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五冊目『ロックフェラー回顧録』

「府雨の読書日記」五冊目『ロックフェラー回顧録』


『ロックフェラー回顧録』

 著 D・ロックフェラー


 浪人している時、あまりに体調が悪く、本もまともに読めなかった。そんな中で、ふわふわと本屋に行き、買った一冊。


 文庫では上下巻あって、読めたのは上巻と下巻半分くらい。


 石油王ロックフェラーの孫が書いたものです。


 僕は名著だと思うのだけれど、やはり政治的な風当たりの強さからなのか、新潮文庫版は、もう新刊本屋では見当たらない。残念です。売れないのかな。


 伝記を読むのは好きです。今も『周作人自伝』を読んでいます。でも歴史小説は読まない。


 D・ロックフェラーさんは銀行家です。方々にパイプを伸ばし、様々なことをやる。


 不思議なことに、この著作では当たり前のことしか言っていないように聞こえる。当たり前というのは、齟齬のないというような意味。いわゆる自己啓発本とは、趣がかなり異なる。


 ウイスキーのように綺麗な琥珀色のイメージ。


 アメリカに貴族制はないけれど、とても貴族らしい雰囲気。


 真似をすることはできないけれど、自伝の中で語られたことを、記憶することはできる。貴族にはなれないけれど、彼の言葉を読むことはできる。


 鬱の時は、人の話を聞くようにしている。あんまり自分で考えてもいい結果は生まれないから。


 そういう時、本が読めたらと思うけど。


 浪人中同じタイミングで、乙川優三郎の『脊梁山脈』も読んでいた。これも、読了しなかったけれど、とても面白い小説だった。


 面白かったなら読了しろよという指摘は、非常に正しいです。でも、鬱だとなかなかそれも難しい。


 大学時代に病院の先生に、「夜寝られないんだったら、本でも読んだら?」と言われた。マジで泣きたかった。読めるかー!


 18歳から何年も、本読むのが難しい時期が続いて、最近ようやく高校時代みたいに、夜ベッドで寝転がって読んで、寝落ちするなんてことができるようになりました。


 本は好きです。これからも仲良くやっていきたい。

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