ありきたりな感想を。(5)
さて、魔法の話はこれくらいにしておいて。
この2年であったことをざっと振り返るとしよう。
まずは私自身のこと。
今まではお父様とのトレーニングやフェルテ先生との魔法の授業ばかりだったが、5歳になった日からお母様とお茶会をすることが増えた。
お母様主催のお茶会には他の貴族のマダム方やその子ども達。そして各々2名ずつの侍女達がワラワラとやってくる。
そんな日は私もヒラヒラとしたドレスで着飾り、ジュエリーで装飾しお母様の横に座ってお利口さんにしておくのだ。
美味しいお菓子が目の前にあるのにがっつけないというのはなかなかに拷問である。
お茶会では大体この国の流行や社交界で話題になりそうな話、外の国から輸入される予定の物の話、ただの噂話など様々なジャンルのお話を聞かせてもらえる。
おかげで私もこの国の名前とか大きさとか大体頭に入れることが出来た。
それに最近では家庭教師もついて英才教育を施して貰っている。
お茶会や英才教育で教えてもらった事を軽くまとめると…。
この国はレガルス王国という人口が3億を超えるかなり大きな国である。
中世ヨーロッパ風の街並みではあるが、魔法により発達した技術は前世よりも使いやすい時すらある。
火をつけるとか、水を出すとか…。
科学ではなく魔法を使うことから、空気は汚されず水も綺麗だし木々もはげ山になることなく済んでいる。
環境的にはこちらの世界の方が圧倒的に住みやすいまであると思う。
そしてこの国の通貨はレグ。
1レグが小さな銅貨、10レグは大きめの銅貨、100レグは銅板、1000レグは銀貨、10000レグは銀板になり、最後に金貨1枚で10万レグ。
それぞれに数字と文様が彫られているのでパッと見てもわかりやすいのが特徴だ。
お金の数え方は前世とほぼ一緒なので凄く助かりました。
他にも色々言っていたような気もするけど、だいたいこんな感じの所を覚えておけばいい気がするのであとは割愛。
必要ならその時に思い出せばいいからねー。
そしてお茶会の他にあった行事と言えば、魔力検査だ。
この国では5歳になる年の春にその歳の子どもたちを教会に集めて魔力の量や質を測る行事がある。
そしてその魔力によって戸籍登録をするらしい。
私は魔力量はA、質はSと中々好成績を出した。
ごく稀に魔力が発現せずに手記での戸籍登録をする場合もあるらしいが、それはいい方の例である。
実際は魔力の無い子どもはいなかったとして扱う家もあるらしい。
この世界の大人たち恐ろしすぎない?
で、だ。
私が魔力検査をしに行った日。
出てしまったんですよ魔力なしの子どもが。
しかも手記での登録をせずに帰ってしまったものだから恐らくあの子どもはもう…。
この世界がテンプレのような世界なら、森に捨てられたり追い出されたりして良き大人に出会い将来この国を救う救世主とかになるのだろう。
何故そう言えるのか。
その根拠は3つある!!!
その1!魔力が無かった子どもは雷の七大貴族の子だから!!
その2!あの子どもからは微量ながらオーラが出ていたから!!
そしてその3!イケメンだから!!白髪金眼の!!イケメン!!
以上!!
オーラが出ていたのに計測されなかった理由?
だってオーラが出始めたのは計測が終わってからだもん。
元来、子どもは大人よりオーラを見ることが出来る。ほんの少しの魔力のオーラですら見えてしまう。
赤ちゃんが悪い大人に懐かないのはそういう観点からも理由があるらしい。
(Byフェルテ先生)
ちなみにそのイケメン君には双子の妹?がいる。
「情けないお兄様」と言っていたから恐らく妹だと思う。その子は金というより黄色に近い色の髪の毛に黄色の眼。
普通に魔力は発現していた。
もしかしてここは魔盲だったイケメンが世界を救うテンプレ的な世界なのか!?
かなり古くないか!?
私、出番なくない!?目立たなくない!?
俺TUEEEE系!!革命系!!カムバック!!
私も俺TUEEEEしたいよ運営さんー!!
こんな、ありきたりな世界でありきたりな少女は何を見つけるのか。
スーパー美少女エスターちゃんの活躍に乞うご期待!!!
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