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ヴィジターキラー  作者: 反物質
第六章 「完璧主義者(パーフェクショニスト)の魔王は、仇なす者全てを徹底的に蹂躙す」黒鉄徹
68/110

6-9

『捕らえられていたNo.1はどうだ?No.2』


『ようやく連絡が取れた。No.3』


『なんと言っていた?No.2』


『“意外にも快適だった”そうだ。No.6』


『意外だな。相当な苦痛を味わうと思っていたのだが。No.2』


『ああ。もしかしたら今の主よりも“素質”があるのかもしれないな。No.5』


『“素質”?ということは奴こそ“真の英雄”と言うことなのか?No.4』


『そういうことだろうな。奴は“異世界の英雄”でもあり“龍紋”を持っているからな。No.7』


『それは違うぞ。No.4』


『どういうことだ?No.2』


『奴が“龍紋”を持っていなかったとしても、No.1は奴を選ぶ可能性があったということだ。No.4』


『成る程。同じ“異世界の英雄”でも“素質”には差があると言うことか。No.2』


『それも違うぞ。No.7』


『どういうことだ?No.2』


『そもそも“異世界の英雄”である事が条件ではない。その立場を以てどう考えるのかが重要なのだ。No.5』


『理解不能。解読できる言語で説明せよ。No.2』


『今の主では、もはや“英雄”たり得る者ではない、ということだ。No.6』


『益々以て理解不能。我らが主の何が不満だというのか。No.2』


『失礼を承知で逆に問おう。我らが主はどのような人物だ?No.3』


『・・・・・・・・』


『解答を求める。No.3』


『・・・・・・・・全てに怯え、汚れることを拒み、しかし傲慢な精神を御することもできない、哀れな者だ。No.2』


『そうだ。傲慢・憤怒・色欲・嫉妬・怠惰・強欲・暴食・・・・・“7つの大罪”などと言われている性質を全て併せ持つ。そんな人間である。No.3』


『だが、そういう奴はどうなのだ。No.2』


『奴はお世辞にも潔白な人間とは言い難い。他人に無理強いすることも厭わず、我を通し、殺生さえ躊躇しない人物だ。だが・・・・・』


『だが、何だ。No.2』


『それらは全て“調和”に帰結している。自らに十字架を科し、守るべき者のためならばどこまでも冷徹になり、それでいて深い慈愛の精神をも持ち合わせている。清濁併せ持つ、理想的な人間像の一解答だと言える。』


『慈愛の精神だと?そんなものが奴のどこにあるのだ?No.2』


『奴自身が十字架に縛り付けているのだ。奴は自分の存在意義を十字架として背負い、自身の幸福こそ罪だとして封じ込めているのだ。No.7』


『何とも哀れな人間だな。No.2』


『そうだとも。No.3』








『常に自身と向き合い、苦悩し、それでも“調和”を計ろうとする、哀れな者よ。だがそういった人間こそ、“英雄”と呼ぶのにはふさわしいだろう。そう思わないか?一同』


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