四十五冊目『わたしの上海游記 揚子江のほとりで本を読む』
「府雨の読書日記」四十五冊目『わたしの上海游記 揚子江のほとりで本を読む』
『私の上海游記 揚子江のほとりで本を読む』
著 夏申
こんにちは。
しばらく小説を書いてばかりいて、まとめて読書をすることもなく、たらたらと過ごしていました。
小説を日に何千字も書いていると、体力も持っていかれるみたいで、体調を崩し、それからの復活もまだ始まったばかり……。
ひと作品書き上げて、推敲をして、その小説は今寝かしています。
書き終わるといつも、これ、つまらないなぁ。と、悔しくも思うのですが、それでも、書きたい気持ちはいつも変わりません。
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この本の、コロナに関する記述を、僕は高く評価します。評価するなんて立場にはないのですが。
多くの日本人の作家が書くコロナの時の生活に、不満を持ち続けていたから。日本のコロナは情緒的すぎる。
この本では、少なくとも、記述の起伏はあるにせよ、事実ベースで記事が書かれていて、感情を読み下して消化する必要がなかった。すごいことです。味が単純でかみごたえがあって、文章として美味しい。
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(日本人の)大学の先生が書いたというのに、日本人の大学の先生感がなくて、今まで読んだことのない、際立って特徴的な文体にも、正直驚かされました。
翻訳物の論説を読むことが多いせいで、翻訳調の中でもある種の文体ばかり好みになってしまって、たまに読むと小説なんかを、受けつけなくなっている自分がいます。
そういう、翻訳をする先生ではないんだ!
上海には一度だけ行ったことがあります。上海万博も見たよ。
僕は、北京の方がなんとなーく好きですが、お金を稼げるようになって、一人旅し放題になったら、中国に旅行して、本を買うのが楽しみ。この本で紹介されていた上海の本屋に行くのが、これも楽しみです。
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本は、そこそこ買いますが、なかなか読み切るまでには至らない。この本は結構分厚いですが、サクッと読めました。
申し訳ないことに、僕は映画もサッカーも演劇もあまり興味がないので、書いている文章の四割くらいはよくわからなかったのですが、でも、かなり面白かった。
体調を崩していた時期の、実にありがたい寝物語でした。
昔、大学時代不眠だった時に、大学病院の先生に、「眠れないなら本でも読んだら?」という、アドバイスをいただいた時は泣きそうになりました。読めるわけない。そんな集中力あったら困らない。でも今は、「調子悪いんで、本読んで寝てます」と、胸を張って先生に言えます。
夏申というペンネームを見て、訳誰だろと思って、仔細に本を点検しても出てこない。
え? 中国人が日本語で書いたの? と思ったけど、見事に裏切られた。
いい本です。オススメです。




