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輝いています
奈津子は信じられぬ思いで、その音を耳にした。何度も打ちならされた、その音を。
茫然と立ちつくしている亮。ライトに照らし出された、その姿が光り輝いている。
横にいた伝次郎がリングに駆け上がって行く。淳史が、ヤマさんが。
奈津子はふわふわする感覚に足を踏み外さないように、しっかり踏みしめるように足を踏み出した。
リング上に立つと、伝次郎たちに抱きしめられる亮を見つめながら、左手とそこにある指輪を包むように、そっと抱きしめた。
目の前には亮の笑顔がある。温かな瞳がそこにある。
奈津子は、指輪を指からはずし、かざすように亮に向けた。
おばちゃん。やったよ。亮がやってくれたよ。




