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白シリーズ  作者: 豆腐
2/11

幻想白~白猫

幻想白=白猫

朝起きて、一階に降りてカーテンを開ける。

 それが私の日課だ。

 それだけだと、ただの日常でしかない。

 だけどカーテンを開けて庭を見ると、白猫が居る。

 毎日、数ヶ月前からだ。

 特に思い入れもなかった可愛い猫ちゃんだったけど、毎日見ていたら愛着が湧いた。

 いつの間にか名前が付いていた、縁起が良さそうな白色だったから白星(シラホシ)という名前を付けた。

 私の日常に溶け込んだ白星は、毎朝私を迎えてくれる。

 別に撫でたり触れ合ったりはしないけど、毎日見かけて、日常の欠片として変えられないものとなっていた。

 でも、ある日のこと。

 朝、カーテンを開けて庭を見た。

 少しの間、現実を直視できなかった。

 白星はただの白猫じゃなくなっていた。

 白猫だった白星は黒猫の番いを連れて来ていた、白星の反対の真っ黒な黒猫。

 不安になった、いつも白くて縁起が良い色だったのに。

 毎日出迎えてくれた縁起が良い白猫は黒猫の番いを連れている。

 美しい白色が汚れた様な感覚に襲われた、いつもの日常が崩れて悪いことが起きるんじゃないかと、そんなことまで思ってしまう。

 その日はいつも通り、仕事をして家に帰った。

 日常は変わらなかった。

 ――――――――――――――――――――――

 いつも通りカーテンを開けて庭を見てみた。

 そこには白猫と黒猫の番いと、子猫が居た。

 私の日常にはいつもこの猫たちがいた。

 見守っていたし、この子達も私を見守っていた様に思う。

 一時は白猫にある種の信仰のような感情を持っていたが、黒猫が来たことで考えを改めた。

 日常の些細な部分が変わっても全てが変わるわけじゃないし、変化した些細な部分に注目して気を悪くしても仕方がないんだ。

 この白黒の猫たちは私の日課に色をつけてくれた、それは白でも黒でもない。

 カーテンを開けば、日が経つほどに彩り鮮やかな世界を私に見せてくれたのだ。

白猫

私は猫だ。

 簡単に猫と名乗ったが、厳密に言うと人間の皆が思い浮かべる様な可愛い猫ではない。

 人間の平和を乱す、猫又野槌という妖怪だ。

 猫又と野槌が合わさった種だ、妖怪の中ではなかなか珍しい種族らしい。

 ここ最近は、ある人間の家の庭に棲みついて妖気を養っている。

 毎日、陽の光を遮る布を横にずらしてこっちをみてくるが、早朝で人間も頭が働いていないのだろう。

 私が姿を消せば追ってこない、人間の妖怪への認識も甘くなったものよな。

――――――――――――――――――――――――

 力が戻ってきたので式神を創った。

 黒の猫又と白黒の猫又を召喚し、侍らせている。

 久しぶりの式神、景気が良いではないか。

 猫が増えたのを見て、人間は不安になっていたな。

 カーテンを開けて、こっちを見たら青ざめていたから少し面白かったな。

 しかし、別に何をするでもない、ここは力が溜まりやすい。

 いい場所だ、人間はこんなところに住処を作って、幸せもんだな。

 猫はクスクスと笑い声を漏らす。

 人間からすれば、災難ばかりで辛いんだろうがな。

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