第四十二話 魔力枯渇の原因
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俺は木剣を構え、ドロップライナーへ突っ込んでいく。
何度か木剣で打ち合いをした後、俺は隙を見つけ腕を捻り上げ地面へ投げ飛ば――
あれ?
なんで俺の体が浮いているんだ?
俺は軽い浮遊感と共に地面へ叩きつけられた。
受け身も取れずに悶絶する。
「はい時間切れ」
ふざけるな。
なにが時間切れだ!
あれ、なんで消えたんだ?
「ドロップライナーはね。
飴を吐き出すか口の中で溶け終えるとその効果を失って、元の魔力障壁に戻ってしまうのよ」
俺は自分の口から飴が消えていることに気が付いた。
そういう事か。
「朝の訓練はこれまでにするわよ。
もう朝食の時間だし、何より勉学に支障をきたす訳にはいかないわ」
「ありがとうございました」
立ち去るリフィアの背にそう言葉を紡いだ
最初の頃に比べたら、大分ましになった方だと思う。
駄々漏れだった魔力を押える訓練ではひたすらリフィアに魔力を吸い取られ。
次の魔力障壁ではリフィアに破壊され続ける障壁を即座に修復し再構築する作業を魔力切れ寸前までやらされた。
正直、リフィアを相手にするよりも気が楽だと言える。
アイツ手加減を知らないからな。
「お疲れ様でしたマサツグ」
俺が起き上がると、桜花が駆け寄ってくる。
錬度を上げる。
それはつまり俺の魔力を安定させ、魔力を均等に供給する事で錬度を上げると言う物。
俺はてっきり熟練度かと思っていたが。
更に言えば、俺が造り出した桜花にも問題がある。
桜花は俺が最強を思い描いた剣だ。
だが、そこに落とし穴があった。
俺の理想と俺が供給出来る魔力の大きさの違い。
高い理想を掲げて剣邪を造りだした場合。
それに見合う魔力を常に供給しなくてなならない。
故に、魔力に自信の無い者は折れない剣とか、曲がらないとか、どれか一つに絞る。
だが俺はと言うと――
その刀に切れない物はなく、刃毀れする事もない強靭さ。
加えてその美しさは陰る事無く輝き続ける。
俺の前に立ちふさがる者を薙ぎ倒し。
俺にただ勝利を捧げろ。
これを聞いたリフィアは呆れていた。
はっきり言おう、欲張りすぎたのだ。
その結果――
俺の駄々漏れの魔力を押える事と魔力量を増やす事を念頭に訓練を受けている。
魔力量を増やすという事は、リフィアへの供給も増えるという一石二鳥な結果だ。
そう、俺はリフィアとも契約しているために今の段階で魔力量はカツカツ、それどころか足りないほど。
「ああ、ありがとう桜花。
でも本当に良かったのか?
朝食の用意をさせてしまって」
この訓練をするにあたり、俺は執事の仕事全般を桜花にやってもらっているので、俺は訓練に集中できる訳だが。
「色々な経験を積む事が私の血肉になる……
そう思っているのでマサツグは気にしないでください。
それよりも、四姫がお待ちですよ」
「そうか、わかった。部屋でシャワーを浴びたらすぐに食堂に行くよ」
四姫とは、ルスティーナ、ヤザフ、ミリヤ、スーヤの事だ。リフィアも桜花も彼女たちをそう呼んでいる。
理由は良くは聞いていない。
色々と怖そうだからだ。
俺は桜花と肩を並べながら寮へと帰って行った。
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