水底にある力が眠る場所は役目を終え、その姿を現す
お久しぶりで、マダオ万歳です。取り敢えず、言い訳は後書きでさせてください。
大変お待たせいたしました、短いですが本編の方をどうぞ。
重い
一言で自分の状態を表すならそうなのだろう。体がひどく気だるく感じた。意識もはっきりとしているのか夢の中なのか全く区別がつかない。まるで力なく水の中を漂っているような感じだ。身体の感覚もはっきりしていない。生きているのか、死んでいるのかもはっきりしていない。
けれど、ひとつだけはっきりしていることがある。彼が生きていたということ。私の中で、世界の中で、死んでいたはずであった彼が、私の前にまた姿を現したということ。当の昔に忘れ去られた筈の彼。虐められて、虐められて、虐められて、裏切られて。私が、虐めた。私が、虐めた。私が、虐めた。私が、裏切った。
私が、壊した
何度謝ったて、どんなに時間が経ったって、どんなに忘れ去ろうとしたって、許されないことぐらい分かってる。それでも、謝らずにはいられないの。
森・・!!しっ・・・・く・さ・!!
彼にあんなことをさせた私に、彼にあんな仕打ちをした私に、生きてる資格なんて本当はあの時からなかったのよ。彼をあんな目にあわせた私に夢を見る資格なんてなかったのよ。
・さん!!しっかりし・・・・・!!
いっそこのまま、死んでも構わない。もう、今更だけど。それでも、このままのうのうと生きているよりはマシだと思う。光秀。私、あなたに嘘をついてる。けれど、私は、あなたが大人になるまで傍にいてやりたかった。私の大切な弟の宝物として、ずっとその成長を見届けてあげたかった。それだけが、私の望みだった。それでも、やっぱり私にそんな資格なかった。彼を見捨てたあの日から。ごめんね、ごめ
「森さん!!!!しっかりしてください!!!!」
自分の名前を誰かが叫ぶ声が聞こえ、森の意識は暗い水の底から急に引き戻される。そして彼女は、微睡みながら自分の目を開けると、自分の知っている普段の落ち着いた雰囲気とは違い、顔中に冷や汗を流しながら必死な表情を浮かべている磯部が目に入った。
「磯部……くん」
「よ、良かった。目、覚ましたっすね。いくら呼びかけても起きないから流石に心配しましたよ」
流石にという言葉を妙に強調しながら、磯部は森の両肩を掴んでいた手を離し、汗ばんでいた顔を袖で無理やり拭き取った。彼の荒い息遣いを整えているのが森はすぐ近くで感じられ、自分のことを相当心配してくれていたみたいねと、暗い意識の海の底から助けてくれた彼に対して彼女は感謝した。
「……磯部くん、ありがと。私、結構な時間、気を失ってたみたいね」
「お互い様っすよ、自分もさっきまで気失ってたんっすから」
そう言いながら、磯部は自分の額を指差す。若干、赤く腫れているのが目に取れ、海底に海鳴りが激突し、彼が気絶した際についたものだということが分かった。彼の大きなため息の音を感じながら、森の意識は徐々に起きいき、それと同時に、そもそも、なぜ自分が気を失っていたのかを思い出していく。
「……磯部くん、取り敢えず私たち無事ってことだけど、うみなりの損傷ってどれぐらいなのか分かる?」
「あ、はい。外傷は、さっき外に出て確認してみたっすが擦り傷と凹みぐらいで他はカメラがやられてるぐらいでした。落下、って表現かちょっと分かんないっすけど着地した場所が良かったみたいで穴は空かなかったみたいっす。あ、因みに言うと、通信機器の類は全部ブッ壊れてるんで、調査船に乗ってるチームがここに上陸してくるまでは、ま、取り敢えず足止めっすね」
何時もの落ち着いた状態に戻った磯部は、手を未だに赤く腫れている額に当てて、お手上げ状態のポーズを取った。そんな、磯辺を見ながら未だに起きている最中である自身の頭を回転させる。自身がうみなりに乗り込んで、竜宮と記されていた場所になんの障害もなく無事に辿りついた。しかし、竜宮内部を探索しようとした際に異変が生じた。それと同時に、海鳴りの操縦不能に陥り、何とか海底に落ち着くことができた。そして……。
「それで、磯部くん。確か、私たちがうみなりでポイントAに着いて、調査を始めようとしたら、急にポイントAにあった街そのものが浮上したのよね」
「計器の故障だと信じたくなかったっすけどね。受け入れたくはないもんっすね、結局、その直後に自分は気絶して気がついたら、この有様ですよ」
そして、磯部は立ち上がり森に背を向けて操縦席の後ろの天井についてある入口用のハッチに手をかける。
「一応、聞くけど。ここって、潜水艦の中よね。しかもその潜水艦、今現在深海にいるはずよね、いるはずよね」
「2度確認しても無駄っすよ。諦めてください、森さん。現実を受け入れることも大事っすよ~」
どこか間の抜けたような声を発しながら、そのまま磯部はハッチを開けた。開けた瞬間から、うみなりの中を陽の光が埋め尽くしていくの。そして、今まで暗い場所にいたせいかその光がとても眩しく感じられ、森の視界がぼやけていく。
「森さん、出てきてみてください。呆れるくらい良い景色っすよ」
海鳴りの外から磯部は森に対して話しかける。どうやら、陸に乗り上げてるってのは、冗談ではないみたいね。そう思いつつ、ぼやける視界の中、磯部の声に流されるまま森は未だに覚醒しきっていない自分の体を起こして、陽の光が差し込むハッチに向かって手をかけ、そのまま外へと出ていく。
「……流石に、これほどのことは、今までどの調査チームも経験したことないでしょうね。私たちが最初ってことかしら」
「ですね、流石にこれは驚きましたよ」
「初体験ってやつよ、感想はどう?」
「こんな状態にもなって軽口がたたけるのは、取り敢えず流石と言っときますよ。そうっすね、初めて嫁と夜のお遊戯を体験した時よりも肝が冷えたと言えましょう」
「逆に、こんな状態にもなってるってのに下ネタぶっ込めることに対して流石と言っとくわ。ていうか、初夜に何があったのよ」
気絶した自分の意識を覚醒させるのにちょうどいい程の潮風がうみなりから体を出した森を向かい入れた。風に混じって潮の臭いが彼女の肺を満たしていき、意識がどんどんと覚醒していく。同時に自分の眼下に広がっている光景がはっきりと写りこんでくる。
「……まあともかく、あの現象がこの遺跡のトラップだったんすね。全く、あんな仕掛け、というよりもあれだけの深度から浮上するなんて。おまけにこの街を覆っていた岩のドームも無くなってるところを見ると、東京ドームと同じ原理だったぽいっすね。どんな動力とカラクリを使ってるのか、これから内部を調べるのが楽しみっすね。ホント、泣きたくなりますよ。超先進文明の技術はホント変態じみてますね」
「毎度のことでしょ、彼等の技術の変態っぷりは。もう慣れたわよ。さっき磯部くんが言ったとおり、現実を受け入れのも大事よ」
ですね、諦めたようなため息混じりのそんな言葉が返ってくる。まあ、確かに目の前のこの光景見ればそうなるわよねと、森も驚き半分諦め半分であった。
「しかし、こんなモノが今まで日本のすぐ近くの海の底にあったなんて、誰も知らなかったし、知ったとしても到底信じなかったでしょうし、受け入れなかったでしょうね」
「盲点でしたね。深海にあったからこそ、誰にも気づかれずに政府のやつらは隠し通せてたんでしょうし。はあ、これからの事考えると頭痛いっすね。また、徹夜地獄に逆戻りっすね」
そんな呆れる彼女の眼下に広がるのは、先程まで海底の奥深くに沈み、深い眠りについていた海底工業都市。海底では暗くて全体図が余り把握できなかったが、こうして見てみるとその大きさがどれほどのものなのか、彼女たちは理解した。絶海の海に広がる趣ある風景は、首都全体と同じ広さがあるのではないかとさえ彼女たちは感じていた。それほどまでの大きさだった。長年、海の底にあったにも関わらず、あまり侵食が目立ってなく、恐らく街ができた当時と大差ないくらいに建物の形状は保たれており、更に、森たちの眼前、街の中央と思われる部分には首里城のような形状をした巨大な建造物が建っており、それに続く大きな坂道のようなものが見えていた。
「でも、だからこそ気になるのよね」
「……タイミングが良すぎる、って話ですよね」
呆然と眺めながらであるが、森は先程まで寝ていた頭を起こして思考する。自分たちが『龍海歴』の解読が進み、この海域のことが発覚してから日本政府に調査の許可を求めたのだが、理由は不明であるが日本政府は頑としてこの海域の調査を許可しなかった。それが、つい2ヶ月程前に急に許可が下りたのだ。当然、森たちは不思議に思ったし違和感も持った。しかし、主任の説得と国連からの圧力に屈したからという理由を聞かされ、納得のいかないまま今日に至ったのだ。だからこそ、今回の事態に遭遇して改めて疑念が生じていたのだ。
「態々、調査の日取りや時間まで今回は向こうが指定してきた。通常は自分たちが決めて、現地の政府もそれに合わせるのが通常なのに。そして、この現象。まるで、今日ここにおいてこの事態が発生することを知っていたかのような感じってことっすよね」
「……知っていたのよ、今日こうなるってことを。全く、ウチのチームに死人が出たらどうするつもりだったのかしらね」
「お得意のもみ消しですよ、不慮の事故ってやつで。まあ、俺たちもそれを承知で来てるんっすけどね」
自分たちが抱いていた疑念が間違いではなかったことを悟った磯部はただ広い海底工業都市を眺めながら再び、大きな溜息を漏らす。また嫁に殺される、と投げやりな言葉を零しながらうなだれる。しかし、そんな磯辺をほっておいて、森は彼とは別のことを考え始めていた。
(だったら、日本政府は、彼が生きていること、そして今日この場に訪れることを前もってある程度知っていたとうこと?)
深海で、僅かな間ではあったが再開することのできた存在。自分が到底償うことできない罪を犯してしまった存在。今日という日まで、懺悔の悪夢に苛まれ続けていたのは言うまでもない。しかし、存在が生きていたとは別に気づいてしまう。その存在が、生きていたという事実を日本政府は知っていたという事実。そして、今日、その存在がここに現れるということを予め知っていたということ、そのことが頭の中でうずまき、深い思考の海へと再び森は落ちていく。
(でも、だとしたら何故、彼が生きているということを知っておきながら今日まで放置していたの?彼が生きていれば、自分たちの身が危うくなることぐらい分かっているはず。手を出せない理由でもあったというの)
もし、仮にあの戦いで森の想像している存在を殺しきれていなかったという事実を日本政府が知っていたとするならば、自らを真っ先に殺そうとするであろう存在を今日まで生かしておく理由はない。それにも関わらず、その存在を抹殺することもなくあまつさえ自分の首元まで侵入を許している。ということは何か考えがあってのことか、もしくは何らかの理由で手を出すことができなかったのかだ。そう彼女は結論づけた。
(それじゃあ、日本の政府の目的って……)
「あ、いました!!!!先輩、磯部さん!!!!」
思考の海に入っている森と磯辺の後方から、元気で明るい女性の声が、不意に聞こえてくる。その声と共に、多くの足音が慌ただしく自分たちの方に歩いてくるのを感じた。
「磯部くん、森くん。大丈夫ですか」
「先輩、磯部さん!!!!無事でよかったです!!!!」
その叫び声の聞こえてきた方向を向いてみると大きな二つのメロンを揺らしながら走ってくる茶髪の小柄な女性と、サングラスをかけ、調査用の国連専用の服に身を包んだ如何にもお堅い風貌な背の高い人物が後ろにかなりの人数を引き連れて来るのが見えた。
「相変わらず素晴らしいまでのデカさっすね。家の嫁も微笑ましがってましたよ」
「全く忌々しい、野河の一族は皆揃って大きいものをぶら下げて、微笑ましいもんよ」
「胸って、やっぱ大きい方がいいんっすか?」
「まあ、女のステータスみたいなもんよ。持ってないよりはマシ、ってことよ」
「……貧乳でもある程度のじゅよ」
「そこから先を言ったらハッ倒すわよ」
先程まで、深海で命の危機に直面していたとは思えないような前向きな会話をしている2人。そんな、2人に目掛けて一目散に走ってくる彼女たちの後輩、野河 涼は彼らの前まで来ると両手を膝につけて息を整え、森の眼前まで顔を近づける。
「先輩、磯部さん!!!!無事でよかったです、急にうみなりの信号が消えて、少ししたら海が盛り上がって、もう訳が分かりませんでしたよ!!!!」
「……取り敢えず、落ち着きなさい。あと、顔が近いわよ。まあ、こっちは無事よ。で、そっちはどうだったの?」
「あ、はい。この街が海中から出てきたときに船が波の影響で横転仕掛けましたが、怪我人も出ることなく無事でした。船の方は計器の方が幾つか故障しましたが、今クルーの皆さんが修復中で、航海自体には支障が無いようです」
運が悪ければ死んでもおかしくなかった状況でお互いの無事を確できて、取り敢えず森たちはほっと胸をなで下ろした。
「……お取り込み中の所、すみません。森くん、磯部くん。無事でよかった。こちらの状況は、先程野河くんの言っていた通りです。それと、先程、本土に待機している別のチームに連絡をとって応援に駆け付けてもらうように要請しました」
「政府の方には、連絡しなかったんすかっ? 」
「日本政府の方にも連絡しました。時間は少しかかるようですが、軍の特別チームを此方に向かわせるようです」
「事案が事案なだけに、海上保安庁では無いみたいですね」
「……取り敢えず、軍の奴らに締め出される可能性があるっすね。ちゃっちゃとやること済ましちゃいましょ」
「同感です、先程連絡した際に調査の中止を言われましたが、我々の活動権は国連が保証してくれているので無視しましょう。逆に言えば、此処の存在をある程度政府が把握していたとするならば此処に彼らにとっての何かしらの機密情報に値するものが存在するはずです。彼らに奪われる前に調査を開始しましょう」
そう言い終わると、主任と呼ばれた男性は自分の後に控えているチームのメンバーに遺跡の調査を開始するように指示を出す。
「皆さん、時間がありません。要点だけ言って、後は自分の判断で行動してください。まず、ここの周辺の調査から始めます。ある程度の調査が住んだ後に、我々の前方にある、あの巨城の調査に向かってください。森くんと私は、先に巨城の方に向かいます。それと、船の後方につけてきた遺跡調査専用のDT、フロンティアが2機、まもなく到着すると思われるので皆さんは、フロンティアの到着と同時に城に向かってください。罠があると思われるので、各自罠探知機を忘れないように常に注意していてください。野川くんは、ここでメンバーの集めたデータの編集をお願いします。軍が封鎖する前にできれば、あの城の内部まで侵入したいと思います。皆さん、よろしくお願いします。」
主任の話が終わり、メンバーは返事をしてすぐに潜水艦の周辺の建物や路地へ360度に散らばって消えていき、野河は主任の後方に置いていた自身が持ってきた機材用のバックからパソコンを取り出して立ち上げていく
「すみませんが、2人に聞きたいことがあります」
そして、一息ついている森と磯部に先程まで指示を出していた主任が話しかける。
「……お二人の信号が途絶えたと同時に、深海で異常な揺れと熱源を私たちの方で探知しました。しかし、我々の方ではそれを最後にモニターなどの全てにノイズが走り、そちらの状況が一切把握できませんでした。深海で一体何があったのか聞かせていただけませんか、それと何か不自然な点はなかったでしょうか?」
先程、森たちを乗せたうみなりが深海にて海底工業都市の怪異に遭遇した時、上の船でうみなりの動向を確認していた就任たちであったが、突然、うみなりの情報を写していた画面にノイズが走り、そのまま確認不能に陥ってしまっていたのだ。そのこともあって、森たちが深海で何を体験していたのか全くわかっていなかった。
「取り敢えず、自分たちがポイントAの内部に入った瞬間に深度のメーターが異常な速さで浮上していることを示したのが分かって。その際に殆ど海鳴りの方も操縦不能で自分が何とか、海底の正確には街のこの場所に着地させた感じでした。いや、本当に着地した場所が良かったおかげで助かりましたよ」
主任に自分たちが、この場所についた時のことを話し始める磯部。しかし、彼自身も海鳴りが街の道路と思われる場所に着地した際にその衝撃で気絶してしまいその後のことが一切分かっていなかった。
「森くん、磯部くんの話は取り敢えずこの場所に海鳴りを着地させた所で終わっていますが、君はその後のことを話せますか」
「……はい、私は着地の際に気絶することはなかったのですが、計器の確認が大体済んだ所でもう一度、大きな衝撃が襲ってきて、私もその際に気絶しました。計器の確認の際にカメラが幾つか死んでいたので着地の後の映像は、海鳴りの方にも記録されてありません」
僅かな空白、常人には決して気づくことないような間を空けて話し出す森。一瞬だけ躊躇ってしまったのだ。
「……そうですか。磯部くん、君は野河くんと共にデータの編集の準備を手伝ってください。森くんは、君は私と共に、先にあちらの見えている城の方に向かいます。フロンティアが来たら、メンバーを連れて我々を追って来てください」
しかし、主任は問い詰めることはなく、磯部たちに指示を出した。その指示を聞き、磯部は急いで海鳴りの近くで機材の準備をしている野河の方へと走っていき、森は、手に遺跡調査での専用の罠探知機を手に持ちながら城の方に通じる細い道へと歩を進める主任の隣を着いていった。
「森くん、君は何かを隠す際に少しだけ間を置く癖を直したほうがいいですね。ホンの少しの間とはいえ、あれでは尋問された際に簡単に気づかれます」
磯部たちのいる海鳴りから少し離れた道まで歩いてきた、主任がタイミングを見計らったように自分の隣を付いて歩いている森に向かって話しかける。森も、その言葉をある程度予想していたのか1つも表情を崩すことなくそのまま歩を続ける。
「……すみません、あの場では少し言いづらかったもので」
「別に構いません。君がボロを出すのは珍しいですから、そのぶん出た時の癖が印象に残りやすい。余程のことがあったと思います」
2人は会話を続けながらも歩くペースを緩めることはなく、海鳴りのある場所から見ることのできた城に通じる大きな道に向かって進んでいく。
「しかし、ここでは敢えて問いません。クルーの中の何人かに我々のことを監視するような仕草をとっていたのが目に入りましたので」
一瞬、森は驚いた表情を浮かべたが直ぐ様険しい表情を浮かべる。自分の中で考えていた事の最悪な場合に近づいたことを理解したからだ。
「日本政府の者ですか、それとも」
その問に、主任は分かりませんと短く答えた。只、主任がそう答えたと同時に2人は先程まで歩いていた細い路地を抜けて、周りの建物を見渡すことのできる大きな道へと出て、そこで一旦立ち止まる
「どちらにしろ、今日此処で今まで我々が体験したことが全て発生すると、予めある程度把握している者が、あるいは組織がいるということがこれではっきりと分かりました。そして、君が海底で会ったはずの彼という存在の行動をある程度把握し、監視しているものがいる。今後のことを話し合うために一度、メンバーを秘密裏に召集する必要がありそうですね」
急ぎましょう、時間がありません。その言葉を言い終わると、主任は自分の正面に続いている大きな坂道を遠くの方に見える巨大な城に向かってペースを更に上げて歩き始め、森もその後に続いて歩を進めた。そんな彼らの頭上に広がる空は、これからを起きることをまるで予期しているかの如く風が強さを増して吹き始め、荒れ始めていた。
如何でしたでしょうか?更新が一年ほど途切れてしまい、申し訳ございません。理由として、リアルがちょっと忙しすぎて更新することができませんでした。待ってくださった方、本当にすみませんでした。おまけに、本編全く進んでないです。短いです。
しかし、リアルが落ち着いて更新できる時間が取れるようになりましたので次の更新は年内出来ると思います。努力します。
すみませんが、これからもこんなダメ作者ですが読んで頂ければ幸いです。
では、次回の更新でまたお会いしましょう!!!!