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冷める雨

Ωバースなら、捨てられた地上の方が最適



雨街Ωバース


雨が降っている。いつも通りの事なのに、今はそれがひどく寒かった。

畳の上に蹲る体に、外からの冷気がひやりと撫でてゆく。

ずるずると体を起こし外へと身を向ける。昼でも暗くじっとりとしたこの世界は、目を楽しませる彩ある花など存在しない。

温まった室内の空気は、窓を開けた瞬間霧散して、外の冷気が部屋の隅まで色を濃くしてゆく。

体に付けられた跡も、全部冷たく消してくれたらいいのに。

それが彼の微かに残った願いだった






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