『転章(二)』
◇基本設定
◾️登場人物
・さん:主人公。地球から異世界ネイトに転生する。
・女神:転生者を案内する女神。
・ガルガンチュア:最強の召喚獣。
・魔王れな:空前絶後の魔王。
◾️異世界ネイトの世界観
・ネイトに魔王がいる限り、世界は転生者を転生の間に召喚し続ける。
・魔王に対抗できるほどのチート能力は転生の間でしか授かれない。
・ネイトの住民は15歳になると必ず教会で授受の儀を受けなければならず、そこでは普通の能力を授かる。
サナは立派な剣士になっていた。
転生者として選べる能力の無尽蔵の魔力を活かして、手練の魔法剣士となっていた。
最強の召喚獣と転生者を、止められる魔物はいるはずもなかった。
やがて、三人は魔王城に着いた。
ガルガンチュア「さんよ...」
ガルガンチュア「ここからはお主ひとりで向かうのじゃ」
サナ「なんでよ!ここまで一緒に来たのに!」
さん「ああ、わかった」
サナ「さん!?なんでよ!ここまで来て置いてかないでよ!」
さん「サナ...わかるだろ?」
サナは唇を噛んだ。
さん「サナが近づけば、たちまち発芽してしまう。サナはサナじゃなくなってしまうんだ」
思い詰めたようにサナが口を開いた。
サナ「なら!ガル一緒に行ってあげてよ!ガルは召喚獣だから大丈夫だよね!?」
ガルガンチュア「すまないがサナ、わらわも例外ではないのじゃ。魔王れなはこの世界全てを呪ったのじゃ。わらわもその理の内にいるのじゃ」
サナ「そ、んな、」
サナは涙を堪えている。
さん「ガルガンチュア、魔王れなは俺が会いたがってた人なのか?」
ガルガンチュア「そうじゃ」
さん「なぜわかる?」
ガルガンチュア「それは、呪いをかける前に、れなは『さんさん...』と呟いたからじゃ...」
さん「!?」
さん「なぜ、俺の名を...?」
ガルガンチュア「それはな、さん」
ひと息おいて
ガルガンチュア「お主が転生する前の世界でも、転生の間でも、そして転生した後も、さんという名前だったからじゃ」
さん「え」
ガルガンチュア「そうじゃ。お主はれなと離れ離れになっても、れながお主を見失わぬよう、ずっと同じ名前を頂く呪いのようなものを、お主が自らにかけたのじゃよ」
さん「そんなことが...」
ガルガンチュア「不思議じゃろう。わらわもわからん。でもたしかにそうなったのじゃ」
さん「そっか。教えてくれてありがとう」
さん「俺は思い出せるのかな」
ガルガンチュア「わからん」
ガルガンチュアはもう涙声になっていた。
ガルガンチュア「わらわは転生の間でお主に救われたのじゃ...お主も救われてほしい...それだけじゃ」
さん「そっか。ありがとう」
さん「とにかく行ってみるよ」
ガルガンチュア「...」
サナ「帰ってこいよばかタレ!」
2人は静かに泣いていた。
さんは振り返らずに、魔王れなの待つ城に入っていった。
つづく...




