六冊目『空の境界』
『府雨の読書日記』六冊目『空の境界』
『空の境界』
著 奈須きのこ
アニメも見ました。梶浦由記さんのサントラで大泣きしました。
でもいつ見たか、あんまり覚えていない……。
高校時代は、なんだかんだ受験で忙しかったから、中学生の時?
浅上藤乃の声優、能登麻美子さんがマジで好き。
友達の声優さんから能登さんと話したというエピソードを聞き、羨ましさで気が狂いそうになったことをよく覚えています。
黒桐と式の関係もたまらない。
黒桐は式を「式」と名前で呼び、式は黒桐を「黒桐」と呼ぶ。
年齢が無化されて、二人の純粋な関係だけが、何も語られぬままに浮き彫りにされる。
たまらなかった。
最推しのアニメといえば、「空の境界」か「キディ・グレイド」。ずっと2000年代に生きていたい感じ。
悲しいことに、型月のノベルはあまり追えていない。ゲームでの展開が多いから、ゲームをしない僕にはハードルが高い。スイッチ版の「魔法使いの夜」を買ったはいいものの、全然進められない。
型月のアニメもディーン版のフェイト・ステイナイトを見たきりです。(かなり少数派と思われる)
全て受験がいけないのですが。
高校時代の友達と、何年かぶりに会った時、彼ら彼女らが、相変わらず楽しそうに「鋼錬」や「コナン」の話をしているのを聞いて、そういうふうに昔のことを話せたら楽しいのにな、哲学と小説と語学に振っちゃったな、「振り返ったら誰もいないや」状態に陥って、ショックでした。
鋼の錬金術師、アニメ見てないんです。そんな暇あるかーっ! て感じですよ。
閑話休題。
忘却録音(黒桐の妹、鮮花の話)の学園も、ほんとに綺麗で。昔、箱庭ものの小説を書いていた時は、深層意識でかなり参考にしていた気がします。閉鎖的な空間に、外の空気を入れるという手法は、「ひぐらしのなく頃に」の前原圭一の例を引き出すまでもなく、物語を攪拌する。
外の世界への行き方は、外の世界にいる人しかわからない。
「僕はいいよ。ずっとここで。待ってるから。いってらっしゃい」
「お前も行くんだよ。お前と行くんだよ」
「僕はいいよ。だって、僕がいなくなったらこの世界を知る人がいなくなるから」
「そんな人生でいいのかよ」
「僕はいいよ」
悲しいけど、僕はいいのだ。