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第88話 クリスマス会の開幕


 帰り道、瑠衣が言っていたことを考えていた。

 瑠衣が言っていたことは、裕福な時代だからこその悩みだろう。


 ところで、以前はうつ病といえば中高年の病気なイメージだったが、最近では若年者のうつ病が増えているという記事を何かで読んだことがある。


 お父さんの内弁慶のような帰属意識や他者配慮は後退し、一つの特徴として、自己愛や攻撃性が前面に出てくるとのことだった。


 そこでは、根底にあるのは、生きることに意味を見出せない虚無感なのではないかと結ばれていた。


 さっきの瑠衣の話も、本質的には瑠衣自身の問題だ。それなのに綾乃に不満をもつというのは、この鬱に近い気がする。


 生きることに必死だった時代には、虚無感に悩んでいる余裕なんてなかっただろうから、やはり現代的な現象なのかもしれない。


 とはいえ、やみくもにストレスを与えればいいというものでもない。いまの日本の生活が、希望や意味を見出せないものになってしまっていることが根本的な原因なのではないかと思う。


 だとすれば、今の日本を作り上げた世代であるオジサンにも、その責任の一端があるのかもしれない。


 ……っと。


 最近、思考が錯綜しがちだなぁ。

 こういうのを自動思考っていうんだっけ。ずっと同じことをグルグル考えていても脳に良くないらしい。気をつけなければ。


 まぁ、瑠衣については、俺を理解者と思ってくれたようだ。少しずつ緩和されるだろう。


 それにしても、泣きながらイッていた瑠衣、可愛かったなぁ。久しぶりにSっけが満たされてゾクゾクした。


 そうこういってるうちに、我が家が見えてきた。ことしのクリスマスは、つむぎとリンゴ、綾乃やコトハもいる。随分と賑やかになって、嬉しい。


 でもなんか、やっぱり。

 俺は車をとめて、考えた。


 やっぱり、瑠衣も呼ぼう。

 「クリスマス会。やっぱり、瑠衣もおいで」


 瑠衣にメッセージを送ってみる。


 さっきまでセックスしていた子をクリスマス会に誘って、返信待ちでソワソワするって。なんだか自分に失笑してしまった。


 5分ほどして返事がきた。


 「今日は家族と約束をしていて。誘ってくれて本当に嬉しいです。来年は、参加させてもらえたら嬉しいな。それと、大好き。さっき、別れる時に言うの忘れちゃったから」


 そかそか。

 エッチして関係が深まったようだ。付き合いはじめのカップルみたいで嬉しい。


 すると、さらにメッセージがきた。


 「郁人さんが居たらなにもいらない。命も……」


 なんだか愛が重すぎて怖いんですけれど。

 もしかすると、パンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。


 でも、まぁ、いっか。

 なるようになるだろ。


 

 家につき、玄関ドアをあけた。


 「おかえりなーい!!」


 みんながお出迎えしてくれる。

 つむぎ、りんご、コトハ、綾乃。


 1人を除き、みんなサンタクロースのコスプレをしてくれている。なぜか、コトハだけトナカイのカッコウだ。


 ミニスカのサンタ女子は色っぽいが、さすがにトナカイには性欲を感じない。


 すると、コトハが近づいてきて俺の全身をクンクンしてきた。あ、浮気探知犬ならぬ、探知トナカイなのね。


 コトハは振り返って、皆にピースサインをした。どうやら、嫌疑なしのサインらしい。


 皆がリビングに引き上げる後ろ姿をみながら、俺は内心、胸を撫で下ろした。


 コトハは、その場に残り俺に耳打ちしてきた。


 「いっきゅんの精液の匂いと、瑠衣さんの匂いがするっす。ちゃんと言いつけ通り、浮気の後、シャワー浴びないで帰ってきたっすね?」


 「そんな言いつけされた覚えないんだけど」


 コトハの声は、いつのまにかハスキーになっていた。


 「嫉妬で、たまらないっす。いま、この場でエッチしたいくらい。そのまま入れて欲しいっす。あとでみんなの目を盗んでトイレでしないっすか?」

 

 さすが、ヒロインズNo. 1のド変態。

 要求も突き抜けている。


 「いや、うちのトイレ狭いし無理っしょ」


 俺はコトハのツインテールをグシャグシャにした。ふと、いじわるを思いついた。


 「コトハ。お前、なんでも俺の言うことを聞くって言ったじゃん? もし、俺が男2人の3Pしたいっていったらどうするの?」


 「いっきゅん以外の入れるのイヤだけれど、イヤなのにイッちゃうアタシを見て欲しい気もするっす」


 どうやら、他人としてもイクのは織り込み済みらしい。


 コトハは続けた。


 「……絶対にアタシを嫌いにならないって約束してくれるなら、しても良いっすよ」


 他の男としてもいいのか。

 自分で聞いておいて、激しく嫉妬してしまった。


 俺は、コトハのパンツを脱がすと秘密兵器を突っ込んだ。

 

 「ひゃんっ」


 コトハはすっとんきょうな声をあげた。

 フフ。これはリモコン式のオモチャだ。


 今日はこれでコトハをいじめることにしよう

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