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 レンカと分かれた後、しばらくアイザルの町で暮らすための部屋を借りる事にした、ずっと住むわけではないので、簡易な部屋で良いので安い所を探して、何とか予算内に借りる事ができた。


借りた部屋で寝転ぶ、荷物もほとんど無いので狭い部屋だが困りはしない。


ふーと息をつく


疲れたな、気分転換に地元からアイザルにきてみたが

思いの外疲れた。

今日も精霊獣と戦うハメになったし。


何でアイザルに来たんだろ。

今更ながら自分で思う。


3年前に、コウは仕事を辞めた、精霊石の加工工場だった。

コウの地元の町、トルンは精霊石の加工で栄えている。

トルンの働いていた工場はそれなりに給料も良かったが、ひたすら精霊石を作り続ける日々に嫌気がさし、辞めてしまった。


それからは、のんびり日雇いの様な仕事をこなしながら細々と生きていた。


悪くない日々だったが、少し物足りなくもあった。

何となく、そう何となく旅に出ようと思ったのだ。


アイザルの町は簡単に行けるほど近くはなく、かといって、果てしなく遠くもない距離にあるので何となく選んだのだ。


何となく選んだアイザルの町で精霊騎士団なんてものに出くわすなんて。


近年精霊獣の問題はよく話題になっている。

そして精霊獣を駆除しようみたいな流れがあることが。


いや、昔から駆除の意見はあった、しかし精霊獣は普通の武器では倒せなかったので現実的に無理だったのか。

けれど近年の精霊石の加工技術の向上により、精霊獣の討伐が現実味を帯びてきた。


いつかは、精霊獣の討伐も行われるかもしれないと思ってはいたが。

現実に目の前で聞くと衝撃が大きかった。


コウは、近年の精霊や精霊獣について少なからずの不安を抱えていた。

精霊獣もそうだが、精霊石の工業化で、あまりに一般に精霊の力が普及してしまった。


この部屋の電気もキッチンも精霊石の力で動いている。

精霊石の普及により生活は豊かになった。

コウも精霊石なしの生活等できないかもしれない。

コウの使っている、精霊石もトルンの工場で作られだものだ。


何だかんだ、良い品質だ、大量生産でこの出来とはなと関心してしまう。


嫌で辞めた会社だが、学べる事は多かったし、楽しい事もあった。


結局は辞めてしまったが。

それは嫌だったのかもあるが、今の歯止めがないように前進している精霊石の工業化に不安を覚えたのもあるかもしれない。


いったいこの先どうなるのか、こんなにも安易に精霊の力を使いずつけて、世界はどうなってしまうのかと。


コウがこんな風に思ってしまうのは家系のせいでもある。


コウの家は代々、精霊信仰の篤い家だ、幼い頃から精霊の神聖さを教えられてきた。


あまりしっかり聞いてたつもりもないのだが、やはり世間の人とは精霊に対する見方が違っているし。


精霊石を使い精霊の力を借りているうちにも、実感として精霊の大切さを感じている。


だからコウは精霊の力を使うとは言わず借りると言っているのだ。





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