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芳一郎奇談-四谷怪談  作者: 水嶋


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悪い男

「ねえー、いつ結婚してくれるのお!?もう待てないよお」


「あともう少し待ってよね。まだ仕事見つかって無いしさ。お父さんもこんな俺じゃあ安心出来ないだろ?」


「私は大丈夫だってー。お祖父様だって卯愛の為ならお家だって生活費だってなんだって援助してくれるって言ってるしぃ」


「それは心強いなあ!でも俺も一応男だからね。お金の事でカッコ悪い所見せたく無いからさ。ちょっとは見栄張らせてよ。」


「わあ!やっぱ宅文って見た目だけじゃなくて中身もかっこいい〜!」


「惚れ直した?」


「最初っからずっと惚れっぱなしだってばー!」


「有難う。卯愛、愛してるよ」


「私も。うふふ」




卯愛とはひょんな出会いだった。


卯愛がガラの悪い連中に絡まれていた。


その中に以前大学で一緒に働いていた直輔がいた。

直輔は俺と同じ様に大学を辞めた訳だが、スパイの様な事をしていた為周りから警戒されていて医療関係の仕事にも就けず結局チンピラみたいな連中と連んで薬を売ったりしていた。


こいつは義理の妹の初天に横恋慕していた事は知っていたので、いつか埋め合わせするからとこっそり言い含めて退いて貰った。


助けた縁で卯愛とその家族に気に入られていた。

俺が元医学部の助教授で付いていた教授に巻き込まれて仕方なく大学を辞めた事などで同情されていた。


今もまだ結婚している事は伝えていないが、以前結婚していた相手から脅迫されて仕方なく面倒を見ていると伝えている。


卯愛の祖父、伊藤基平はあの四谷と対立していた伊藤教授の叔父に当たる。


伊藤基平は例の医療機器メーカーの代表取締役なので、伊藤教授とはズブズブだ。


敵わない相手を敵にしていた事を知って何だか馬鹿らしくなった。


いっそ取り入ってこの一族の一員になった方が利口だ。


ただ、四谷の家の財産…とりわけ土地は魅力が有る。一等地に有るので売り払えば相当額になるだろう。


もうあの家には未練もないが、不貞の罪を四谷から突きつけられていて、離婚と慰謝料を請求されていた。

衣羽には今は何の未練もないが、慰謝料なんて真っ平ゴメンだ。


とりあえず邪魔な四谷は直輔と結託して通り魔を装って消した。

直輔もまだ初天に執着していたので、邪魔な四谷を消す事に利害関係は一致していた。



あとは…






「宅文さん、おかえりなさい。」


「ただいま。」


「仕事は見つかりそうですか?」


「頑張ってるよ。」


「巌も…たまには抱いてやって下さい…」



「オギャーオギャー」




あぁ…辛気臭いな…五月蝿いな…




「小仏さんは…どうしましたか?」


「ああ…2度と来ない様に言ったよ」


「そうですか…あの方のお家は大変らしいので、どうか穏便に…」





小仏児兵…昔から何かと世話を焼いてやっていた後輩だ。


この間、家に遊びに来た時に盗みを働いている所を見つけた。


小仏の家は貧しく、生活に困っていた様だ。

ただ、今はこの家も転落していて決して裕福とは言えない。




昔から世話をしてやっていたのにこの裏切りに俺は腹を立てて、実は地下に縛って監禁している。


俺の機嫌が悪い時にいいサンドバッグ代わりに殴って気を晴らしている。

その内死ぬかも知れないが知ったこっちゃない。

この家で死ねば罪を四谷の家族に擦りつける気でいる。



そして俺はこの家を出る気でいる。

頂くものは全て頂いて…



その計画と準備は着々と進めていた。


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