file.2 船上の線歌
句崇刃「さてとりあえず今回はバレてるのもあるし存分に使わせてもらうかね」
雨桜「呼んだかにゃ、ご主人❤️」
句崇刃「呼んだよ、とりあえず配信つけてくれるか?」
雨桜「はいにゃ!」
春咲「前回の依頼は山の方だったから使えなかったものね…」
雨桜「みんな配信まで待ってくれてありがとうにゃ!今日はなんとあのハイエンミュラーさんのゲーム会場の船からお送りしてるにゃ!」
「おぉーすげー!」「マジかw配信主通ったんだなw」「どんなゲームかkwsk」
句崇刃「あー、それは配信主の俺から説明しよう」
「キャー!句崇刃様よ!」「今日もかっこいいわ!❤️」「配信慣れしてなさそうなのも初々しくて良いわ!」
ハーワード「めっちゃ黄色い歓声だな…」
春咲「句崇刃君、女性にめっちゃ人気なのよねー、逆に雨桜ちゃんは男性に人気だからバランス取れてるのよ」
〜事情説明中〜
「デスゲームってマジかよ!?」「そんなことするような怪盗には見えなかったのに…」
「仕事仲間もいるのか」
句崇刃「あぁ、やっぱりみんなもそう思うよな?」
バリトン「といいますと?」
句崇刃「やはり世間的にもハイエンミュラーがこんなデスゲームを開くとは考えられないみたいだな、そうなると本当に本物なのかを疑う必要も出てきたな…」
バニシアス「はわー!すごい、そんなことまで考えて情報を集めてるんですね!」
句崇刃「とりあえず配信はそのままつけておくから雨桜、なんか情報とかあったら適宜教えてくれ」
雨桜「えー、嫌だにゃん。ご主人様がお願いしてくれたら考えてあげるにゃん」
句崇刃「クッ…お願いします猫玉さん」
「かわいい」「私は学生の照れ顔に弱いおばさん」「襲われないように気をつけてね」
春咲「お姉ちゃん、やっぱり句崇刃君の将来が心配だわ…」
バリトン「ムッ!遠くから足音かな?」
句崇刃「あんたの似力で特定できそうか?」
バリトン「この音の感じだとおそらく…」
クルッペル「よぉ!俺だぁ」
春咲「さっそく一番強そうなお方が来ちゃったわね」
「えっ、あの人伝説の傭兵って言われてる人じゃないか」「すげー!生で初めて見たよ」「思ったより精悍な人じゃないか」
クルッペル「む、そういや何やらネットを通じて情報を得られる御仁がいるんだったなぁ…」
バリトン「ムッ、優先して狙うおつもりですかな」
クルッペル「そういうつもりでもなかったが情報が増えてあんたらのチームが有利になっても困る、優先して狙わせてもらいますわ!」
クルッペルが作り出した手榴弾が皆の頭の上の空間から降り注ぐ
ハーワード「何!?上からだと、しまった!」
クルッペル「創造するとはこのぐらい自在にできんとな!吹き飛びたまえ!」
句崇刃「くっ、完全に防ぐのには間に合わない…」
パキ、パキキキキ
クルッペル「ぬお!?」
手榴弾は全て氷漬けにされた
春咲「デスゲームなんだから遠慮はいらないわよね?」
「春咲さん、いつ見ても美しい…」「流石雪女の家系の生まれのトップ…あたしも見習わないと」「今度の依頼は彼女のとこに頼もうかしら…」
バニシアス「春咲さんも人気なんですねぇ」
句崇刃「春咲さんは男女問わず、特に妖怪系などの家系の能力を持ってる人から尊敬されてるんだ」
バリトン「確かにこの速度で凍らせるのは職人の技ですなぁ…」
クルッペル「クッ、ここまでの技量とは思わなんだ!やはりアンタから倒すとしよう」
ハーワード「隙ができてるぜ、オッサン!」
クルッペル「クッ、早い!」
ハーワード「おらよ!」
クルッペルを壁に叩きつける
クルッペル「クソッタレ!」
クルッペルは複数の銃を乱射する
ハーワード「おっと、あぶねえな」
春咲「早くこっちに!」
春咲さんが生やした氷の壁の後ろに皆が隠れる
クルッペル「厄介だがこちらも傭兵なんでね」
氷の壁の下側から大きな音が鳴る!
バリトン「これはまさかロケットランチャー!?しかしどうやって」
句崇刃「まさかあの席の下の隙間から!?」
クルッペル「なかなかやるようだがロケランの威力を消すことはできんじゃろう!」
春咲「…しまったわね、間に合わ」
バニシアス「うぅ…えい!」
ロケランの弾は消滅した、そして氷の壁は消滅する
クルッペル「何!?しまった小僧の似力か…」
「おお!すげえ何もなかったかのように消えたぞ」「概念系の能力はやっぱすげえな!」「いいぞー小僧!」
バニシアス「えへへ、褒められた」
句崇刃「助かったぜバニシアス、ありがとな」
クルッペル「このままでは他のやつに虚を突かれかねん、な!」
クルッペルがボタンを押す
ドガーン!
句崇刃「何!?」
バリトン「これは下の階での爆発!?」
春咲「キャッ!」
ハーワード「クソッ!あいつをノーマークにするわけには!句崇刃!バニ坊のこと頼むぞ!」
句崇刃「わかったぜ」
そしてハーワードを残す4人は下の階に落ち、ハーワードはクルッペルと対峙することとなった…
「いやーすげえ戦いだったな」「そういやハイエンミュラーさんのことなんだけど…」
〜船内一階〜
句崇刃「なかなか無茶しやがるぜ…」
春咲「みんな怪我はない?」
バリトン「大丈夫でございます」
バニシアス「う、うん」
雨桜「そういやご主人、重要そうな情報きてたにゃん」
句崇刃「何、どれどれ」
ハイエンミュラーについての情報で以下のことが追加された
・ハイエンミュラーが奪ったミューメライトと似たようなものが卸されている
・ハイエンミュラーがお遊びで開くゲームの日と今日の曜日が違っている
・ハイエンミュラーがミューメライトを盗んだトゥルーマーク博物館では他の美術品も盗まれている
句崇刃「なるほど…まだわからないことだらけだが本物である可能性は低そうかもな」
バリトン「それどころかここに本物のミューメライトがない可能性もありますな…」
春咲「でも世間で騒がれるかつ句崇刃君の配信がある以上ズルや不義理は糾弾されるからゲームとして崩壊はさせないでしょうね」
句崇刃「つまりさっさとここから抜け出すためにミューメライト(?)を見つけて抜けた方がいいな」
バリトン「ハーワードがクルッペルを抑えているうちに分担して探索しませんかな??」
春咲「他の人もいる手前危ないかもだけど1人が見つけて報告してくれたら後は出るだけだものね」
句崇刃「バニシアスは任されてるのもあるから俺と一緒に行こうか」
バニシアス「は、はいよろしくお願いします」
バリトン「私たちは二手に分かれるとしましょうか」
春咲「ええ、みんな気をつけてね」
句崇刃「ああ、雨桜」
雨桜「なんにゃ?」
句崇刃「さっきはゴタゴタして出来なかったけどこの船のマップを作ってくれないか?頼むぜ」
雨桜「ふーん、わかったにゃ」
「雨桜さんの適当な返事だ!」「めんどくさそうでかわいい」「文句を言わない句崇刃君いい子だわ」
春咲「じゃ、気をつけて行ってらっしゃい!」
バリトン「ええ、春咲さんもお気をつけて」
句崇刃「さ、行くぞバニシアス、後でみんなにマップを送っておくからなー」
〜そして別れた後〜
句崇刃「アンタは…」
ニルヴァン「ニルヴァン・トーチ、関わらないといった手前だがお前だけには用がある句崇刃 升斗」
バニシアス「怖いお兄さんです!?」
句崇刃「何の話があるってんだ」
ニルヴァン「首狩り音頭坂の事件のことでな…」
句崇刃「!?!?」
バリトン「おや?あなたは」
題舵鉢「あんたは音をよく使う老紳士ってやつなのかね」
バリトン「出会ってしまいましたがどうします?」
題舵鉢「やっぱり欲しいものは武力で手に入れるとするかね!」
バリトン「お相手いたしましょう」
春咲「あなたたちは…」
からん「あぁ!変人のお姉さん」
春咲「ウッ…効くわね」
かだん「あ、アタシの妹に近づくんじゃねえ…」
春咲「気持ちはわかるけどそのハンマーは置きなさい、私たちは既にチームで動いてるから脱出の方向で動いてるの、よかったらあなたたちも手伝ってくれない?」
かだん「そ、それはそうだけどよ…」
春咲「こんなことに巻き込まれて不安なのかもしれないけど大丈夫、お姉ちゃんがいるから…」
からん「…悲しい顔、してる…」
クルッペルの襲撃を受けた句崇刃一行、そして句崇刃は山で使えなかった配信の力を大いに利用し立ち回る。事件の真相はまだ見えないがクルッペルが動きにくいうちに事件解決のため別れて探索する、そしてそれぞれ他の探索者たちと出会い事件は加速していく…
トゥルーマーク博物館のミューメライト強奪事件 file.3に続く
〜幕間〜
題舵鉢「………誰も来ないわね、にしてもこの船の紅茶おいしいわ…」
ニルヴァン「(関わるなっていったけど任務のこと忘れてた…今からでも取り繕えるか…)」
からん「お姉ちゃん、このお菓子おいしいよ‥?」
かだん「全く敵地だってのに…いつかこんな船でからんと一緒に旅でも…」