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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

テーマに沿って書いてみた

正義の戦争

作者: のか

 「やれっ!やれぇーーー!」


敵の戦闘車がバキュンバキュンと音を立てて迫ってくる。こちらも緊迫した面持ちで、銃を構える。


「3、2、1……!」


ドバババババンッ!!


 敵に向かって力強くかつ的確に撃つ。敵が次々に血を流して倒れていった。


 お国のために闘う。これが俺の「正義」だ。




 そして、敵が鎮まると、俺たちは持ち場へ引き上げた。夜の者と交代し、少しばかり眠りにつく。


 目を覚ましたのは、薄暗い朝だった。他の者はまだ寝ていたが、俺は悪い予感がした。


 ドクン、ドキュ、ド、ドカ




 ドッカーンッ!!! 





 その大きな轟音に、みんな目を覚ます。


「大変だ!空襲だぞっ!」


 ドガ、ドキュドキュ


 俺は、仲間の誰よりも最初に爆撃機に近づくために、街をがむしゃらに走っていった。住民たちが逃げる方向に逆流して、肩を色んな人にぶつけながら走る。走りながら銃に弾をこめていると、


「あっ!!!」「うわあっ!!!」


誰かとぶつかってしまい、思わず後ろを振り返ると、小さい男の子が寝そべって転んでいた。そして、その子は泣き出す。


「チッ!」


とても苛々した。早く爆撃機を追わなければならない。だから、その子を無視して先を急いだ。







 ドカーンッ!






 すると、後ろで爆撃音が聞こえたので、足を止めて慌てて振り向く。


 




…………俺がさっき走ってきたところが、火の海だった。






 頭が真っ白になり、目の前のメラメラ燃える火を呆然と見つめる。今までたくさん、お国のために頑張ってきたボロボロの足が、膝から崩れ落ちた。







 同時に、俺の「正義」が叩き壊される音を聞いた。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「お国」と便利な言葉だ。 実態のないもののはずなのに、大切なもののように感じられる。 本質から目をそらさせるためのミスディレクション。 戦争が仕掛けた叙述トリック。 「正義」という名のカモフ…
[良い点] 正義とは何なのでしょうか。 目の前の男の子を守るのか、国を守って国民全てを守るのか。 主人公は自分の正義が間違いだと気付いたのでしょうか。 難しいお話です。 考えさせられるお話を読ま…
[良い点] 返信ありがとうございます♪ もちろん良い方ですよ! 色んなテーマの作品を読めるのは刺激になって楽しいことですし! 幅広いテーマに挑戦しようとする姿勢を見習いたいです!
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