表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/12

『終章』

◇基本設定


◾️登場人物

・さん:主人公。地球から異世界ネイトに転生する。

・魔王れな:空前絶後の魔王。

さんが魔王れなの前に立つ


さん「君がれななんだね」

れな「だれ?」

さん「俺はさんって言うんだ」

れな「さん?変わった名前だね」

れなは楽しそうに笑っている。

さん「ああ、変だろ?」

さんも釣られて笑った。


さん「っ!」

全てが蘇った。

魔王れなの声が、頭の声と重なった。

れな(さんさん...)

あの時も、転生の間で聞いた時も、同じ声でさんを呼んでいた。


さん(ああ、彼女だったんだ)


さん「れな、俺だよ」

れな「あんたなんかしらないわ!どっかいってよ。人間はきらいなんだ」

さん「うん、いいよ。どっか行ってほしいなら」

れな「ふーん、じゃあやーめた!」

れなはいたずらっぽく笑って。

れな「ならもっとこっち来てよ」

れな「来れないでしょ?呪いのことしってるでしょ?」


さんは構わず近づく。


さん「ゆっくり行くからね」

れながふと顔を上げれば、さんは発芽できる距離にいた。

れな「いや、やっぱりいや!」

れな「なんでよ、なんで発芽しないの?!」

さん「俺にも、わからないんだ」

れな「いや!近づかないで!人間はいや!」

さん「そっか、いいよ、近づかないよ」

れな「え?」

さん「近づかないよ。れなが怖がっててもいい。近づいてほしくないならここにいる。離れてほしいなら遠くへ行こう」

れな「なんで?なんで?」

さん「わからない。ただそうしたいと思ったからだ」

れな「なんだか...安心する」

さん「そっか。安心するんだね」


しばらくして...


れな「...いいよ、近づいて、でも、わたし、醜いよ?」

さん(ゆっくり近づきながら)「そっか。醜いんだね」

れな「うん、だから、あまり見ないでほしい」

さん「うん。あまり見ないよ」

れなは体のそこらじゅうからクローバーがみっしりと、隅々まで生えていた。顔から、指から、唇から、瞼から。

さん「醜いとれなは思ったんだね」

れな「うん、醜いでしょ?」

さん「そっか。たしかに醜いかもしれない。でも、俺には関係ない。れなが醜くても、綺麗でも」

れな「どうして?」

さん「わからない、れなだから」

れな「わからないよ。どうして?」

れな「わたし魔王だよ?」

さん「うん、魔王だね」

れな「わたしみんなに呪いをかけたよ」

さん「うん、呪いをかけたね」

れな「どうしてなの!?」

れな「たくさんの人を傷つけた!」

れな「たくさん殺した!子どもも!おとなも!」

さん「ああ、そうだね」

れな「...なんで...怖いよ」

さん「そっか。怖いんだね」

れな「うん。怖い!怖い!」

さん「そうか。怖くて離れてほしいなら離れるよ。れなから離れてもいい」

れな「...」

れな「...」

れな「...こわい、けど」

さん「...」

れな「こわいけど、安心する」

さん「そっか。怖いも安心も、あってもいいんだよ」

れな「うん」

さん「どんなれなでも、ここにいるから」

れな「うん」

さんの声を聞いて、れなは安心したように眠った。

そしてさんはそのそばにいた。


世界は呪われたままだった。


でも、魔王に近づかなければ、2度と発芽しなかった。


呪いは変わった。


そしてさんはずっとれなのそばにいた。

今もあの日と同じように、眠ったままのれなの、そばに居続けた。


(完)

ご愛読ありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ