ははっ。全部だよ、全部。

 カクテルだ。


「ほら、腕回せ。世話のやけるヤロウだよ」



挿絵(By みてみん)



「いいな、あんまり客煽るなよ。何件のクラブから追い出されてるか、わかってんのか?」

 クラブの事務所に転がされた。


「⋯⋯わかってるよ」

 パンツのポケットに違和感。

 ゆうべの残りか。

 丁度いい。テーブルの酒で流し込む。


「おい、お前、今何飲んだ?」


「うるせえよ」




 アレックスに引き摺られてステージに立つ。

 マイクスタンドに寄りかかって歌い出す。


 客席にリサがいる。

 はは、いい女だな。


 浮遊感。


 酩酊感。


 絶望感。


 ────頭を殴られたような衝撃。


 身体が傾ぐ⋯⋯?



「ディー! いやああぁぁぁぁ⋯⋯⋯!」 



挿絵(By みてみん)

かなりソフトに表現したつもりですが、「ダメ絶対」なやつです。

後姿はアレックス。


映画「The Doors」「トレインスポッティング」「イージーライダー」「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」

このあたりの影響が強いです。……強かったといった方がいいです。


「The Doors」バル・キルマーとカイル・マクラクランが出たな。

「トレインスポッティング」ユアン・マクレガーがずぶ濡れだった。イギー・ポップとエラスティカとブラー、パルプの曲が流れたな。

「イージーライダー」誘ったくせに寝てた同僚。

「ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間」カイル・マクラクランいい男。

今はもうそのくらいしか覚えてませんので。

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