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咎人よ龍であれ 出逢いの章  作者: マダオ万歳
1/6

人外が咎人となった日

 


 ここへお越しくださった方、初めまして。

 

 マダオ万歳といいます。


 大学受験生です。


 このお話は、にじファンの方である作品とのクロス物で書いていた主人公の外伝物の本章にあたる話です。 


 まだ、文章力が低いため読みずらいところが多々有ると思います。


 申し訳ございません、私の力不足です。


 それでも、この作品を楽しんでいただければ幸いです。


 それでは、咎人よ龍であれ 出逢いの章 


 プロローグ 人外が咎人となった日をお楽しみください!!!!!





 


 一人だ


 何時もの笑い声も、俺の名を呼んでくれる声も


 何も聞こえない

 

 死んでしまった、全員死んで


 俺一人が、生き残ってしまった


 分かっている、今更悔いても遅いぐらい分かっている


 そんなことしたとしても、何も変化しないし、帰ってもこない


 そんなことは、分かっている


 後悔なら、後でいくらでもできる


 分かっているし、理解している


 だから、


 だから今は、


 ただ、


 この怒りをも通り越した、何かに従って







 窓の間を素早く突き抜けるかの様な鋭い音をたてながら、冷酷な風が黒と赤の二色に染まった大地を駆け抜けていく。重々しい黒い雲に蒼穹の空は遮られ、温かな陽の光も届かず、草木は枯れ、生命の息吹と思われるものは、何一つ感じられないほどのものだった。しかし、その地には今、そんな禍々しい全てを否定しようと、多くの強き意思を持った勇者たちがこの地に満ちていた。ある者は、仲間を目の前で殺されて、またある者は愛する者を守るために、またある者は還るべき場所へと還るために。




 しかし



 もうそれも無理かもしれない



 遅すぎた



 何もかもが



 様々な想いが錯綜するがそこにいる者たちは、正義という一つの旗の下、世界の破滅を食い止める為に立ち上がって己が手に剣を持った。その結果、彼等は破滅に勇敢と立ち向かいそれ故に、多くの友と仲間を失った。



 憎い



 全てが憎い



 殺したいのに



 壊してしまいたいのに



 しかし、それでも、それでも勇者達は自分たちの信じる正義と死んでいった多くの仲間の想いを胸に刻みつけて、世界の破滅と戦い続けた。しかし、彼等は、知らなかった。知らされなかったし、知ろうともしなかった。



 どうして


 どうしていつも


















































 届かない



 自分たちが、本当は、何と戦い、憎み、罵り、奪っていたのかを。



 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 二色に染められた大地の上に、鎧を纏った龍のような顔を持つ巨人たちが立ち、円を書くようにして小高い丘を取り囲んでいた。その数は、如何程のものだろうか、大地は埋めつくされ、最早数え切れないくらいのものであり、彼等の手にはそれぞれ黒色の細長い筒の様な物、即ち、巨大な銃を手にされていた。そして、その銃口は、ただ一つの方向に、丘の天辺にいる憎むべき破滅の現況へと向かって突きつけられていた。



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 突如として、身の毛もよだつような何かのけたたましい咆哮が冷たい風に変わって大地を駆け抜けた。嘆き、怒り、そういった感情を全て一つの言葉という生地に練りこんだかのような叫びであった。


 武者の様な、重々しい黒の鎧にその身を包み、その鎧に蒼いラインを刻み、丸く膨らんだ肩の装甲からは黒と白の混同した立派な角が3本、額の部分にも鬼のような立派な2本角を持った龍の顔を持つ巨人。本来ならば、その様な立派な姿をしているはずだった。


しかし、今の巨人の姿は、その姿とは遥かにかけ離れていた。全身に、その身に合うような大きさを持つ、槍、刀、剣、多種多様な武器を突き刺され、胴体を貫通しているものもあり、身体のあらゆる箇所から血が吹き出し、嘗てのその立派な姿の面影は何処にも見当たらず、今にも壊れかけて、朽ちてしまいそうなくらいにズタボロに成り果てていた。


そう、先程のおぞましい叫びは、丘の天辺にいるそれから発せられたものであった。そして、この巨人こそが、勇者たちがその身を犠牲にし、勇敢と立ち向かった、この戦いの現況であり、憎み、倒すべき敵なのだ。


 それは、7年という長い月日と多くの勇者達の命と想いを犠牲にして、勇者達が掴み取ったチャンスだった。全世界を混乱と争いの渦に貶めて、その中において自らの私利私欲の為に大量殺戮を行なった悪の権化に対して、勇者達は、長い時間、苦戦し続けていた。しかし、それでも、諦めずに戦い続けて、漸く追い詰めた結果だった。


 だが、勇者達は、この時に知るべきだったのだ。例え、手遅れだと分かっていたとしても。そうすれば、彼の結末は、彼らの未来は、変わったかもしれない、変えられていたのかもしれない、救えたのかもしれない。いや、彼だけではない、救えた命、奪わずにすんだ命だってあった。だが、それでも彼等はそうはしなかった。






























 だからこそ










 ここから








 はじまったのだ


















































 全ての生命に対する黙示録が






 ■■■■■■■■■■■


 嘆きが聞こえる


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 痛みが聞こえる


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 苦しみが聞こえる


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 怒りが聞こえる


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 憎悪が聞こえる


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 血潮に染まった己の醜い両手をこれでもかというくらい、厚い雲に閉ざされた空へと目一杯に広げて破滅の権化は叫んだ。無駄だと分かっていた、だが、それでも、叫ばずにはいられなかった。仇打つべき敵を前にしても、何もできない、愚かで、無力な自分には、そうすることしかできないと悟っていたからだ。



 だが、そんな破滅の権化の願いを、燃え盛るような彼の赫瞳に映される黒い空は、神という存在に、聞き届けてはくれなかった。そして、無慈悲にも、彼の願いは、聞き入れられぬまま、黒く染まった空は残酷で冷徹な鉄の雨粒と眩い程の閃光に包まれるのであった。






















 忘れない





 決して忘れない





 たとえ





 貴様らが真実を知り





 忘れ去ろうとしたとしても





 真実を消し去ろうとしたとしても





 我らは決して忘れはしない





 この想いを





 待っているがいい





 己の勝利に酔いしれているがいい




 

 偽りの平和を楽しんでいるといい





 英雄気取りの偽善者吃が





 貴様らが何を思おうが構わない





 貴様らに分からせてやるだけだ





 貴様らが我らにしたように





 貴様らの死を持って





 分からせてやるだけだ





 貴様らが






















 一体何を敵に回したのかを











 咎人よ龍であれ 出逢いの章



 そこは、冷戦と呼ばれる共産主義と資本主義の争いが武力衝突にまで発展したIFの世界。1989年に、冷戦は終結せず、1991年、本来であるならば、その年、ソヴィエト連邦という国は崩壊するはずであったが、それも起きなかった世界。そして、1998年、世界が、東側と西側に別れての第3次世界大戦が起こった世界。機械龍神器 ドラゴン・タクティカルと呼ばれる人型機動物を完成させ、それを戦いに使用していた世界の話。


 そんな世界に、偽りの正義と権力、世界と呼ばれる神に戦いを挑んで、全てを奪われ、その存在すらも抹消された者たちがいた。嘗て、エルドラという国で全ての想いを懸けて、敗北した者たちがいた。多くの命を屠り、壊れた者たちがいた。故郷を失い、血に染まりきった者たちがいた。


 命約と逝った仲間の想いと願い、全てを奪った者たちに対する憎悪の呪縛によって取り憑かれ、殺戮の中でしか生きられなくなった人外。戦うことを強いられ、殺すことで奪うことでしか護れなかった人外。愛する者と殺し合い、殺した人外。青春を血で洗う戦いに捧げた人外。奪われ、罵られ、蔑まされ、壊れてしまった人外は、やがて咎人となり全ての理から外れた存在へと昇華した。


 そして、第3次世界大戦が終決した2010年。それから2年後の2012年、1人の咎人が日の昇る国、自らを見捨て、偽りの平和を享受する者たちが住まう、日本へと歩みを進めることから物語は始まる。

 


 さあ、今こそ語り継ごう。



 これは、咎人と歌人と呼ばれる者たちによって、異界で紡がれた真実の神話、その始まりの物語である。









 如何でしたでしょうか?


 読んでいただきありがとうございました。


 本編の続きも時間がありました急いで書こうと思っています。


 


 それでは、次回の更新でまたお会いしましょう!!!!



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