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大切なものを守るため。  作者: 椎名 真琴
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ep.1 「過去なんて」

「全人類に告ぐ。我が艦よりわずか3光年の距離に敵大船団を確認。一般市民は急いで地下シェルターへ避難!宇宙航空船団戦闘飛行部隊は直ちに出動準備!!」


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西暦2158年。地球人を含む3種族の人類は宇宙を彷徨っていた。


事の始まりは西暦2148年に遡る・・・。

「全地球人に告ぐ!我らが地球よりわずか3光年の距離に敵大船団を確認。一般市民は急いで地下シェルターへ避難!地球防衛船団第1飛行部隊は直ちに出撃!」


そう告げたのは第1飛行部隊大佐のバルドゥール=チェリウス大佐(19歳)。彼は幼いころから操縦技能を買われてきた男だった。そのため飛行部隊所属からわずか5年で大佐へ昇進している。


なぜ、彼が地球人を避難させたのか。それは、ただ3光年先に敵大船団がいたからではない・・・。

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「なんだ!?いったい何が・・・」世界中の天文学者は口を揃えてこう言った。


「なぜ一日の時間が短くなっている・・・?」と。



そう。バルドゥールが人々を避難させたもう一つの理由。それは・・・。

「地球の時間が変わるほどの時間の歪み」だった。

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「バルドゥール!一体これは何が起こっているんだ!」

大佐である彼にこんな口を叩けるのは無論。この男しかいない。


アロイス=アルント(25歳)。彼は第2銀河第3惑星「アルント王国」の出身である。部隊の中尉を任されている責任感の強い男だ。


「どうやら3光年先の敵大船団がアレを使ったようだ。」低い声で、はっきりと大佐は言う。

「アレ とはまさか・・・」少々驚きを隠せないアロイス。無理もない。


「そう。全宇宙憲法で緊急時以外の一切の使用を禁じられている『重力波発生装置』だ。これは、光をも飲み込んでしまうブラックホールのおよそ6倍の重力を生み出す装置・・・。つまり超光速である我が船団の戦闘機を持ってしても脱出は不可能・・・。」目を瞑り、さらに声のトーンを落とし、大佐は言った。


「じゃあ、一体どうすれば・・・」アロイス中尉が口を開きかけた時だった。


「アーダルベルト!ブリーフィングだ。早く来い!」大佐が叫ぶと1人の若い青年。アーダルベルト=アベーユ(18歳)が姿を見せた。


「大佐、まさかアーダルベルトを・・・」中尉が気難しい表情をしている。

「当たり前だ。地球人を守るのが我々地球防衛船団の任務だろう?」間髪入れずに大佐は言う。


「・・・。」

「アーダルベルトは先の戦争で父母を失っています。これ以上彼に何を失えと!?それに・・・彼には最も守りたい人がいるはずです。」数秒の沈黙を破り中尉が発した言葉に周囲は黙り込んだ。


「・・・君は。君はたった一人の女性と全地球人、どちらを守るのかね?アーダルベルト=アベーユ。」嫌みのように大佐は語りかける。


「俺は・・・」

「俺は、彼女を守りたい。けど・・・前の戦争で父母を守ろうとした結果、2人とも亡くしてしまった。あの時俺は大佐の指示を無視して自分の守りたいほうを選んだんだ。もう二度とあんな過去なんかと同じことを起こしてはならないんだ。」熱く、感情をこめて、大佐の目を見つめて話す青年の目は・・・まさしく獲物を狙う獣とでも言えそうだった。






「過去なんて・・・あんな過去なんかと同じことなんて二度と繰り返すものか・・・。」




次回ep2「守るべきもの」

私、実はSFを書くのこれが2作目です。


前作は登場人物名など全く考えておりませんでしたが今作は違います。

みんなドイツ語ですがね・・・

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