第69話 思わぬ展開。
次の週末、コトハを連れてサクラの部屋にいくことになった。コトハはビクビクしている。
「ど、どんなことになるっすか? アタシ、性的なイジメ以外には、耐久性ないっす」
……なんだか、随分と余裕そうだな。
玄関前でインターフォンを鳴らす。
「はーい」
ほどなく出てきたサクラは、そこまで不機嫌そうではなかった。
家に招き入れられて、お茶を出してもらう。
サクラの正面に、コトハと並んで正座をした。
三者面談みたいだ。
時計の秒針の音に聞き飽きた頃、サクラはため息をついた。
「それでコトハちゃん。郁人のこと好きなの?」
頼むぞ。ことは。
うまくやりすごしてくれ。
「どちらかというと?」
サクラが睨む。
すると、コトハは反射的に発言を翻した。
俺は、どうして虚偽自白が生まれるのか、理解した気がした。
コトハは言葉を続ける。
「ホントは大好きっす。今世紀最大規模っていうか。毎日、エッチするたびに好きになってるっす。でも、恋人になりたいとか大それたことは思ってないので、安心して欲しいっす。アタシは、いっきゅんの性処理に使ってもらえれば、大満足っす」
ち、ちょっと。コトハさん。
言葉を選んでよ。
こいつは、地雷製造機なの忘れてた。短いセンテンスに、NGワードを巧みに散りばめてくる。
サクラのターゲットは俺になったらしい。
「ふーん。毎日ねぇ。性処理って、この子のそんなに気持ちいいの?」
「い、いや。そんなことは……」
「ほんとは? わたし、隠し事はイヤだよ?」
「……コトハの方が締まりがよくて気持ちいいです……」
サクラは目に涙をためて、風船のように頬を膨らませた。隠し事しなければいいって言ったのに。さくらの嘘つき。
「もうやだ。それなら、いま、目の前で、どういう風にセックスしてるのか見せて。じゃなかったら、許さない」
「いや、それはさすがにちょっと」
コトハの方を見る。
すると、奴隷モードの顔をしていた。
「いっきゅん。もうやるしかないっす。どうせ毎日してることっす。ギャラリーの1人や2人。居ても居なくても変わらないっす」
あぁ。忘れてた。
コイツ、ど変態だったんだ。
コトハは何の躊躇もなく、パンツごとスカートを脱いだ。コトハの股間からパンツに、糸が引くのが見える。
コトハは俺のズボンとパンツを一気にずらすと、上目遣いで俺を見上げた。
「いっきゅんだって、まんざらじゃないみたいっす」
そういうと、そのまま上に乗ってきた。
まぁ、糸を引くくらいだ。前戯はいらないか。
「あんっ。すごい。いっきゅんと繋がってるの、他の人に見られてる……。イク……っ」
コトハは相変わらず早い。
さくらは、俺とコトハが繋がってる部分を、じーっとみている。
「うわぁ。卑猥……。コトハちゃん、そんなに気持ちいいの?」
「よすぎっす。いっきゅんの最高に気持ちいいっす」
うそつけ。
お前は誰としても早いだろ。
心の中でそう思ったが、言うのはやめた。
5分ほどで、コトハは数えきれないくらいイッた。すると、サクラがコトハを持ち上げた。
「もう、いいでしょ。交代。郁人。イクのはわたしの中にして欲しいな」
そういうと、さくらが跨ってきた。
さくらも興奮しているらしく、とろとろの前戯要らずの状態だった。
——まぁ、この状況でセックスまですれば、許すもなにもないか。
コトハの冷たくて締め付けてくる感じと違って、サクラのは暖かくて、纏わりついてくる。相手が変わると、男性側の感度も戻るらしい。
女の子の入れ替わりなんて、なかなか経験できることじゃないし。
そう思うと、俺もすぐに果ててしまった。
サクラがキスをして立ち上がると、すぐにコトハが跨ってきた。コトハは、俺がサクラに出したのが気に入らないらしい。
「さくらさんだけズルいっす。アタシの中でもイッて欲しいっす」
それからは、入れ替わり立ち替わりだった。おれも異常に興奮してしまったらしく、果てても萎まなかった。自分でもビックリした。
下手な精力剤より、よっぽど強力だと思う。
これ、刺激が強すぎる。
これに慣れたら、普通のセックスできなくなるぞ……?
サクラとコトハを左右の腕で腕枕しながら、そんなことを思った。2人とも、俺に寄り添ってくる。
コトハが俺に顔を押し付けながらいった。
「いっきゅんのモノが、他の子を気持ちよくしてると思うと、嫉妬で狂いそうになったっす。でも、負けたくなくて……、いっきゅんのこと大好きだから成り立つ禁断のプレイっす」
すると、サクラも口を開いた。
「わかるかも。郁人とコトハちゃんが繋がってるところみたら、頭の中が真っ白になって。嫉妬で手が震えたよ。でも、郁人、頑張って2人とも気持ちよくしてくれたし、すごく興奮した……」
コトハも相槌をうつ。
「わかるっす。正直、毎回コレでもいいくらいっす」
サクラは笑った。
「毎回は困るけど、たまには、してもいいかな。コトハちゃん。連絡先教えてよ」
「やった。友達になってくれるっすか? アタシ、サクラちゃんみたいな美人と友達になれたら嬉しいっす」
コトハは人懐っこい。
サクラも、コトハを受け入れてくれたようだ。
まぁ、3人でこんなことして、またするとか言ってるし。そりゃあ仲良くもなるか。
とりあえず、2人が犬猿にならなくて良かった。
コトハが俺の下半身を触ってくる。
「ところで、いっきゅん。サクラちゃんの中には2回出したのに、アタシには1回だけっす。追加補填を要求するっす」
今日の宴は、まだしばらく続くようだ。
おれ、本気で腹上死しちゃうかもしれない。