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第二十四話 従騎士(エスクワイア)

PV4000アクセス突破しました。

愛読感謝。

「ルスティーナが自分で言い出した事ですよ。

 俺はそれに従っただけですが?」

「私、何か言いましたっけ?」

 俺の言葉に首を傾げるルスティーナ。

 もしかして、覚えてないのか。

 だったらしょうがない。

 思い出させて上げよう。

「私が寝ている時はもう入ってこないでください。

 そう、命令されたはずですよ」

「そう言えば言ったような気が……

 でもそこはあえて――」

「さあ、ルスティーナ様。

 朝食を食べて学園に行きましょう。

 今日は正嗣さんの初登校の日ですよ」

 ナイスホローミリヤ。

 そうだぞ、早く朝食をとって学園に行こう。

 遅刻してしまうだろ。

「そうでしたね。

 マサツグいい従騎士(エスクワイア)になるのですよ。

 私の執事として恥ずかしくない活躍を期待しています」

 従騎士か……俺の元いた世界と指している意味が同じであるなら知っている。

 騎士の前段階でまず宮廷や貴族の館で仕事をして、大体14歳くらいで従騎士エスクワイアとなる。

 一人の騎士を主人(俺であればルスティーナだな)に使え、身の回りの世話から、戦場への甲冑の運搬、武器の修理や、戦いの際に主人に甲冑を着せることまでを1人でとり行なう。

 ようは召使のようなものだ。

 今の俺そのものだが。

「詳しく説明するなら、そうですね……。

 従騎士とは、執事、メイドといった召使が騎士の心得を持って主人に使える者のことで、近衛騎士のようなものです」

 なんだ。

 俺の知っている物と変わらないな。

「さらに、従騎士は剣邪を帯刀することをゆるされているし。

 ただの騎士になるより、従騎士を目指す者が圧倒的に多いのですよ」

「ルスティーナ、剣邪ってなんだ?」

 従騎士は俺の知っている物と少し違いはあったが、剣邪は初めて聞く言葉だ。

 それを持っている事がすごいことなんだって事は理解できたが。

「ルスティーナ様。

 時間も押してきていますし、食堂に移動しながら説明された方がいいかと思います」

「そうね。マサツグ。

 剣邪については食べながら話しましょう」

 そうだな。時間が勿体ない。

 時間は有効に使わないとな。

「分かりました。じゃあ食堂に移動しましょう」

 俺達は食堂に移動する。

 この移動中に分かった事だが、ミリヤとスーヤも従騎士になるために勉強しているらしい。

 なるほどな。

 だから、朝食の手伝いをしてくれるのか。

 ようやく意味がわかった。

 人間、自分に得がないと動かないからな。良く分かるよ。

「さてと。剣邪についてですが――」

 食堂についた俺達四人は、朝食の乗ったトレイを手に席に座る。

 食べ始めて間もなくルスティーナが先程の説明を始めた。

 剣邪とは、魔神憑きへ攻撃を与える事の出来るこの世界唯一の武器だ。

 その形状は様々で持ち主の性格、魔力、資質が大きく現れると言う。

「個性的で力のある剣邪と言うなら……

 アシヲス・グラン・バルシアが造った剣邪……

 いえ、王剣がまず上げられます」

「う!」

 ゴホゴホ! 食べ物が違うとこに入っちまった。

 いきなり俺の死前名を言わないでくれルスティーナ!

 心臓が止まるかと思ったぞ。

 はあ、ようやく落ち着いてきたぞ。

「そんなに凄いことなのか?」

「ええ。本来、剣邪は製作者からの魔力供給が絶たれる。

 また製作者が亡くなると姿を消してしまうの。

 それが譲渡された物であっても例外ではないのよ」

「それなのに。

 王剣は消える事なくこの世界をさまよっているっていわれているんだよ。

 なかなかホラーじゃね?」

「そう、だから始末に終えないのよ。

 確かに魔神憑きを殺す事が出来るほどの力を秘めているのは分かるのだけど。

 その力が強すぎて魔人と一緒に山を二つ消し飛ばしてしまった――

 なんて事例が幾つかあるわね」

 マジか。なんか……

 アシヲスのヤツはついでに王剣を世の為に造った人格者だ!

 とか言っていたが。

「はた迷惑な話だな」

「まさにその通りよ……

 王剣のせいでバルト国にある金山が一つ消し飛んだんだから!」

 それは痛いな。ルスティーナ泣いていよ。

明日も6時に会いましょう!

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