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第86話 瑠衣という女の子。

 

 瑠衣の華奢な手を引いて部屋に入る。

 瑠衣は平然とした表情だったが、握った手は汗ばんでいて、少し震えているようだった。


 部屋に入ると、まず、分娩台のようなものが目に入った。正式名称は不明だが、四方に拘束具がついており、使い方は想像がつく。


 さて、ドM候補生の瑠衣はどんな反応かな。

 瑠衣の方を見ると、顔を紅潮させ、息を荒げている。


 やっぱ、瑠衣もコトハと同じ世界の人か。

 優しくするより、虐められた方が喜ぶかもな。


 おれがそんなことを考えていると、瑠衣は予想の斜め上をいくことを言った。


 「いくとくん、あそこの台に裸で座って欲しい……。はぁはぁ」


 あぁ、この人。

 むしろ真逆のあっち側の人だったわ。


 処女がどんな責めをするのか、興味はあるが。もし、本気の変質者で、未経験故に加減が分からなくて、刺されたりしても困るしな。


 俺は提案した。


 「最初は普通にしない?」


 すると、瑠衣はハッと口を押さえて、真っ赤になった。


 「じ、じゃあ、シャワーあびて……、きゃっ」


 俺は、瑠衣の手首を強引に引っ張って、ベッドに押し倒した。瑠衣は、手足をバタバタさせて抵抗した。


 「ちょっと、今日、朝にお風呂入れなかったし、汗かいてるし」


 その言葉を聞いて、俺は俄然、やる気が出た。

 Sの子を屈服させるのは、最高に興奮するのだ。


 Mの子もいいが、実は、Sの子が相手なら尚更、達成感がある。まぁ、相手側はどうかはしらんが。


 そんな劣情に駆られて、俺は手を止めなかった。ブラウスを半ば強引に剥ぎ取って、ブラをずりあげる。


 そのまま、スカートもたくし上げ、指をパンツの中に滑り入れた。すると、意外にも、瑠衣のソコは湿り気を浴びていた。


 さっきの拘束台の効果だろうか。


 そのまま弄り続けると、やがて、バタバタしていた瑠衣の脚は、内股で膝を小さく擦り合わせるような動きになった。目が合うと、瑠衣は顔を紅潮させ、舌を突き出してきた。


 どうやら、キスをおねだりしているらしい。


 瑠衣はSっぽかったが、どうやら受けの方でもいけるようだ。良かった。


 ふと、異路同帰という言葉が頭に浮かんだ。

 

 SとMは異なる性癖だが、行き着く行為は同じだったりする。「寝取られプレイ」などその一つだろう。意図的な加虐心と、無自覚な被虐心が同時に満たされる。


 寝と「らせ」ではなく、「られ」と表記されるくらいだしな。


 例をかえれば、量子力学で量子のスピンがプラスとマイナスを同時に示す特性を発見したことと、仏教が有と無を同時に示す空の概念に至ったことも、あるいは似ているのかもしれない。


 これは偶然のこじつけとも思えるが。



 「郁人くん。他の女の子のこと考えてるでしょ?」


 瑠衣は、そういうと強引にキスをしてきた。

 割り込み思考になっていただけで、他の女の子のことは考えていないんだけどな。


 おれは、瑠衣の両脚を持ち上げると、グイッと開いた。すると、おそらく他の男性には見せたことがないであろう性器が露出した。ピンクのそれは、開かれて糸を引いていた。


 そのまま顔を埋める。


 瑠衣はまた抵抗するかと思ったが、大人しかった。恥ずかしすぎてフリーズしてしまったらしい。


 顔を押し付けると、女の子の甘い匂いと、微かにオシッコ臭がした。朝にお風呂に入れなかったのは本当らしい。だが、嫌ではなかった。


 しばらく舐めていると、瑠衣は口に指先をあててボーッとしながらも、小声で喘ぎだした。


 「あっ、あっ。郁人くん。なんか身体があついよ……」


 それにしても、ここ数ヶ月の間に、同じ大学の学友。しかも、もと親友の2人の脚を開いていると思うと、感慨深いものがあるな。綾乃と味は違うが、こっちはこっちでなかなかどうして……。


 すると、突然、瑠衣がビクビクッとした。

 もうイッたらしい。


 イク早さは、綾乃と一緒だ。


 でも、さすがに。

 口に出して感想は言うのはまずかろう。


 瑠衣は目をトロンとさせて、俺に話しかけてくる。


 「ね。なんかわたし変なの。ぞわぞわして、どうしたらなおるかな?」


 そろそろいいかな。

 俺はモノを瑠衣の股間にあてがった。


 「俺のことすき?」


 「……うん。わたし、郁人のものになりたい」


 ちょっと性格が悪い美少女の瑠衣。

 他で嫌われても無関心な彼女は、俺には好かれたいのか。


 或いは、俺というセーフティーゾーンの中で、違った自分になりたいのかもしれない。


 それはそれで悪くないかもな。


 そう思いながら、俺は、ぐっと腰を押し入れた。


 「痛っ……」

 

 瑠衣は、目尻に涙をためている。

 口をぐっと結んで、痛みに耐えているようだ。


 「やめる?」


 「ううん。郁人に気持よくなってほしいから、わたし頑張る……」


 健気だなぁと思った。

 さっさと終わらせてあげるのが、優しさか。


 俺は、具合のいい角度をみつけて、5分ほどで瑠衣の中で果てた。


 瑠衣は汗ばんだ身体を、俺に押し付けてくる。

 俺は、押し付けられた頭を撫でて腕枕をした。


 瑠衣は俺の頬をつついてきた。


 「しちゃったね。わたし、結構、モテるんだからね? でも、郁人はずっとわたしの特別だよ」


 こうしてると、性格が悪いなんて全く感じない。俺に身も心も委ねてくれる、ただの可愛い女の子だ。


 それに、行為の前と後で、瑠衣の俺を見る目が変わった気がする。今は、心の底から信頼してくれているようだ。


 若い時は「処女はめんどくさい」と思っていたが。案外、良いものだな。

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