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第五話 入学拒否?

「言葉の通りに受け取って構わん。

 今から入学テストを行うわけじゃが、質問はあるかな?」

 顎鬚を弄りながらそんな大事な事をいきなり言われても困るよな。

 いや、マジで。

 第一ここは将来国の運営に関わる人間しか入学する事が出来ないんじゃなかったのか?

「良いのかよ。

 俺みたいな得体の知れない奴を入学させて」

 学園長には俺が異世界人だと言う事を話していない。

 信じてもらえないと言うのも大きいが何より、ルスティーナに強く口止めされているからだ。

 理由は詳しく教えてはくれなかったがな。

「ハハハハ!

 相変わらずお前は面白いの……得体なら知れておるじゃないか。

 バルト国国王ルスティーナ女王の執事、館 正嗣じゃろ? 違うかね」

 俺とチェスしている時に見せる真剣な表情とは違う。

 重く底知れない気迫がこの爺さんからぶつけられる。

 時折見せるこの爺さんの真剣な表情。

 まるで全てを見透かされたような感覚だ。

 老いぼれても王たる風格や威厳は老いてはいないと言う事か……

「……そうだな。

 確かに得体は知れている。

 だが俺は――」

 俺は元居た世界に帰らないといけないんだ――

 その言葉が喉まで出掛かるのを押し込めた。

 これは言っちゃいけない。

 これは俺一人の問題なんだ。

 俺はいつかこの世界から居なくなる。

 別れが辛いと言いたいわけじゃない。

 多くの人と関わればそれだけ大切な人を作ってしまう。

 その大切な人を今度は俺が置いていく事になる。

 それは得策じゃない。

 だからこそ人付き合いも少なくするべきなんだ。

 だから俺は学園には行かないし、もとより試験を受ける気はない。

「迷っているのかね?

 それにお前には資格も資質もあるから誘っているじゃ」

 資格と資質だと? 

 なんの事を言っているんだこの爺さんは。

「この学園は国の運営に関わる者達が集められ学園生活を送っておるのは知っているじゃろ?」

「ああ、それは知っている。

 王族や貴族、騎士や豪商のボンボン達だけが通っているんだろ」

「うむ。

 確かに合っているが、それだけではないの。

 国と言う物は王族や貴族、騎士や商人達だけで回るはずがないじゃろ。

 ちゃんと平民の子もおるわい」

「そうなのか?」

 マジか。

 平民からこんな学園に来るなんてどんな奴だよ。

 きっと気骨のある人物だろうな。

 そうじゃないとやっていけないだろ。差別とかあるだろうし。

「そうじゃ。

 平民の子でも一定のテストをクリアすることが出来れば入学が許可される。

 ちなみにテストをクリアしてこの学園に見事入学する事が出来た子はお前も知っている子じゃぞ?」 

 誰だ?

 思いつかないぞ。

 ルスティーナ……なわけないし。

 もしかしてサラか?

 レスニアさんは年齢的に無いな。

 そしたら――いや、でも……まさかな。

「ミリヤとスーヤ姉妹じゃ」

「マジかよ。

 スーヤはともかくミリヤが平民だったなんて――」

「いんや、この姉妹は二人とも戦争孤児じゃ」

 なんだと。

 あの明るい二人が戦争孤児。

 何かの間違いだろ?

 世界は平和なんだろ何であの子達が孤児になんてならないといけないんだよ……

「何のために十三国協定があるんだよ!」

「全くじゃな。

 だが、戦争孤児と言っても国と国の争いでは無い……魔神憑きとの戦争なんじゃ」

 聞き覚えがないな。

 なんだそいつは。


少し長書けました。明日も投稿します。

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