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アルフレッド英雄譚  作者: 昨夜名月
第4章 勇者アルフレッド、武勲をたてる
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第57話 エーテル14歳の家族㉗

 目を覚ますと同時にアルは跳ね起きた。自室のベッドの上だった。

 照明はついておらず、部屋は暗かった。ティナがかたわらに座っていた。


「ティナ、俺、どうしたんだ?」


 アルは記憶を整理した。

『瞬間移動』で地上に降りてからの記憶があいまいだった。


「寝ちゃったんだよ。すごく疲れてたみたい」

 ティナが言った。

「大丈夫?」


 どうやらベルと話しながら眠ってしまったらしい。


「あれからどうなった? エーテルは?」

「あたしもよくわかんないんだけど……」


 そう前置いてティナは、学院外から魔法使いが来て結界を張り直したことを説明した。


「もう、絶対に壁を抜けられないって。ベルが怒って無理やり結界に穴を開けたから、それでだと思う」

「ベルが怒った?」

「エーテルを助けに行くって。あんなベル初めて見た」


「そうか……」

 アルはベッドから抜け出した。

「今、何時くらいだい?」


「10時ぐらいだと思うよ。夜の」

 ドアが叩かれた。


「アルフレッド様。アーバンシ学院長がお見えですよ。お会いしたいそうです」

 ルックハットの声である。


 学院長? エーテルのことだろうか? 


 アルは部屋を飛び出した。


 リビングに降りていくと、そこにはアル邸に住む全員が集まっていた。

 ベルやデンバーまでいる。


 そしてソファには白髭に片眼鏡をかけた白マントと帽子の老魔法使いが座っていた。アーバンシである。


「エーテルを助けるめどが立ったんですか?」

 アルは勢い込んで言った。


 だからこそここに来たのだろう、と期待した。


 アーバンシは首を横に振った。

「めどは立っておらん。それどころか、我々は『白の塔』ごとあの魔法生命を消滅させることにした。明日、午後5時。学院の結界を解除し、『完全消滅魔法』を始める。1時間ほどで魔法は完成するそうだ。その間、魔法生命から生まれた眷属たちが学院外へでいかないように、君たちに協力をしてもらいたい」


「消滅? なにを言ってるだ」

 アルはアーバンシを睨んだ。

「エーテルがいるんだぞ。あんたたちの仲間だって……」


「1度、完全融合した『エナ体』を再び分離させるのは不可能なのだ。融合した直後ならばまだ可能性はあっただろうが」


 アルはエーテルの精神と接触していたときのことを思いだした。

 あのとき、確かに1度、エーテルは正気になった。彼女は外部からの干渉で分離した、と言っていた。


「それじゃ、あのときが、最後の……」


 エーテルを助け出す最後の機会だったのか。

 アルの怒りがしぼみ、代わりに後悔が押し寄せてきた。


 あのとき、アルはエーテルの手を握る手を緩めてしまった。


 エーテルの言葉がよみがえった。ティナの代わりに自分を選んでくれ、そう彼女は言っていた。


 一生涯、一緒にいてほしい、と。


 アルを好きだと言った。

 とても好きだと。


 それが恋愛感情のことなのか、あるいは家族愛のことなのか、アルにはわからない。


 だが、あのときアルは無意識に選んでしまった。

 ティナを選んでしまったのだ。


 たった1度だけのチャンスをみすみすふいにしてしまった。


「残念ながら協力はできませんね。私たちにはほかにやることがある。そうだろう、アル」

 ベルが笑顔をアルに向けた。


 アルはなんのことかわからなかった。

 どうしてそんな顔を向けるんだ、と苛立ちを覚えた。

 エーテルが消滅させられるというのに。


 そうだ。

 魔法生命ごと彼女は消滅させられる。

 明日の夕方に、魔法で。

 誕生パーティをする予定だったのに。


「アル、1時間は結界が切れるだぜ。私たちにはそれで十分だろ?」


 それでようやくアルはベルの意図がわかった。

 1時間。

 そのあいだにエーテルを助けに行こうというのだ。


「もう1度いうが、完全に融合した『エナ体』を分離させるのは不可能だ。そうトゥリスは結論づけている」

 アーバンシが言った。

「以前にもこういったことはあったのだよ。そのとき、魔法生命に吸収された者たちを助けようと、『無限の塔』は奮闘したらしい。おかげで多くの犠牲を払うことになったという」


「だが、そのとき吸収されたのはちび子じゃなかったし、助けに行ったのも私たちじゃなかった」

 ベルが言った。

「あいつは魔法生命に取り込まれたくらいでどにかなるような奴じゃない。それに私たちも不可能という言葉で諦めるような素直な人間じゃない」


 ああ、そうだ。ベルの言うとおりだ。


 不可能だからって諦めてたまるか。

 後悔している暇なんかあるもんか。


「俺たちはエーテルを助けに行く」

 アルは言った。


 強い眼差しで射抜くようにアーバンシを見つめた。

 止められるものなら止めてみろ、そんな思いで。


 ところが、アーバンシは破顔し、声をあげて笑った。


「さすが勇者とその仲間。ではお願いしよう、『勇者アルフレッド』」


 アルはアーバンシの様子に拍子抜けした。


 その後、アーバンシは学院の敷地に異形の魔法生命が徘徊していることや、塔から魔法の攻撃があること。

 塔の中内部ではマナが吸い取られること。魔法が無効かされることなどを説明していった。


「もちろん、状況は変わっているかもしれんがね」


 最後にアーバンシは深々と頭を下げて、去っていった。




 エルディンは暗い気持ちでグラスをあおった。

 強い酒に喉が焼ける。

 だが、飲めば飲むほどに胸の痛みが増してくる。


 ヤーマがフラフラと上体を揺らしながらエルディンのグラスに酒をつぎ足す。


 本に埋め尽くされた部屋。

 2人がいる丈の低いテーブル回りだけしか隙間がない。

 色気もへったくれもない。


 ヤーマの部屋である。

 2人がこの部屋で酒を飲み始めてから2時間以上が経っている。


 アーバンシから、『無限の塔』の魔法師たちとの対策会議の結果を聞いたエルディンは、絶望の底に落ちた。

 これ以上の犠牲を出さないためにも『白の塔』ごとリックを消滅させる。


「君たちのせいではない。ときに魔法は手に負えない暴走を起こすことがあるのだ。だからこそ、魔法を研究する者は覚悟を持って臨まねばならん」


「作戦に参加するのは魔導師から。君たちは休んでいなさい」そうアーバンシはエルディンとヤーマに言った。


 アーバンシが去ったあともエルディンは門の前に立ち続け、しばらく『白の塔』を見上げていた。


 同じく彼のそばに立っていたヤーマがクシャミをした。


「行きましょう。ここにいてもどうしようもないわ。寒いしお腹もすいてきたし」


 エルディンは頭を振った。


 声を出す気力すら無かった。

 ただ、家に帰る気にはなれなかった。

 家族が心配していることはわかっていたが、家族のぬくもりに触れてしまったら、泣き出してしまう気がした。


「ねえ、エルディン。良かったら、今夜は一緒にいない? も、もちろん、そういう変な意味じゃないわ。ただ、1人になったらいろいろ考えちゃいそうでさ」


「そうだな……」

 エルディンはつぶやいた。


「そ、そうね。やっぱりダメよね。わかってる。うん、本当に、いやらしい意味じゃなかったんだけどな」あははは、と乾いた笑い声をあげたあと、えっ? とエルディンの顔を凝視した。

「いいの? 私と一緒に夜を過ごすの? 本気? この私よ?」


「家には帰りたくない。1人になりたいが、行く当てもない」


「そ、それなら私の部屋に来る?」

 ヤーマは上ずった声で言った。

「もちろん、下心なんてなんにも無いわ。いくら私だって、こんな日になにかをしようなんて思わない」


 ああ、とエルディンが返事をしたので、ヤーマはいよいよ頭がパンクしそうになった。


「ほ、本当に? 本気?」


 こうして、ヤーマはエルディンを自室に連れ込んだわけである。


 実際、ヤーマに下心は無かった。

 タフな彼女でも今回のことは相当に応えている。

 より弱っているエルディンがそばにいるからこそ、騒がしくしているのだが、1人になれば怒涛のように後悔が押し寄せるのはわかっていた。


 なんだかんだといってヤーマもエーテルのことは気に入っていたのだ。


 それでも、恋心を抱いている相手が部屋にやってくるというシチュエーションには、参った。


 黙って座っているだけで嫌な汗が次から次へと流れてくる。

 沈黙に耐えらえず、なんやかんやと埒もないことを話すのだが、盛大に空回りする。


 結局、酒に逃げた。

 いつか恋人と一緒に飲みたいと20歳ごろに買っておいた高級な蒸留酒である。


「ねえ、いい加減、つらいことを考えるのはやめようよ。楽しいことを考えましょう」

 ヤーマの言葉にエルディンが薄く笑った。


「あんたは強いな」

「別に強くなんかないわよ。ただ、失敗ばっかりしてるから、切り替えが早くなっただけ。逃げるのがうまくなったのよ」


「失敗か」

 エルディンは自嘲の笑いを浮かべた。

「失敗と片付けるには、今回はひどすぎだな」


 酒のせいか、ようやくエルディンは自身の気持ちを吐き出し始めた。


「どうも浮かれ過ぎていたんだな。自分が重要な人間だと勘違いして、変に気負って。だから、副学院長の言葉に乗ってしまった。いや、人のせいにするのは良くないか。結局、選んだのは私だ」

「私たち、でしょう。何度も言うけどさ、私もあの子もきちんと納得したわ。全員で話し合ったじゃない。あなた1人の罪じゃないのよ」


「それでも、後悔せずにはいられない。どうして、もう少し冷静でいられなかったのかと」

 エルディンは顔をゆがめた。

「エーテル殿が危険を感じ取っていたというのに」


 エルディンが顔を手でおおった。


 ヤーマはそれを眺めながら、ふと、アルはどうしているだろう、と思った。

 もう、エーテルが待っている運命を聞いただろうか?

 それで納得できたのだろうか?


 ヤーマは首を振った。

 あの頑固者が納得なんかするわけがない。もう1度、助けに行くに決まっている。

 例え、不可能だと言われたって、アルは諦めないだろう。


「勇者か……」

 ヤーマはつぶやいた。


 本人は嫌がっているようだが、そう間違った敬称でもないのかもしれない。

 決して諦めない冒険者。

 誰よりも勇敢な冒険者。


 そうだ、私だって冒険者だ。

 エルディンだって。


 ヤーマはふいに天啓を受けたかのようにひらめいた。

 こんなところで後悔しているくらいなら、最後まで悪あがきしたらいいんだ。


「エルディン、私、思ったんだけど」

 声を高めて言った。


 ガタン、とエルディンがテーブルに突っ伏した。

 寝息が聞こえる。


 明日の朝、提案してみよう。

 きっとエルディンはその提案に乗るだろう。

 ヤーマはエルディンに毛布をかけると奥の寝室のベッドにもぐりこんだ。



 深夜、目を覚ましたエルディンは痛む頭を振りながら体を起こした。

 状況が分からずにポカンとする。


 すぐにヤーマの部屋で酒を飲んでいたことを思いだした。


 テーブル周りの散乱した様子を眺めて、さすがにこれは放ってはおけん、と片付けだす。


 そうしていると、昨日の出来事が思いだされてきた。


 酒を飲んで思う存分吐き出したせいか、少しは冷静になれていた。

 これからのことを思うと後悔ばかりもしていられない。


 恐らく学院からは追放処分となるだろう。これほどの事件を引き起こしたのだ。

 ひょっとしたらトゥリスからも除名されるかもしれない。


 だが、それも仕方がないと思う。

 エーテルを始め、学院の上級魔法使いたちを犠牲としてしまったのだ。


 冒険者として生きていくか。

 あるいは魔法使いから足を洗うか。

 どちらにしても、大きく生活は変わるだろう。


 なんにしても生き残ったのだ。

 恥をかきながら、後悔を引きずりながらも生きていかなくてはならない。


 玄関側のドアが開いた。


 ヤーマが入ってきた。

 てっきり隣で眠っているとばかり思っていたので意表をつかれた。


「起きてたんだ。さっき、ツンツンしたのがいけなかったのかしら」


 ヤーマは着替えていた。

 白いゆったりとした薄手のスモッグで、襟口が広いため、肩までのぞいている。寝間着なのだろう。


 濡れた金髪が照明の光を受けてきらめいている。


「なんだか眠れなくて、シャワー浴びてきたところなの。エルディンもどう? さっぱりするわよ」

 濡れた髪をタオルでゴシゴシとこする。「どうしたの? ぼうっとして。気持ち悪くなった?」


 エルディンの目の前に来て、顔を覗き込むヤーマ。

 シャワーで火照った肌が妙になまめかしい。


 酔いと散々に痛めつけられた自尊心のため、エルディンは妙に気を高ぶらせてしまった。


「おっ? えっ? ちょっと? エルディン、ちょっと、へっ」


 突然抱きしめられたヤーマは、状況に頭が追いつかずに戸惑った。


「ええ? ちょっと、どういうこと?」


 わけがわからずにそのまま押し倒される。


「エルディン? くくっ、くすぐったい。ひひっ、ひひっ、おわっ」


 ジタバタとしながらもされるがままになるヤーマ。

 彼女が思い描いていた色っぽいリアクションなどまったくとれなかった。


 しばらくして……。


「うっ、うおっ、ぐあっ、いだっ、いだだっ、死ぬ、死ぬ、ひいっ」と、すごい声が部屋に響いた。



  そして翌朝。一睡もできなかったヤーマは隣で横たわるエルディンを眺めて、はあっ、と息を吐いた。


 なんだかよくわからないうちにしてしまった。


 今まで、始めてはどんな風なのかしら、こんなふうなのかしら、とむやみやたらと想像していた。

 それがいったいなんだったのか、というほど実にあっさりと終わってしまった。


 もっとロマンとかエロスとか、そういう感じの要素があるものではないのだろうか。


 エルディンは酒臭かったし、無言だったし。

 おまけに途中で寝落ちするし。


 ともかく、少しでもロマンチックにしようと、頑張って眠るエルディンを寝室に引っ張ってきたというわけである。


 ヤーマはエルディンの裸の胸に手を置いた。ゆっくりと上下している。


 まあ、ともかく、した、わけだわ。

 エルディンと愛の営みを。


 ヤーマはエルディンの胸に頬をつけた。ほら、こんなことだってできちゃう。


 エルディンがうなったので、ヤーマは慌てて頭を離した。

 動悸が激しくなる。


 上体を起こして、ふう、と息を吐く。


 服を着ようかしら。

 でも、なんで服を着てるんだって感じになるかもしれないし。

 でも、あらためて裸を見られるの、なんか恥ずかしいし。


 などと、考えていると、エルディンがいきなり目を覚ました。

 昨夜、行為に及んだ際には酔眼だったが、今朝はスッキリとした眼差しである。


 長い黒髪をかきまわしながら、上体を起こす。


「その……なんだ…」

 ヤーマを見て、もごもごとするエルディン。


「待った。お願いだから謝ったりしないでよ。そんなことされた惨めになるんだから。わ、私だってね、一応、わきまえてるわよ。昨日はいろいろとあったし、お互い、普通じゃなかったわけでだし。酔ってたし。だから、これを機に恋人になろうなんて言ったりしないわよ。でも、私は初めてがエルディンで良かったって思ってるんだからね。欲を言うなら、キスから始めてほしかったけど」

 ヤーマはそっぽを向いて早口で言った。


 その背中にエルディンがおおいかぶさった。

 うおっ、とヤーマはおかしな声をあげた。


 エルディンの唇がうなじを撫でる。


「ちょっと待って」

 ヤーマは体をねじってエルディンに向き直った。


「もう1回するなら、キスからがいい」


 ヤーマは目を閉じて唇を突き出した。

 力み過ぎて顔がこわばり、しかめつらのようになっている。


 エルディンはおかしさをこらえながらヤーマの震える唇に唇を重ねた。

 そうして2人はベッドに倒れこんだ。


 2回目はエルディンはとても優しく慎重で紳士的だった。

 そしてヤーマはエロスを意識しすぎたせいで、おかしな声や奇怪な動きばかりしていた。


 終わったあと、2人は互いの顔を眺めながら、わずかに首をかしげあった。


 エルディンはなぜこんなことになったんだろう、と思っていたし、ヤーマは今ので良かったのかしら、と思っていた。


「不思議だな」

「えっ、なにが?」

「あんたが、なぜか可愛く見える」


 ヤーマの顔がみっともないほどニヤケけた。


「その顔はどうかと思うが」

「エルディン、私、がんばってもっといい女になるわ。その、あんたにふさわしい女になってみせるわ」


 鼻がつきそうなほどの近距離で決意表明するヤーマ。

 エルディンの顔に唾がかかる。


「まあ、あんたはそのままでいいんじゃないのか。私もかなり慣れてきたし」

「もう、エルディンたら優しすぎよ。愛してるわ」

「アングルにもう少し気を配った方がいいんじゃないか? 鼻の穴が迫ってきて不快なんだが」


 キャッ、と手で顔をおおう。

 その拍子に肘がエルディンの顎を打った。


「ごめんなさい。痛かった?」


 エルディンは顎を押さえて、頷いた。


「キスをしてもいい?」


 このタイミングで言うのか? とエルディンは思ったが、目を閉じてせまってくるヤーマの顔を押さえて(あらぬほうにずりずりと進んでいった)口づけをした。


 濃厚な口づけのあと、ヤーマはまただらしないほどにニヤケた。


「キスっていいわ。愛を感じられるわ」

「それはなによりだ。そろそろ起きよう、いつまでもこんなことをしているわけにもいかない」

「エルディンのそういう真面目なところ好きなの」


 ベッドから出たエルディンは気持ちが前向きになっていることを感じた。

 自分の犯した罪としっかり向き合っていかなくては。

 リックの消滅を見守ろう。


「『完全消滅魔法』をそばで見届けようと思う」

 エルディンは振り返った。


 ベッドで片膝を立てて髪の毛をかき上げているヤーマが目に入った。

 ほうけた顔が妙に愛らしくて、エルディンは見とれた。


「なにか言いたいことがあったんだけどなあ」


 ヤーマは、う~ん、としばらくうなったあと、あっ、と大きな声をあげた。


「そうよ、エルディン、アルよ」


「アルフレッド?」

「ねえ、アルが諦めるわけないじゃない。絶対に、もう1度助けに行くに決まってるわ。私たちも一緒に行きましょうよ。最後までやるだけのことをやりましょう」


 エルディンが勢いよくベッドに飛び込んできたので、ヤーマは悲鳴をあげた。


 エルディンはヤーマを抱きしめると、熱烈なキスをした。


「あんたは最高だ。最高の女性だ」

 エルディンが興奮して言った。

「あんたがいてくれて良かった」


 ヤーマはたくさんの愛を感じた。


 顔も体も真っ赤。

 のぼせてしまいそうだ。

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