幕間3 ブラコンシスターズ
今回もよろしくお願いいたします!
ここに二人の妹あり。
今宵お話しますはそんな妹たちの、妹たちによる、兄のことについてのお話。
私は今、自室にて友人と緊急事態について話すところだ。
「というわけで、誠に遺憾なことながら、私のお兄ちゃんに”彼女”が出来てしまった……」
「どういうわけなのさ、いいことじゃないの? 松葉先輩に彼女さんが出来たのは」
「いいわけないでしょ、結城! 裕吾さんに彼女が出来ても同じことがいえるの??」
友人というのは、兄の友人、鶴間裕吾さんの妹で同い年の鶴間結城のこと。 この結城、周りの人達からは「スポーツ万能な子で兄離れ出来ている、というか嫌っている」と思われているが実際のところは、私と同じくらい兄を慕っていのだ。
「絶対ゆるさな。 と、というか、あんなバカにぃに彼女とかできるわけ無いし!」
「でしょ、私もそう思ってたの。 私は普段からベタベタくっついて歩いたりしてたから、周りにはシスコン野郎とか思われてたと思うから、そんな人に告白する人いないと高を括っていたんだけど……現れてしまった」
悔しそうに言いながらポテチを食べる。 結城はチョコレートをつまみながら「この前カラオケ一緒に行った、竜胆先輩でしょ? 優しそうな人でいいじゃん」と言う。
「いいわけないでしょ、というか余計だめ! お兄ちゃんが選んだ人を悪く言いたくないけど、あんまりに酷かったら説得しようもあるけど…………」
口に出したものの認めたくない気持ちが前に出て口を閉じてしまう。
「竜胆先輩はあまりにも酷くなく、文句が付けられないと」
結城に言われてコクリとうなずく。
「は〜〜、わかっていたけどさ、葵って重症だよね」
「結城には言われたくない」
「う、うちはそんなことないし!!」
ポッチーを噛み砕き先端を落としながら反論する結城。
(その必死さが怪しいね)
内心ほくそ笑む。
「まあ、そんなことはどうでもいいとして。 竜胆先輩をどうしたらいいのか、私はどう行動したらいいのかを相談したいんだよ」
「どうでも良くないし! っても相談ね〜、松葉先輩が選んだ人なら認めるしかないんじゃない? 行動は〜…知らない」
なんとも曖昧で大雑把な回答。
相談する人選違えたかなっと思いつつも結城以外に相談できるほど仲がいい友人はいないし、どうしたものか。
「は〜、どうしよう」
「私の答えは無視かい」
「そういうわけじゃないけど、ほぼ解決してないじゃんそれ」
「うん、たしかに」
二人で悩む。
ポリポリとお菓子を食べて、ジュースを飲む。
「あ、ならこういうのはど〜?」
結城がお菓子を口に咥えながら、人差し指を立てて言った。
「まず、この家に竜胆先輩を呼びだして、花嫁修業と称して色々やってもらて粗を見つけるの」
「お兄ちゃんの花嫁は私だし。 けど粗ね〜、見つかんなかったら?」
「その時は……認めるしかないんじゃな?」
「却下だね」
そんな感じに竜胆さ先輩のことや、互いの兄について話しながら、ぐだぐだと友人と過ごす放課後なのであった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
幕間も残り僅か。 幕間後に登場人物紹介を投稿したら次は第2章です!
第2章も読んでいただけたら嬉しいです。 今後ともよろしくお願いいたします。
次回予告!
『姑葵』




