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ありきたりな感想を。(3)

少し汚い模写が出てきますので、苦手な方はお気をつけください。



お父様に扱かれ続けて早くも1年が過ぎようとしています…。

その間に魔力操作をすることは1度もありませんでしたとさ。



初めの方こそヒィヒィハアハア言いながらトレーニングをして、ノルマをクリア出来なければ次の日に繰り越しとかいう鬼が悪魔なのかと疑いたくなるようなお父様とのトレーニング。



今ではすっかり体力もついてノルマもギリギリではあるが、クリアできるようになっている。

流石に毎週10ずつノルマを増やしたんでは途方も無さすぎて絶望するしかないと思っていたが、そこは流石にお父様も人間だった。

腕立て腹筋は上限100回ずつ、走り込みは50週で上限はストップした。

また今後増えていってしまう可能性は拭いきれないが、とりあえず今はその数で落ち着いている。



正直4歳の子にそのトレーニング量をさせようとすること自体が間違っている気もしなくもないけど…スパルタなスポ根お父様なので既に諦めている。

だって当の本人は私のノルマの数倍の数を余裕でクリアしているのを目の当たりにしているから…。



魔力操作の方はしなかった、と言うより毎日のトレーニングで体力が限界地点に達してしまって出来なかったの方が正解かもしれない。



そんなこんなで今日は体力が微々たるものではあるが残っているのでやっと……やっと!!!

魔力操作のお時間です!!!



ご教示願うのは東の方の魔法学園から遥々海を越えてやってきてくれた50代の女性

アンジュリーナ・フェルテ先生である。



フェルテ先生は学園の学年主任をしていたとても凄いお方なの出そう。

そんな方が何故私なんかのために来てくれたかと言うと…



「そりゃお給金が高くて待遇がいい方に行くのは当たり前だろう?」



だそうです。

さっぱりしてて良い先生…?なのかな?



そんなフェルテ先生の最初の授業は

《魔力操作聞くより慣れろ》の巻!!!



「じゃ、飛ばすからちゃんと受身を取るんだよ」


「え、飛ばすってなっ…アァァァアアアアイヤァアアアア」



フェルテ先生からの声がかかったと思った瞬間私は地面から引き剥がされ、万有引力もびっくりな高さまで浮遊魔法(仮)で持ち上げられたかと思うと急降下させられた。

つまり紐なしバンジー、安全装置なしのジェットコースター。



ブンブンと上に下にと持ち上げられては急降下を繰り返された私の体の中…具体的には胃の中はもうぐっちゃぐちゃ。ミキサーにかけられている感じ。

何が言いたいかって?

つまりこういうこと。



「おろろろろろろろろろろろ」


「なんだい、情けないね。ほらゲロともども操作してあげるから全部吐き出しちまいな。」


「まっ…ぉろろろろろろ……やめっ…げぇろろろろろろ…おろっろろろろろろろ」


「全く…貴族の娘が汚いったらありゃしないね。これで嫁の貰い手がつくのかねやれやれ」



とかお小言を言いつつも上下させるのを辞めない先生。

先生…!これなんの意味があるんですか!!

もうやめて!助けて!!児童相談所の方〜!!!




















────────────

─────────

──────

───














「ほら、シャキッとしな。大体のコツは掴めただろう?」


「………」


「返事はどうしたんだい?もしかしてまだ吐き足りないのかい?」


「いえ!大丈夫です!!」



コツってなに!?

吐き足りないとは!?お父様鬼とか悪魔とか言ってごめんなさい!!本当の悪魔はここにいました!!

討伐隊何をやっているのですか!!ここですよここ!!



「で?コツは掴めたんだろうね?」


「…その、大変言い辛いのですが、コツとはなんでしょうか…」


「はぁ、あんた才能ないねぇ。私が若い頃はこれで魔力の流れを感じさせてその流れのコツを掴ませるんだよ。」



急に激しくシェイクされてそんなもの分かるわけないでしょう!?

とは口には出せないのが悔しい!!

だって口に出したらまたシェイクされる未来が待っている気がするんだもの!!



「魔力の流れ、ですか?」


「そうさね。ほら、後ろ向きな。」



言われるがままフェルテ先生に背を向ける形で立つと、私の背中にフェルテ先生の掌がそっと添えられてそこから得体の知れない生ぬるいナニカが流れ込んで私の体を巡っていくのが感じられる。



「…なんて言うか、その…」


「気持ち悪いだろう?」


「…はい。」


「自分以外の魔力わ言わば異物。ウイルスや点滴に近い存在になるだろうね。

体の中に異物を入れるんだ。拒否反応が出る人もいるさ。まぁアンタは大丈夫そうだけどね。」


「えっ」


「そしてアンタの体を巡るこの気持ち悪いものが魔力を流れる回路になる。そこを意識して少しずつ魔力を巡らせてみな。」


「はい」



先生の魔力を追いかけるように…少しずつ巡る魔力を増やしていく。

すると次第に私の体が体内から熱を帯びてくる。



「今アンタの体は魔力と言う電気によって発電されてる状態だ。

その電気を体を伝って外に流してみな」



静電気みたいなイメージかな?

自分の掌や足の裏を媒体に外へと魔力を流していくイメージで…



「ふん、やれるじゃないか。

そのまま目の前にある石まで魔力を伝わせてその石が宙に浮くイメージをはっきりと持たせるんだ」



石に…魔力を…

あと少し…、…届いた!

そしてその石を浮かせる…さっき先生に散々シェイクされたから浮かせるイメージは完璧だ。

…もしかしてこのためにシェイクされたのかな?



「上出来だ。この歳で浮遊魔法の基礎を出来るとはやるじゃないか。

魔法を中断させたい時は伝わせている電気と電気の間をゴムやハサミで遮断する感じで魔力をプチッと切るのさ。上手い人だと回路から流れる魔力を少しづつ少なくして行くやり方もあるみたいだがね。

やりたいならどっちでやってもいいさ。」


流石、もと教師と言うべきか。

説明がとても分かりやすくて実行に移しやすい。

教えるのが好きなのか、元々のセンスなのか…。



ともあれ、私の魔力操作の第一回目はこうして幕を閉じたのだった。






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