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第十話 俺の話を聞け!

PV1000アクセス達成しました!!


 俺は恐る恐る剣に手を伸ばした。

 やっぱりあの時の剣だ。

 でも何でこの剣が俺の部屋に?

 まあいいか、明日にも元の場所に戻してこよう。

 きっと大騒ぎになっているに違いないからな。

 長年抜けなかった剣が急に無くなったんだから。

 部屋の中に置いていても邪魔なので押し入れに投げ込んでおこう。

 押し入れを開けて壁に剣を立てかけて、手を放した瞬間――俺は何かに手を掴まれた。

 声こそ上げなかったが、驚いたのは確かだ。

 何故ならその手の主は昼間の全裸少女だったからだ。

「なに……どういう事?」

 ようやく出た言葉がこれだ。

 我ながら情けない。

「今更なにを言っているのよ。

 当然でしょ……あれから六十年間も絶食状態だったんだから」

 平然とそんな事を言ってのける少女。

 え、六十年も飲まず食わずで……いや、そんな人間いてたまるか!

「だから……六十年分もらうわね」

 俺の唇に何か当たった。

 それが少女の唇だという事に気づくまで少し時間を要した。

 何分そうして唇を合わせていたか分からない。

 体の力が抜け、意識が朦朧としてきた時にようやく解放された。

 俺は膝から折れるように床に倒れる。

 な、なんだ。力が入らない。

「ふう……満足、満足」

「おい、俺に何をしたんだ?」

「何って、魔力供給を繋ぎ直して魔力を貰ったの。

 ついでに再契約もね。

 まったく、私との契約を切るなんてどう言うつもりよ!」

 腕を組んで床に倒れている俺を見下ろす。

 少女は全裸からいつの間にか赤い服に身を包んでいた。

 サービス終わりかよ。

 もうちょっとこう……いや、そうじゃないだろ!

 コイツは一体、何者なんだ?

「いつまで床で寝ているのよ。

 さあ、起きなさい。そして私の話を聞きなさい」

 腕を掴まれ引き起こされる。

 まだ足に力が入らないんだが。

 そのまま椅子に座らせられた。

 少女はベッドに腰を下ろし、足を組んで怒っているんだぞ!

 的な雰囲気を漂わせている。

「いい。私の体を一体何人の男達に触られたと思っているの!

 まあ、時には女もいたけど……最終的にはリリアンに蹴られるし、まったく散々よ。今度会ったら泣かしてやるんだから!」

 一人盛り上がっているところ悪いんだが、いい加減――

「俺の話を聞けよ!

 俺はアシヲスじゃない、俺は館正嗣だ!」

「何を言っているの?

 声も顔も魔力の質も一緒――そんな人間いたら怖いわよ!」

 クソ、どうすれば信じてもらえるんだ!

「その辺にしておいてやればリフィア。

 その人はアシヲスじゃないよ」

 おお、アグネス! 助かったぞ。

 でも人の部屋の窓を玄関よろしく入ってくるのはやめような。

 コラコラ。土足で人の部屋に入るなよ!

 一応、寮内は土足だけど俺の部屋は土足厳禁だぞ!

「誰かと思えばアグネスじゃない。

 今アシヲスに説教している所だから後で話を聞くわ――」

「だからさー、アシヲスはハールとの戦争で死んじゃったんだよ。

 でね。目の前に居るのはマサツグ。

 アシヲスの方が男前だっただろ?」

 おい。俺が不細工みたいに言うな。

 これでも元の世界ではモテ……――ごめん、嘘です。

 モテた事ないし、彼女も居なかったです。

 彼女いない歴=人生ですが何か?

 と言うか自分で言っていて何だけど凹むわ……

「言われてみれば。

 アシヲスの方が確かに男前で気品溢れる感じがあったけど、この男からは気品のきの字も感じられないわね」

「でしょ。アシヲスの方がカッコよかったよ」

「おい、俺をいじめて楽しいか?」

「すねないでおくれよ。本当の事なんだよ」

 今の言葉が一番俺の精神力を削ったぞ……

「で、コイツは一体何なんだ。アグネス」

 俺はアグネスにベッドに居座る赤い少女についての説明を求めた。

「この子はこの国に現存する王剣三本の内の一振りで名をリフィア。

 炎の属性を持つ王剣だよ」

「余計な事を言わないでくれるアグネス。

 私はコイツを主と認めていないわよ!」

 おい。なんてやつだよ。

 自分で勝手に契約結んでおいてこの言い草はないだろーが!

 俺は元の場所に戻したのに追いかけて来たのはお前だろ。

 まったく人の話は聞かない上、自己中とか最悪な王剣だな。

アクセス数。大変励みになります。

また明日もお会いしましょう。

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