幻想白~白狐
幻想白=白狐
(幻想ノ魅白)
意味がわからなかった。
仕事終わりに街中を歩いていただけなのに。
私は今、生きているはずだ。
実感できる、心の鼓動も脈も呼吸も、血の巡りさえも。
神経が疼くような不可解な現象。
即ち、恋だ。
もしかしたら、恋ではないのかもしれない、くだらない一時の感情ではない。
永遠に感じられる、時間と思考が引き延ばされた様な輝き。
生の実感さえ失う程の美貌と声色、これは一目惚れなのだろうか?いや、一目惚れなどとは一線を画す、古代の洗脳や支配、魅了の技術ではなかろうか。
全く身動きが取れなかった。
表情が固まり、声すら出ず、視線はその女性に向いていたと思う。
数分の間、生きた心地がしなかった、そういうものだろうか。
銀髪で長髪、瞳が蒼く輝いていた、眉毛や睫毛も銀色だった。
統一感とでも言うのか、銀色と青色が一つの世界として生きているかのようだった。
だからと言って、何をするわけでもなかった。
ただ、見惚れていた。
その風貌はいつの間にか私の視界から消えていた。
家に帰り、袖を見ると白銀の毛が張り付いていた、動物と触れ合ったつもりはない、洗面台に行き顔を洗うと首筋に輝く肉球の印があった。
それでも、この奇怪な現象を目の当たりにしたとしても、私はあの美しさを、声を聴きたいと思ってしまう。
私はこれからどうなってしまうのだろうか。
(狐妖千閑)
白狐
(月之化狐0)
白蛇が私の神社を荒らしたせいで、燃やすこととなってしまった。
まぁ、信仰をタダで借りられるのがムカついたからしょうがなかったのだけど。
(月之妖1)僕の好みだった神主も神社が燃えてどっかいってしまったようだし、別の人間で遊ぼうか、化け狐の本領というわけだよ。
(月之妖2)神の姿形は意味を成さない、俺の様な化かす様な狐なら尚更。
次の人間はどんなやつがいいか?誠実なやつがいいけどな。
せっかくなら信仰を貰うのではなく、眷属を作る事にしましょうかね。
場所は都会、適当な歩道...
幻惑、幻覚、魅了。
(人間0)幻を司る私の力は、あらゆる物を手に入れられる。
スーツを着た、いかにもサラリーマンって感じのやつが良いわね、従順そうで。
反抗してきそうでもあるけど、魅了しちゃえば関係ないし。
人間を妖怪にして眷属にする、それが今の(化鏡4)僕に課された遊びであり、神としての生存手段。
(化狐月ノ妖0)さて、私の偽物の姿を見た人間は僕達を追いかけてくれるかしらね。




