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近くのステーキ屋さんでご飯を食べる事になった。


「コウさんはどちらから来られたんですか?」

アズマが訪ねてくる

 

「トルンからです」


「トルンからですか、トルンと言えば精霊石の加工で有名ですね」


「はい、俺も、3年前までは工場で働いてました」


「それは凄い! いい所に勤めてたんですね」


「そうですね、いいところと言えばいいところだったんですが自分には合わないなと感じてしまって」


「そうですか、まあ仕事が大変だとも聞きますからね

やっぱりキツイですか」


「そうですね、キツイと言えばキツイですね、ただキツイから辞めたって言うとまた違うかもしれません、上手く言えませんが」

仕事を辞めた理由を人に上手く説明できる気がしなかった。


アズマや妻のカレンがなるほどど頷いている。


「コウ兄ちゃんは精霊の使い方を仕事で覚えたの」

突然レンカが話しに入ってくる、興味深々という感じだ、精霊の話しがしたいのだろう。


「仕事は関係ないよ、部署によるけど精霊石の知識は教えられるけど精霊使いの腕と仕事は、あんまり関係ないからね」


「そうなんだ、じゃあコウ兄ちゃんはどこで覚えたの

不思議そうな顔をレンカがする。


「自分で、色々やってうちに何となくできる様になったかな、後は家の影響もあるな、家は精霊信仰の家だから」


「じゃあコウ兄ちゃんの家族はみんな精霊使いなの?」


「精霊使いの定義も曖昧だからね、職業としていえば俺も別に精霊使いじゃないし、まあでも、みんな普通の家庭の人よりは上手いと思うよ、そもそもトルン自体、精霊石を売りたいからから、ある程度精霊を使える前提の町づくりしてるから、平均レベルは高い気がする」 

精霊使いの定義は、明確に決まってない、精霊を使って仕事をする人を精霊使いという場合もあるし、精霊を使うのが上手い人を精霊使いという場合もある。


「なるほどね、そうゆうものなんですね、しかしトルンはさすがですね、精霊石の加工で有名なだけはあるりますね」

アズマが頷く。


「コウさんの家は精霊信仰なんですね、私の知り合いにもいますよ、精霊にお祈りしたりするんですよね」

カレンが口を開いた。


「はい、そういうのもありますね、自分はあまりしてませんが、ただ精霊に対する見方は一般とは違うかもしれません、常々精霊に対する感謝を忘れるなとは言われてきたので、そういう精霊に対する気持ち一つで精霊を使う上でのやり方も変わってくるのかなとはおもっています」

つい、真面目に答えてしまった。

ちょっとひかれてしまうかもしれない。


「なるほどな勉強になりますな、コウさんの話しは確かに精霊のおかげで暮らしが成り立っている、その感謝はしなくてはいけないかもしれないですね、レンカもちゃんと聞いていたか」

意外にもアズマはすんなり話しを受け取ってくれた。


レンカの方は

「うーん、何か難しいな、何かバーンとやってドーンって精霊獣倒して、そしたら何か精霊ありがとうみたいになるかも」


「ま、まあ、レンカはとりあえずそれでいいんじゃないかな、実際精霊獣と戦うのは危険も多いとおもうけどね」


「そうなんですよ、レンカのやつときたら精霊騎士団、精霊騎士団って危ないことばかり、勝手に家にある精霊石持ち出したり」

カレンが少し興奮気味に話す


そんな事をしていたのかレンカ、良くも悪くも元気な子供だ。


「ちぇ、だって精霊騎士団カッコいいし、お父さん達も精霊石触らしてくんないし、タケルくんなんて、もう自分の精霊石もってるんだよ」

レンカはふてくされてる。


「人は人、家は家の教育があるの」

カレンがレンカをたしなめる


精霊石を子供にさらわせるのは確かに慎重になるところだ、いつかは精霊石を使う時はくるので、慣れさせると言う意味ではいいが、確かに危険なものも多い。

小さい精霊石ならそこまで危険はないが、心配になる親の気持ちもわかる。


コウの家ではわりと、幼少から触らしてもらっていたが、それは家柄であろう。


「でもやっぱり使ってみたい」

レンカがしょぼくれて言う。


「仕方ないなお父さん達が見てる前ならちょっとだけならいいぞ」


「本当にお父さん、ありがとう」

レンカが目を輝かせる。

「ちょっと、あなたそんな事言って」

カレンが慌てて話す。


「いや、カレン我慢させて、また勝手に山に入っていかれても、かなわん目の届く範囲で行動してもらった方が安心だよ、今ならコウさんいるし、僕達より精霊石に詳しいでしょう、コウさんよろしければ、レンカに精霊石の使い方を教えてもらえないでしょうか、もちろん、その分の給料は払いますから」


「えっ! 俺がですか、それはもちろんいいんですが逆に俺でいいんですか、給料までくれるなんて」

俺はビックリして答える。


「もちろんです私達夫婦は精霊石は本当に最低限しか使えないし、精霊獣を止めれる人に教えてもらえるのなら、給料を払って当然だと思いますよ」


「そうですか、そこまで言ってもらえるのなら引き受けます」


「良かった、これで話しはまとまりましたね」

アズマは笑顔で頷く


その後4人で食事を終えると、アズマのパン屋に見学に行くことにした。


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