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プロローグ 僕と君の出合い

よろしくお願いいたします。

 日が沈むのが段々と早くなりつつある10月の放課後、特に用事もなく時間を持てあましていた僕は、屋上に行き椅子に腰掛けゆっくりと流れる雲を眺めていたら、眠ってしまっていた。

 市内の室外スピーカーから懐かしいメロディーが聞こえてきて、眠りから覚めそうになった時、連続の突風と共に温かな熱が押し寄せた。 その熱は、とても心地よく誰かに抱擁されているかの様だった。 ここ数年感じることが無かった自分以外の温もりに驚いたが、それ以上に嬉しくて懐かしくて、目を再び閉じてその温もりを全身で味わっていた。



 突然の温もりに驚愕した瞬間、目を開けて見えた、沈む夕日よりも赤く紅く燃え上がっていた世界。沈む夕焼けを染め上げる真紅の炎、幻想的で綺麗だった。 



 しかし、心地よい温もりは直ぐに消えてしまった。 僕は慌てて椅子から飛び起き、どこからあの温もりがやってきたのかを探して周囲を見てみると、僕の真後ろにある屋上の入り口の前で、顔を青くして後退る一人の女生徒が立っていた。


「う、嘘……だ、誰か人がいたなんて、私知らなくって……………え? でも、生きてる? 何で? 」


 狼狽えて数歩後退して、今度は驚き怯えているように見えた。本来なら「どうしたの?」とか声をかけてあげるべきなんだろうけど、だけど、僕は質問せずにはいられなかった。


「君が……君が、さっきの温もりをくれたの?」

「え? ぬ、温もり?」

「そう、温もり。 あの暖かな紅い炎は貴女の力ですか?」


 正面を向き女生徒に問うと、僕のことを見るなり赤面して、手で顔を隠して怒鳴った。


「へ?………な!? な、なんでも良いから、服を着てください!!」

「何でも良くはないんですよ! 僕にとっては大事な事なんです! 答えて下さい、貴女の能力なのですか? どうなんですか? 」

「後で何でも話すから、そんな格好で近寄らないで! お願いだから! せめて前を隠して! やめて~!」



            *



 ―――これが僕と君の出合いだった。 今思うと中々の変態ぶりで思い返すのも恥ずかしい、穴があったら入りたい程だ。 しかし、この時君が目を瞑ればいい話しじゃないか? やめてと言いながら結構チラ見してたし、案外君はムッツリだ。

 時折この日の事を思い出してしまう、何故かって? そりゃあ決まってるじゃないか、君の摂氏1000度を超えるクシャミ包まれた、あの時、あの瞬間から僕の凍りついていた世界はまた動き始めたのだから。



はじめまして、もさです。

処女作・『彼女の想いに触れる距離』やっと投稿です!

今までは設定を考えるだけで、こうして形に出来るとが凄く嬉しいです。

プロローグすっごい短かったですが、最期まで読んでいただき、本当にありがとうございます。


これから頑張って行くので、よろしくお願いいたします。


次回タイトル!

   『妹のいる暮らし』

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